かみかわ陽子のラジオシェイク第12回オンエア(1)3・11追悼慰霊〜福島県いわき市との交流

 

 3月25日にFM-Hiでオンエアされた『かみかわ陽子ラジオシェイク』の内容を2回に分けてご紹介します。

 

 

オープニング/高田梨加 陽子さん、おはようございます。
 
(上川)おはようございます。
 
(高田)3月は卒業式、旅立ちの季節ですね。
 
(上川)3月19日、静岡市内の各小学校で卒業式がありましたね。私は地元が大谷で、毎年、大谷小学校の卒業式に参加します。今年はとりわけ、わが子が卒業したときのことを思い出し、心に染みました。
 当日は素晴らしい卒業式が各学校でも執り行われたと思うんですが、大谷小学校では子どもたちが「いのちの歌」という歌を合唱したのです。一生懸命練習した成果が、見事に会場に響き渡り、感動して涙が出ました。
 いのちということを考えると、東日本大震災もありました。いのちに対する思いが一層迫ってきましたね。この歌はNHKの朝の連続テレビ小説「だんだん」でマナカナちゃんが歌ったんですね。ちょっと聴いていただきたいと思います。

 ♪ いのちの歌 
 生きていくことの意味、問いかけるそのたびに
 胸によぎる愛しい人々の温かさ
 この星の片隅で、めぐり合えた奇跡よ
 どんな宝石よりも、大切な宝物
 ・・・

(高田)とても印象的な歌を聞かせていただきました。さあ、ここからは聞き手のコピーライター鈴木真弓さんにバトンタッチいたします。
 
 
(上川)改めまして、リスナーのみなさん、おはようございます。上川陽子です。
 
(鈴木)おはようございます。コピーライターの鈴木真弓です。昨年4月からスタートしたラジオシェイクは今日で12回目。無事1周年を迎えました。放送開始直前に発生した東日本大震災によって、番組でも折に触れて被災地のこと、地元静岡の地域の絆やリーダーの在り方等についてのお話がありました。3月11日は慰霊のキャンドルイベントを開きましたね。

(上川)はい、3月11日夜、静岡市役所前の青葉イベント広場で、慰霊のキャンドルナイト「ふくしまハートプロジェクト」という復興支援イベントを行いました。昨年来、ご縁のあった福島県いわき市の道の駅よつくら港の再建を応援しようと、多くの市民の皆さんの手で、311個のキャンドルで作ったハートマークを浮かび上がらせたんです。当日の模様はインターネットでライブ中継し、いわき市の慰霊祭の会場でも見ていただきました。

(鈴木)3.11の道の駅よつくら港の慰霊祭では、静岡市から「タンコロ灯篭」が贈られて、灯火に使われたそうですね。「タンコロ灯篭」ってどういうものですか?
 
(上川)静岡市が、市産材活用の一環として商品化した木の灯篭です。短く切った丸太の断面に切り込みを入れ、中心に火種をつめて燃やします。長く安定して燃えることから、昔は山仕事などで使われてきたそうですね。
 昨年11月、いわき市の方々が静岡へいらしたとき、産業フェアしずおかにご案内しました。そのときに会場でタンコロを見つけた道の駅よつくら港の代表佐藤雄二さんが、「3・11の追悼慰霊祭でぜひ使いたいから」と購入を申し出たのです。
 私たちの橋渡しがお役になって、静岡市から寄付していただくことになり、静岡市森林組合のみなさんがヒノキ等の間伐材を使って150個のタンコロを製作してくれました。
 慰霊祭当日は、道の駅よつくら港で、このタンコロで「絆」の文字を描きだし、インターネットでライブ中継もされ、私も中継を拝見しました。とても寒くて風の強い夜でしたが、とても美しかったですよ。
 
(鈴木)それはよかった、静岡市の関係者のみなさんも、何かお役に立ちたいという思いを持ってくださっていたんですね。
 
(上川)市の森林組合の秋山泰平理事長も「静岡の木材が役に立てばうれしい、木の灯篭独特の温かみを感じてもらいたい」とおっしゃっていました。
 
(鈴木)実は私、慰霊祭の直前に、道の駅よつくら港の佐藤さんからお酒とお手紙をいただいたんです。昨年暮れ、少しでもお正月気分を、と、静岡のお酒をお贈りしたそのお礼だと思うんですが、お手紙にはこんなメッセージがありました。
 

 
『おかげさまでふるさと四倉町の復興のシンボルともいうべき「道の駅よつくら港」も、今年夏の新築オープンに向け、仮店舗での仮営業が再開しました。
3月11日の追悼慰霊祭では、交流をさせていただいている静岡の灯火を当日是非に、という私たちの勝手な思いをおくみ取り頂き、本当に感謝しております。
静岡からいただいたタンコロにともした明りが、犠牲となった人たちと今を生きる私たちをつなぐ光として、そして残された私たちの希望の光として、明日を照らしてくれると信じております。これを機会に、いわきと静岡の交流がさらに深まることを願っております』
 

(上川)こういう言葉を直接いただくと、こちらも励みになりますね。東日本大震災は被災地があまりにも広範囲で、遠く離れた私たちにとっては、被災地に家族や親せきや友人・知人がいる人でなければ、どこをどう支援してよいのか、きっかけがつかみにくいでしょう。
 この番組をお聴きになっている方で、被災地と直接の接点をお持ちでない方は、福島県いわき市というまちと、道の駅よつくら港という施設の存在をぜひ覚えていただき、何かの折に心を寄せていただきたいな、と思います。
 
(鈴木)いわき市の人々にとっても、静岡市というまちが特別な存在になれば素敵ですね。
 
(上川)静岡市はこういう町なんですよ、こんな自慢があるんですよって胸を張れる町にしたいですね。少なくとも、防災に関しては、地域でこれだけの取り組みをしていると言えるようにしなければ、被災されたいわき市のみなさんに顔向けできないな、というのが私の気持ちです。
 

 

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