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ラジオシェイクradioshake

第132回 義務教育標準化法と給付型奨学金関連制度

(4月4日オンエア)    

(上川)リスナーの皆さま、こんばんは。上川陽子です。

(鈴木)コピーライターの鈴木真弓です。どうぞよろしくお願いいたします。新年度のスタート。国会のほうも平成29年度予算、無事通過しましたね。

(上川)通常国会会期中ですが、前半は平成29年度の大切な予算案が審議されるということで3月31日まで予算および予算執行のための裏付けとなる法律―予算関連法案というんですが、この審議も並行してやらなければなりませんので、3月31日ギリギリまで頑張りました。

私は文部科学委員会という常任委員会の筆頭理事を担っています。筆頭理事というのは与野党それぞれにおりまして、法案をどういうふうに審議していくか調整する大事な役目を負っています。ご承知のとおり文科省の天下り問題等があってスタートが遅れたにもかかわらず、3月31日までに予算関連で仕上げなければならない法案―日切れ法案といわれているものですが、これを2本抱えておりましたので、審議時間を確保し、大臣を委員会に呼ばなければならない。しかし件の問題で大臣ご自身が予算委員会や他の委員会に駆り出されて答弁しなければならない場面が非常に多く、肝心のお膝元の文部科学委員会の開催を綱渡りのような状態で調整せざるを得ませんでした。

(鈴木)日切れ法案って時々耳にしますけど、どういうものですか?

(上川)日切れ法案とは、ある特定の日を施行日と決めて作られた法律案のことです。平成29年度予算については、年度始めの4月1日から施行となるものですから、その前にしっかり法案を審議し、成立させなければなりません。今回は義務教育標準化法と給付型奨学金関連の2本の法案を審議しました。

(鈴木)義務教育標準化法って名前だけ聞いてもピンとこないのですが、どういう法案ですか?

(上川)義務教育の小学校・中学校では事務作業が増え、先生方に子どもさんたちと向き合う時間が十分に確保されていないという状況があります。

たとえば私が総務副大臣時代に手掛けた子ども向けのプログラミング教育がありました。ICT時代には子どもたち自らプログラムを創る力を身に着け、人が作ったプロブラムについての判断能力を養うことが必要で、情報化社会の中で各国がしのぎを削って行っています。これをようやく実際に学校教育の中で展開できる段階になりましたが、そうなるとますます先生の仕事が増えるんですね。こういう特定分野の教育はほかにも消費者教育、法教育などいろいろあり、現場の先生方は大変なんです。

小中学校の先生の数は、生徒数に応じた定員配置というのが決まっていましたが、教える内容が増えるとなるとパンク状態です。現状それぞれの学校現場の状況に応じ、加算する処置を取ってきましたが、これからは基礎配置にする。すなわち学校の教職員の定数を増やすと法律で決めて4月1日から施行できるよう裏付けとなる予算を金額ベースで盛り込む。基礎配置にするという法律がなければ予算執行できませんので、これの成立に全力投球しました。今までは必要に応じてそのつど加配―先生を付け足してきた状態を基礎定数化し、新しいカリキュラムにも対応できる土台をしっかり作るということです。

(鈴木)そうなると今、教員を目指して勉強されている大学生の皆さんにとっても、勉強する科目も幅が広がるんでしょうか?

(上川)そうですね、英語教育などもプログラミング教育と並んで小学校からしっかり進めていく柱のひとつということで、先生方にもそれだけの能力が必要となります。といっても一人がオールマイティに教えられるものでもありません。いろいろな地域の力をお借りすることも大事な取り組みになります。

今は学校が学校の中だけで閉じられている時代から、地域の総力をつけていくという時代になりました。たとえば第一線で働いてこられた方でICTの専門知識を持つスペシャリストに入ってもらう等。これから学習指導要領も大きく変わり、子どもたちがこれからの時代にふさわしい力をもって成長をするために必要な教育が求められます。そのための法律がきちんとなければ予算も付きません。

法治国家というのは法律を作ることが大前提です。今回の法案も、全国津々浦々どこにいても子どもたちが質の高い教育が受けられるための大事な法案ということで、全会一致で通していただきました。

(鈴木)義務教育標準化法。新聞等で目にする機会がありましたら、ぜひ気に留めていただきたいと思います。

♪ 

(鈴木)日切れ法案のもう一つ、給付型奨学金関連法案とはどういうものですか?

(上川)今回、給付型奨学金制度と新所得連動返還型奨学金制度を併せて審議をし、スタートさせることになりました。昔、日本育英会という組織があったのをご存知ですか?

