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第137回 「犯罪被害者の声を国会に届ける院内集会、アイスランド議員団と教育について語り合う、ジェンダーサミット10開催」

(6月20日オンエア)

(上川)リスナーの皆さま、こんばんは。上川陽子です。

(鈴木)コピーライターの鈴木真弓です。どうぞよろしくお願いいたします。陽子さんは長年、犯罪被害者の支援に関わる法律を作ってこられたということで、つい最近、象徴的なシンポジウムがあったそうですね。

(上川)5月23日に参議院議員会館で「犯罪被害者の声を国会に届ける院内集会」が開かれ、自民党司法制度調査会長として出席しました。土師淳くん、覚えていますか?

(鈴木)神戸連続児童殺傷事件の・・・。

(上川)そうです。あの痛ましい事件の被害者です。20年前の5月24日の出来事でした。事件から20年になるということで先月23日に院内集会を開催し、淳くんのお父様が犯罪被害者家族として声を上げ続けておられることを知って深く心に刻みました。

(鈴木)確か先月、お父様の手記が新聞に掲載されましたよね。

(上川)この事件は、その後とくに、加害者だった少年が社会に出て手記を出版しました。内容は決して被害者の人権を尊重するものではなく、むしろ傷つけるものだったということで、表現の自由、出版の自由と被害者の権利とで大きな衝突がありました。被害者のお父様からすれば、加害少年に裏切られたという思いが強く、そういう手記の出版には制限を掛けるべきだという声明を出されました。今もまだその問題が解決できない中、もう一度、犯罪被害者の声に耳を傾けてほしいということで、集会の開催に至りました。

(鈴木)参議院の院内集会ということは、議員の皆さんを対象にした集会ですか?

(上川)犯罪被害者等基本法を作ったときの弁護士の岡村先生ほか、基本法の成立に尽力された方々も出席されました。基本法は現在、第3次段階に来ておりますが、残された課題は多く、被害者やそのご家族が2次被害や3次被害に苦しんでおられることを改めて知った次第です。法律を作った時は、お一人お一人の被害者の方々の声を聞いて聞いて施策を盛り込み、国や自治体や国民、マスコミもこの問題に関わっていることを訴えたつもりでしたが、たえず運用のレベルで鍛えていかないと、淳くんのお父様が20年経ても苦しんでおられることに応えることができません。その意味で、自分自身の無力さというものを感じた集会でした。

(鈴木)犯罪被害者の権利を守るというのは、新しい権利の考え方なんですよね。

(上川)この25日の憲法審査会のテーマが「新しい人権」なんです。たとえば環境権、プライバシー保護の権利、国民が知る権利と並んで犯罪被害者の権利が新しい人権に加えられています。私としては、この新しい権利をしっかりと憲法に位置付ける要請が国民から強く出されているということを、盛り込んでいきたいと思っています。

(鈴木)憲法13条に書かれているんですよね。

(上川)今までの憲法ではこういった新しい人権に関し、憲法13条の幸福追求権に織り込まれると解釈されています。犯罪被害者等基本法を作った時も、憲法13条の「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の場で、最大の尊重を必要とする」がベースになっていますが、ここからは犯罪被害者のケースを読み取ることができない。そこで法律を作り、理念を打ち出しながら、一条に犯罪被害者の保護という文言を入れて犯罪被害者の権利を確定したのです。

憲法13条の中にある幸福追求権とは一般化した人権ですが、犯罪被害者等の権利をここから取り出し、明文化することが必要ではないかと提案させていただきました。国の法律というのは、憲法があって、その条文にのっとって基本法や一般法が作られ、その下に様々な規則やルールが作られるのですが、憲法と基本法が相対としてバランスがとれているということが大事です。少なくとも拠って立つ基盤である憲法が、加害者の権利については条文としてしっかり明文化されているため、犯罪被害者とのバランスを考えた上で条文に明示していくことが必要であるという訴えです。

