かみかわ陽子のラジオシェイク第19回オンエア(2)理想の生涯学習

 7月3日(火)18時30分〜19時オンエアの内容、つづきをどうぞ。

 

 

  ♪

 

 

 

(鈴木)さて、先月、神戸市のシルバーカレッジへ視察に行かれたそうですね。


 

 (上川)ええ、大学女性協会静岡支部のみなさんと、神戸市のシルバーカレッジに1泊で視察に行きました。65歳以上を対象にした生涯学習機関として、平成5年に開設されました。もうすぐ20周年を迎えますね。

 開校2年後の平成7年に阪神淡路大震災が発災したのですが、この時、カレッジは全国からの支援物資を受け入れ拠点となり、学生たち(65歳以上の学生さんのことですが)が、ボランテイアで仕分け作業をしたそうです。その伝統が、3.11東日本大震災のときにも発揮されました。今回初めてうかがって、日本の中で、20年経ってもこんなに進化し続ける学校があるとはビックリでした。


 

(鈴木)生涯学習センターや寿大学とはどう違うんですか?


 

上川)大学とほぼ同じなんです。3年間のコースで、一学年400名が定員です。1,200名の学生さんたちが週2日のペースで勉強に来ています。どのプログラムも、周辺の大学の教授陣をはじめ、第一線の学者知識人が教鞭をとっていました。我々は福祉コースで実際に老犬施設を経営している経営者の講義などをはしご聴講したのですが、どれも腰を落ち着けてじっくり聞きたい話ばかりでした。


 

(鈴木)場所はどの辺ですか?


 

(上川)新神戸駅から山合に向かって車で約30分、「しあわせの村」という名前の広大な地域の中にあります。施設全体の総面積はなんど205ヘクタール、甲子園球場の50個分というからびっくりです。敷地内には、自然を十分に生かしながら、高齢者・障がい者の自立を援助する福祉施設をはじめ、運動広場、芝生広場、キャンプ場など、多種類の屋外スポーツ施設、レクリエーション施設、宿泊施設、温泉施設などがあります


 

(鈴木)へえ、神戸にそんな施設があったなんて、初めて知りました。


 

(上川)構想づくりは、昭和46年に遡ります。当時「福祉」は国が取り組むとされていた時代です。当時の市長の強いリーダーシップで、昭和52年、全国に先駆けて、「神戸市民の福祉をまもる条例」が策定されました。目的は、健康で文化的な生活水準を全市民に保障することとし、条例の基本理念は「自立と連帯」。そして、具体的な施設整備を通じて、その理念を実現するために構想されたのが「しあわせの村」です。


 

(鈴木)昭和40〜50年代といえば高度成長の時代ですが、その頃から福祉や健康長寿づくりに着目していたとは大変な先見性ですねえ。


 

(上川)構想から約20年、市政100周年記念事業として、平成元年4月に「しあわせの村」が建設ました。その後、30年の歴史を誇っているというのですから、その先見性には脱帽です。最近は韓国や中国からの視察団が訪問されているとのことでしたが、どうして今まで国内で注目されてこなかったのか、不思議です。


 

(鈴木)実際、カレッジはどんな雰囲気でしたか?


 

(上川)高台にあって明石海峡のブリッジが見える風光明媚な場所にあり、建物はスペイン風の屋根に白い壁で、南国の雰囲気の漂うとってもお洒落なキャンパスでした。学生さん・・・平均年齢67歳の学生さんですが、みなさんが講義やクラブ活動で陶芸に活き活きと励んでいるところを視察させていただきましたが、そのまま一緒に受講したいなと思えるほど活力があって、和気あいあいの雰囲気でしたよ。


 

(鈴木)学生さんの男女の比率ってどんなですか。


 

(上川)どう思います?


 

(鈴木)なんとなく女性の方が多いような気がしますが・・・。


 

(上川)私も行く前はそう思ったんですが、意外にも男性が約3分の2、女性が3分の1。平均年齢は67歳です。最近女性比率が高くなっているとはいえ、ばりばり現役といってもいいくらい、皆さん生き生きと学生生活をエンジョイしている様子でした。クラブ活動も40くらいあるんですよ。


 

(鈴木)そうか、いまどきの60代後半といえばまだまだ気力体力も充実した世代ですものねえ。


 

(上川)カレッジの卒業生は、3年間の間に身につけた成果をもって、神戸市内の各地域で還元するさまざまなボランテイア活動をしています。そのメンバーは、約1200名、「和の会」という名称で、活発な活動を続けているのも大きな特徴です。


 

(鈴木)静岡でも参考になりそうですね。


 

(上川)現役世代が定年退職を迎えた後も、社会での活躍が期待される時代です。何も新しい学習施設を作るというのではなく、人の活かし方のしくみ、について、静岡でも参考になりそうな要素がたくさんありました。


 

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(上川)冒頭に触れた福島の中学校ですが、バックボーンとして、福島県郡山市がコーラスで町おこしということで長年取り組んだ成果だったようです。学校の部活動以外にも市民コーラスの活動も活発なようで、音楽の力が地域の活力につながったという意味ではとても参考になると思いました。


 

(鈴木)コーラスといえば、今年、静岡県と中国浙江省の友好提携30周年記念で、来月、一般県民300人が杭州市で『300人の第9』を歌うそうですよ、私の知り合いも歌いに行くと張り切っていました。陽子さんのお仲間は夜桜乱舞のような踊りがお得意のようですが、合唱にも挑戦されてみては?


 

(上川)待ってました。実は、私の事務所では毎月、「ひまわりコーラス」隊が練習をしているんですよ。クリスマスの時などは、施設に出向き、赤い帽子とケープで、コーラスと踊りのプレゼントを続けています。私も、昨年は飛び入りで、コーラス隊の一員として活動してきましたよ。今年は、真弓さんも参加してみませんか(笑)。


 

(鈴木)いいですねえ、思い切り声を出すって健康にもよさそう!


 

(上川)神戸のシルバーカレッジでもコーラスをやっていましてね、横隔膜をいかに鍛えるかという指導を見学しました。私も思わず後ろで横隔膜をさすってしまいましたよ(笑)。
 コーラスは教育の上でも健康づくりや町おこしの上でも役に立つ、一石三鳥・四鳥ぐらいのメリットが期待できます。コーラス好きとしてはぜひ活かしていきたいと思っています。


 

さて、そろそろお時間になりました。最後までおつきあいくださったリスナーのみなさま、本当にありがとうございました。それでは次回までごきげんよう。
 
*次回は7月17日の放送です。


 

 
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