かみかわ陽子のラジオシェイク第18回オンエア(1)イギリス王室と日本の皇室

 6月19日(火)18時30分〜19時まで、FM−Hiでオンエアされた内容を2回に分けてご紹介します。

 

 

オープニング/高田梨加

「かみかわ陽子のラジオシェイク」、この番組は自由民主党静岡県第一選挙区支部の提供でお送りします。


陽子さん、こんばんは。


 

(上川)こんばんは。上川陽子です。


 

(高田)ロンドンオリンピックの開幕まであとひと月です。イギリスという国がふたたび注目されていますね。


 

(上川)そうですね、今年はエリザベス女王在位60年という記念の年です。テレビで記念番組をいくつか観ましたが、品格と親しみのある女王の立ち居振る舞いに思わず見入ってしまいました。


 

 高田)以前、ラジオシェイクでサッチャー元首相を描いた映画『マーガレットサッチャー鉄の女の涙』についてお話されましたが、エリザベス女王も『クイーン』という映画で取り上げられましたよね。


 

(上川)私も大変興味深く『クイーン』を観ました。ダイアナ元皇太子妃が亡くなった直後の、イギリス王室の葛藤や当時のブレア首相の立場が生々しく描かれていました。『マーガレットサッチャー』といい、『クイーン』といい、本人が存命中である一国のリーダーを、あのように冷静に、客観的に、しかもドラマとして面白く描くというイギリスのお国柄にも感心させられますね。


 

(高田)陽子さんは『クイーン』をどうご覧になりましたか?


 

(上川)女王と首相のやりとりが面白かったですね。ダイアナさんの事故死に対する王室の反応が、国民から批判されたとき、首相がどういう考えで王室のイメージ回復をはかろうとしたのか。政治的なドラマとしても興味深かったです。


 

(高田)映画を通して、ある意味、開かれた王室像というのが伝わってきましたよね。


 

(上川)イギリス王室は、日本の皇室とも大変密接な関わりがありました。今日は、そんなイギリスについてお話しようと思います。


 

(高田)わかりました。ではここからは聞き手のコピーライター鈴木真弓さんにバトンタッチいたします。


 

  
           ♪

           


 

(上川)改めまして、リスナーのみなさん、こんばんは。上川陽子です。


 

(鈴木)コピーライターの鈴木真弓です。どうぞよろしくお願いいたします。イギリスといえば、私は14年前に、当時向うに住んでいた妹と一緒に3週間ぐらいイギリス国内をあちこち旅行したんです。

 サンドリンガムという王室の別邸で、無料のクラシックのコンサートがありましてね、市民が芝生庭園にシートを敷いて、ワインやおつまみ持参で寝転がって自由なスタイルで聴けたんですよ。たとえていうなら、須崎や那須の御用邸で市民が花見酒をやるようなものです。イギリスの開かれた王室のパワーを感じましたね。


 

(上川)イギリス王室では、バッキンガム宮殿やウインザー城、今お話のあったサンドリンガムハウスも、王室ファミリーが滞在しない時期は、有料で一般公開しているんですね。その収益で王室の経費の一部をまかなっています。

 一説には、イギリス王室は100億ドル、日本円にして1兆円に近い不動産を所有し、女王の個人資産も5億ドルといわれています。日本の皇室の成り立ちや立場は、イギリス王室とはもちろん違いますが、皇室の方々は代々、イギリスとのかかわりがとても深く、明治2年、1869年にビクトリア女王の次男エジンバラ公が来日したのが始まりといわれています。


 

(鈴木)140年のおつきあいということになりますね。


 

(上川)1902年に日英同盟が結ばれると、さらに交流は深まり、日本からは、1911年、東伏見宮依仁さまが、英国王・ジョージ5世の戴冠式に出席するため、皇族として初めてイギリスを訪問されました。大正時代になると、1921年、当時、皇太子だった昭和天皇が英国訪問を果たされます。後に昭和天皇は、

「イギリスの王室は、私の第2の家庭だ。ジョージ5世からイギリスの立憲政治の在り方をうかがったことが、ずっと私の頭にあり、つねに立憲君主制の君主はどうなくてはならないかを考えていた。ジョージ5世陛下の父親のような慈悲深い、温かいもてなしの数々は、終生忘れることができない」

とおっしゃっていたそうです。帰国後、昭和天皇は、和装をやめて洋服の生活に切り替え、朝食もハムエッグにトースト、あるいはオートミールという英国流の生活を取り入れられたそうです。

(鈴木)ジョージ5世というのは、昨年のアカデミー作品賞受賞の映画『英国王のスピーチ』の主人公で、吃音に悩まれたジョージ6世のお父様ですね。日本の皇室のライフスタイルにもそんな大きな影響を与えた方なんですねえ。


 

上川)現在の天皇陛下は、今から59年前、19歳のときにエリザベス女王の戴冠式に出席されています。終戦から間もない時期で、対戦国だった日本の皇太子がやってくることに、イギリス国民の心情も複雑だったと思います。陛下が昭和天皇から受け継がれたイギリスに対する尊敬の思い、それが現地でのご発言や立ち居振る舞いに表れたと思います。当時のニュースで、英語でスピーチされる陛下のお姿、ご立派でしたね。


 

(鈴木)考えてみると、皇室の方々というのは、本当に、ご自身の存在がその国を象徴する、大変な重責を背負われているんですねえ。


 

(上川)ウィンザー城で、女王の即位60周年を祝う午餐会が開かれ、世界30カ国の王族や首長が集まりましたね。午餐会は非公式でしたが、報道によると、女王のすぐお隣に陛下が座られ、美智子さまも同じテーブルに座られた。手厚いおもてなしですね。心臓の手術をされて間もないご高齢の陛下が、ご出席にこだわられた理由が、なんとなく解ります。


 

(鈴木)政治家や企業トップの社交辞令だったら、病気や高齢を理由に断っても差し障りがないでしょうし、ほかの国の王族だったら皇太子を代理にたてたかもしれませんけど・・・。


 

(上川)明治維新直後から始まり、第二次大戦直後も変わらない絆で結ばれたイギリス王室というものが、日本の皇室にとっていかに重要か、国の象徴というお立場を深く考えられ、ご自身の体調は二の次でお考えになってご出席されたのだと思います。陛下のそのお姿に、私自身も深い感銘を受けました。


 (つづく)

 


 

      
 
           
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