(鈴木)憲法の問題はいろいろと注目されているところですね。13条にこういう条文があるということを心に留めておきたいと思います。

(鈴木)後半は女性活躍推進の話題ですね。この分野の先進国はアイスランドで日本もお手本にしていると再三教えていただきました。そのアイスランドから国会議員の皆さんがいらっしゃったそうですね。

(上川)アイスランドは世界の中でもジェンダーギャップ指数(GGI)1位を6年間更新し続けている国です。ちなみに日本は111位~112位あたりです。このGGIトップの国から、私が今、文部科学委員会の筆頭理事を務めていることから、アイスランドの文部科学委員会所属の議員8名がいらっしゃって、こちらの委員会の超党派の理事と議論しました。

(鈴木)やはりアイスランドからは女性議員が多かったのですか?

(上川)そうですね。団長は男性で、もう一人男性がいましたが、後の6名は女性でした。一番お若い議員は26歳でしたね。お若いけれどハッキリ質問され、明快なやり取りをされていました。

(鈴木)文部科学委員会でお招きになったということですから、テーマも教育に関することですか?

(上川)テーマは日本の教育現場で抱えている問題や、国会で議論されていること。さらに科学技術に対する取り組みや問題等々。学校教育に関しては幼児教育に関して日本は無料化を進めているところですので、強い関心を寄せていただきました。女性の活躍も大事ですし、その前段階の教育レベルにおいても男女共同が大事だということで、アイスランドの皆さんは日本について大変良く勉強して来られてきたので実質的な話ができました。時間がオーバーするほどの活発ややり取りがありましたね。

(鈴木)アイスランドの教育現場に学ぶ点ってどんなことでしょう?

(上川)まず小学校の学級人数ですが、日本では1クラス35~40人ぐらいですが、アイスランドは25人です。非常にコンパクトですね。日本の実情を申し上げたらアッと驚かれました。ただハンディキャップのある子どもたちに対して非常に心砕いて取り組んでおられ、共通の課題の指摘もありました。ICT教育においても小中学校でiPADを導入している点等の共通項がありました。共通点と違いの点がはっきりしていて非常に興味深かったですね。

(鈴木)教育費の無償化についてはいかがでしょうか?

(上川)進んでいますね。1~3歳の幼児教育無償化は日本でも動いており、多子世帯―3子4子の場合は無償化が進んでいるという話をしましたが、アイスランドは生まれたときから無償化だということです。

(鈴木)向こうの方々は日本の教育のどういう点に関心を持たれたんでしょうか?

(上川)学校教育における新しい時代の教育、ハンディキャップの子どもたちに対する教育について学びたいという声をいただきました。意見交換をしていくうちに気づきもあるんですね。GGIトップのアイスランドにも、それぞれ違いはあれど共通の悩みもあるんだなと思いました。こちらからはアイスランドに行ってみたいという声もありました。

(鈴木)ぜひ少人数学級の運営について現場を見ていただきたいと思います。さて先月は女性科学者のサミットといわれるジェンダーサミット10というのがあったそうですね。

(上川)国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が主催し、都内の私立大学の学長にも声を掛けて女性科学者のサミットが開かれました。私はオープニングレセプションの冒頭挨拶ということでお招きを頂き、東京ドームホテルに行ってまいりました。

(鈴木)サミットというからには世界中から女性科学者が集まってこられたのですか?

