かみかわ陽子のラジオシェイク第11回オンエア(1)地域資源を考える〜雛具・雛人形と柴揚げ漁体験
2月26日(日)にFM−Hiでオンエアされた「かみかわ陽子ラジオシェイク」のトーク内容を2回に分けて紹介します。
(MC/高田)陽子さん、おはようございます。
(上川)おはようございます。
(高田)寒い冬もようやくひと山越えて、春ももうすぐそこです。陽子さんはインフルエンザや花粉症は大丈夫ですか?
(上川)今年インフルエンザが大流行していますが、私はまったく大丈夫です。予防注射をしていないので、油断大敵。外出先から帰ってきたら手洗いとお茶でうがいを続けています。高田さんは大丈夫なの?
(高田) 私もうがい・手洗い・気合いで乗り切っています(笑)。ここからは聞き手のコピーライター鈴木真弓さんにバトンタッチいたします。
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(上川)改めまして、リスナーのみなさん、おはようございます。上川陽子です。
(鈴木)おはようございます。コピーライターの鈴木真弓です。今日は地域の伝統や学校のお話をしようと思います。さっそくですが、今月は市内各地の神社の節分祭をはしごされたそうですね?
(上川)2月3日の節分の日は大忙しでした。静岡浅間神社を皮切りに、駒形神社と小櫛神社を回りました。
節分祭は豊かな四季に恵まれた日本の伝統文化のひとつですね。季節の変わり目に邪悪な鬼を退治し、新しい季節を迎える行事として古くからあります。子どもの頃は、家で豆を撒いて遊びましたが、最近は家庭での豆まきの風景がなくなってしまっていますね。子どもたちには、せめて神社の節分祭で、伝統行事にいっぱい触れて欲しいと願いつつ、子どもたちが拾えるようにと心がけて、豆を撒かせてもらいました。
(鈴木)今週末は雛祭りです。雛具や雛人形は静岡市を代表する伝統工芸ですね。
(上川)3月3日はひな祭り。私、3月1日が誕生日なので、いつも誕生日も兼ねてひな祭りのお祝いをしてもらいました。今はそういう場面はありませんが(苦笑)。
静岡は雛具の産地として全国的に有名ですが、そうした地位を築けたのも、大正12年の関東大震災のとき、被災した東京の職人が静岡へ移り住んだころからだそうです。
(鈴木)震災がきっかけだったんですか。
(上川)静岡市で雛人形が本格的に作られ始めたのは昭和の初め頃で、人形師を招いて技術を導入し、本格的な生産が始まりました。昭和30年代後半からプラスチック製のものが出現し、量産化が進んだんだそうです。
最近再び木製の良さが見直され、静岡の指物・漆器・蒔絵などの伝統技術をいかしたすばらしい商品がたくさん作られ、全国でも有数の産地となっています。大変嬉しいことに、平成6年には、国の伝統的工芸品に指定されたんですよ。
(鈴木)静岡のお雛様が日本を代表する伝統工芸だというお墨付きをいただいたわけですね。嬉しいことです。それら伝統工芸のベースには、久能山東照宮や浅間神社の造営のために全国から集まった職人さんたちの技術にあるといわれています。歴史が生んだ、まさに地域資源ですね。
(上川)人材という意味でも大変優れた資源を持っているといえますね。実は私、今年初めて、静岡市麻機池の冬の風物詩「柴揚げ漁」を体験してきました。真弓さんご存知ですか?
(鈴木)いえ、ニュースか何かで聞いたことがありますが・・・。
(上川)柴揚げ漁って、シバ犬の「柴」に、揚げ物料理の「揚」という字を書くんです。麻機は沼地ですね。そこに柴を沈めて魚の寝床を作り、柵で囲って魚をすくい獲るという仕掛け漁です。魚は冬になると水中の草木の下に身を隠すという習性を利用しているんですって。
(鈴木)麻機池の伝統なんですか?
(上川)南沼上地区に室町時代から伝わる伝統漁法で、今は南沼上柴揚げ漁保存会という会が、毎年1月に柴揚げ漁の体験会を開催し、技術の伝承を続けています。30数年続いているそうです。私は実は今年初めて参加して、大変興味深い伝統の技をみることができました。
(鈴木)室町時代から続いている「柴揚げ漁」って、どんな漁なんですか。
(上川)まず、半年ほど前から準備にかかります。9月頃に沼に溜まった泥を取り除いて、軽トラ1台分のクリやシイの枝を、3メートル四方の範囲に沈めておきます。冬にかけて、フナやコイが寒さよけに身を寄せるわけです。そして、年が明けたころ、周囲を柵で囲んで、沈めておいたたくさんの枝を次々に取り除き、すっかりなくなったところをタモですくって魚を獲るというわけです。これを当日体験したんですね。沼地なので結構大変なんですが、コイやフナが獲れましたよ。
(鈴木)獲った魚は食べるんですか?
(上川)以前はその場で調理して食べていたそうですが、今は保存会の皆さんがあらかじめ準備してくださったフナ汁をいただくんです。1月、寒風の中大変おいしくいただきました。
(鈴木)近所に住んでいるのに知りませんでした。灯台もと暗しですね。
(上川)漁で使っている船は、プラスチック製の小船で、大変不安定で漁師さんたちも苦労して、柵を入れたり、沈めた木の枝を掬いだしたりしていました。昔は、底の平らな木造の船だったそうです。古来の漁に対し、道具を揃えるだけでも、ご苦労があるようです。
(鈴木)雛具のように、木製のホンモノの良さが見直され、伝統の価値が高まるということもありますよね。
(上川)ホンモノの伝統という意味で、技も道具も作品もトータルに維持し続けるのは楽ではありません。会場では、麻機沼の自然を写したパネルが並べられ、柴揚げ漁の30年の歴史紹介もありました。
そうやって地域の保存会の方々が一生懸命残してくださっている貴重な地域資源を、観光資源として活かし、ぜひ、多くの方に麻機の歴史や豊かな自然に触れていただけるよう、私も全面的に応援したいと思っています。4月14日から、新高速も開通しますので、関東圏や名古屋圏からたくさんの観光客が訪れることでしょう。麻機の自然を丸ごと楽しんでいただきたいですね。
静岡と模型
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2012-2-26 0:18 ( FMHi かみかわ陽子のラジオシェイク / 新着情報 )