(鈴木)はい。知っています。

(上川)日本育英会が2004年から独立行政法人日本学生支援機構という組織に変わったんですね。業務は基本的に育英会時代と同じです。この組織を中心に、学生さんにとって必要な授業料と生活費をどう支援していくかを検討しています。

日本の場合、教育は親の責任、教育費の負担は家族―親が担うという社会になっていますが、授業料が高騰し、2016年では国立大学の年間授業料は53.6万円。私が大学に入ったころは授業料が値上がりすると反対運動が起こった時代でしたが、それでも年間8万円でした。

私立大学では昔75万円だったのが今は105万円。入学金を加算すると初年度には百数十万円が掛かるということになります。これは親にしてみると大きな負担です。年収が下がり続ける中、とくに非正規雇用や母子家庭の親御さんにとっては子どもを進学させることが叶わないケースもある。子どもにしてみれば、そのような格差が最初からある中では、その先、生涯にわたって所得格差が生じることになります。

教育は子どもにとって最も大事なことです。日本の未来にとっても大事な課題です。今、大学生の2人に1人が支援機構の奨学金制度を利用しており、利用者の4人に3人が経済的負担の軽減を理由に利用しており、その6割は有利子の奨学金を受けています。4年間有利子の奨学金を受けるとなると、卒業後は数百万円の奨学金を利子付きで返済していかなければなりません。

(鈴木)社会人としてスタートする時点で数百万の借金を背負っているということですか。

(上川)そうなんです。卒業後にひとつの会社に長く勤めるとは限らず、さまざまな事情で転職するとなると、その分生活も不安定になる。となると返済できない。延滞金もかかる。そうなると安心して勉強できるイメージが持てず、結局、進学をあきらめる選択肢しかない。若者を取り巻く環境がこのような状況にある中、親御さんだけが負っていた経済的負担を社会全体で支えるため、日本学生支援機構の制度メニューを充足させる目的で「給付型奨学金制度」というものが提案されました。

(鈴木)給付型というからには返済の必要はないということですね。

(上川)今のところ希望者全員にとはいかず、まずは低所得者世帯のお子さんから始め、第2弾、第3弾と進めていく予定です。

(鈴木)こういう奨学金制度って海外はどうなんでしょう。陽子さんもアメリカの大学院に留学されましたが。

(上川)教育費は親が責任を持つという社会で育った私から見たら、とても印象的だったのは、私のクラスメートは両親共働きで高所得者という家庭が多かったのですが、奨学金をもらって勉強していたのです。ハーバードは年間の授業料も生活費もかなり高額で、平均1000万円ぐらい掛かるのですが、親御さんはは負担能力が十分にあるにもかかわらず、一切負担しない。そういう国なんです。子どもは、自分が学びたいのなら自分で奨学金をもらって勉強する。

(鈴木)奨学金に対する考え方が日本とはまるで違うんですね。

(上川)勉強したいという人がその目的を叶えるため、さまざまなレベルの奨学金制度があるのです。

(鈴木)日本もそういう形に近づいていけるんでしょうか?

(上川)アメリカの場合は教育は自分自身が努力して身に着けるという個人主義の国ならではの考えですね。それともう一つ、教育は福祉の一環であるという福祉国家的な考え方もあります。先日、北極に視察に行ったときにお世話になったノルウェーの大学は授業料が無料です。ドミトリーがあるので必要な生活費のみで教育が受けられます。つまり福祉国家ですね。

日本はどちらとも異なりますが、今回、公的な給付型奨学金制度を採り入れることになりました。また民間にも奨学金制度がありますので、これを機会に活発に広げていただきたいと思います。企業にとって優秀な人材を採用するためにも教育への支援の重要性を認識していただきたい。学生さんたちがトータルとして無理をせず、自分の夢や目標のために高等教育機関に進学できるよう環境を整えていきたいと思っています。

(上川)教育というのは企業にとってももちろん、社会にとって大変大きな人材投資でありましょう。日本の社会風土に合ったような支援が形作られるといいですね。

(上川)今回、4人の専門家に参考人として委員会にお招きしました。そのお一人に『子どもの貧困対策センター公益財団法人あすのば』理事の久保孝典さんがいました。彼は東洋大学社会福祉学部の夜間に通う大学生で、小学校5年から児童養護施設で育ち、今は民間の給付型奨学金を受け、昼間は財団にインターンで働いているそうです。

彼は親御さんが教育費や生活費を負担する環境ではない中で育ち、高校生のとき、周囲が大学進学についての会話をしている中に入って行けず、大学がどんどん遠い存在に思えてきた。経済的な壁があまりにも高すぎて、夢や目標も持てないでいたとき、あるイベントの講師から、出来ないという発想がなく、困難は乗り越えていくためにあるという力強い話を聞いて、今までまったくゼロだった気持ちに火がついて、今、社会福祉学部2年で頑張っているということでした。

(鈴木)そのようにさまざまな社会的支援のメニューが増えているんですね。今現在、奨学金の利用を検討されている方がいらっしゃったら、積極的にアクセスしてみてください。

♪ 

(鈴木)さて静岡の春を彩る静岡浅間神社廿日会祭、開催中ですね。

(上川)今年は新通りの当番練りに参加させていただきました。ぜひ皆さん繰り出していただきたいと思います。

さあ、そろそろお時間となりました。最後までおつきあいくださったリスナーのみなさま、本当にありがとうございました。それでは次回まで、ごきげんよう。

法務大臣 活動記録 2017.8.3~、2014.10.21~2015.10.7 総務副大臣 活動実績!

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