(上川)今回はアジア太平洋地域の国々10カ国から、行政府、大学機関、民間等の代表者が集まり、活発な議論がなされました。女性参画拡大ということでスポーツにおけるジェンダー・サイエンス、国際競技大会におけるドーピング問題での性差、中等教育における女子学習の文理選択について等さまざまなセッションが行われました。総合タイトルは「ジェンダーとダイバーシティ推進を通じた科学とイノベーションの向上」というちょっと難しいタイトルですが、科学技術分野における女性活躍が非常に期待されていながらも、女性は文科系の比率が高く、理科系が少ないという課題がありました。どうして女性は理科系に進みにくいのか、リケジョを育て、女性の視点で科学に貢献するということも研究対象になっているくらいです。ジェンダーギャップにおける重要な議論だったと思います。

(鈴木)陽子さん、歓迎スピーチは英語でされたんですよね。

(上川)そうですね、英語でやってほしいと言われました。男女共同参画担当大臣のとき、ワークライフバランスの検証と行動計画の推進をまとめ上げたこと、それと並んで少子化対策、リケジョ養成、女性活躍の加速プログラムの3大要素の一つに女性科学者を挙げたということをお話しました。当時から教科の選択の際、子どもたちがどういうプログラムに関心を持つかがテーマになっていましたので、その辺の話題に触れ、今こうしてサミットにつながっていることが大変嬉しいと話しました。もう一つ、国連でSDGsが採択され、17の分野で目標を立て、官民挙げて各国が努力する。アジア太平洋地域でも努力をしていくわけですが、いずれのテーマも科学技術と女性活躍が横串なんです。それこそエネルギーや資源の分野、社会保障、生命科学、いろいろな分野が17の項目にありますが、各分野で女性がどのように活躍していくかは共通の課題なんですね。と同時に科学技術でどうコミットメントするかも共通課題です。

したがってこのサミットでの取り組みは、SDGsの中でも大きな役割を果たすとエールを送ってまいりました。

(鈴木)そんな重要なサミットなのに、どこのテレビのニュースでやったのかなという扱いです。我々もきちんと関心を持たなければいけませんね。

(上川)こういう会議ってどうしても中央―東京で開かれるんですよね。地方で開催すれば少なくともローカルニュースでは取り上げられるでしょう。ローカルで開いてもグローバルな話題を発信できるわけです。

(鈴木)ぜひ静岡で開催してもらいたいですね。

(鈴木)先ほどのお話にもつながると思いますが、陽子さん、昭和女子大で学生を対象に講演されたそうですね。

(上川)私は大学卒業後、三菱総合研究所というところに入り、その後、自分の会社を立ち上げて政策コンサルタントの仕事をしてまいりました。そのとき女性活躍―当時はそういったキーワードはありませんでしたが、大工や左官や建設現場など男性の職域で活躍する女性について実態調査をすることになり、ヒヤリング先のお一人が当時の総理府で男女共同参画の担当をされていた坂東真理子先生でした。当時から坂東さんはこの分野のカリスマ的な存在で、その後、男女共同参画の局長を経て昭和女子大の学長になられました。

昭和女子大では年間に4回ほど外から講師を招いて講演を行っているそうで、その講演を冊子にまとめるという活動もされています。いつでもいいからぜひ講演に来てと言われ、5月20日に行ってまいりました。約500人ぐらいの学生さんたちを前に、2時間の講演と質疑応答をやらせていただきました。

(鈴木)テーマは女性活躍ですか?

(上川)何でもいいということでしたので、女性活躍最前線という演題でお話しました。みなさんとてもよく聴いてメモを取られるんです。壇上から見るとキラキラっと熱心度が伝わる学生さんが何人かいるんですね。そのうちの一人が質問で手を挙げたのにちょっとビックリしましたが、政治の中の私自身の経験もお話しましたので、男社会の政治の世界で何を言われ、どんなふうに感じたのか聞かれました。

(鈴木)何やらリアルな質問ですね(笑)。

(上川)私も壇上から降りて質問者のそばに行って同じ目線で話をしました。女子学生でなくてもいいんですが、若い学生さんたちにもっと話したいなって強く思いました。ぜひ静岡でもそのような機会を持ちたいと思います。

さあ、そろそろお時間となりました。最後までおつきあいくださったリスナーのみなさま、本当にありがとうございました。それでは次回まで、ごきげんよう。

法務大臣 活動記録 2017.8.3~、2014.10.21~2015.10.7 総務副大臣 活動実績!

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