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第133回 国連の持続可能な開発目標SDGs、官民ファンドについて

(4月18日オンエア)

(上川)リスナーの皆さま、こんばんは。上川陽子です。

(鈴木)コピーライターの鈴木真弓です。どうぞよろしくお願いいたします。今日は国連に関するグローバルなお話から、ですね。

(上川)真弓さんは国連のSDGsって言葉を聞いたことありますか?

(鈴木)SDGs・・いえ、初めて聞きます。

(上川)SDGsはSustainable  Development  Goalsすなわち「持続可能な開発目標」の略です。2015年9月、ニューヨークの国連本部において『国連持続可能な開発サミット』が開催され、150を超える加盟国首脳が参加しました。そこで「我々の世界を変革する、持続可能な開発のための2030アジェンダ」というのが採択されたんです。人間、地球及び繁栄のための行動計画として、2015年から2030年までに、貧困や飢餓、エネルギー、気候変動、平和的社会など17の目標と169のターゲットを持続可能な開発のための目標として努力しようというものです。

皆さんに覚えてきたいただきたい第一の目標は「誰一人取り残さない」。

(鈴木)すごく重いテーマですね。

(上川)地球全体で見ても、難民や紛争地帯で暮らす人々の問題は根深いものがあり、先進国と途上国がともに考えなければなりません。とりわけ貧困や飢餓の問題は先進国が上からODAという形で縦型に富を移転させるというのが今までの対策でしたが、これからは横型。先進国の中にも格差の問題があり、先進国と途上国を切り離して考えることはできない状況です。一国で解決できる問題ではないということで環境サミット等が開かれるように、先進国と途上国がともに解決に当たろうと開催されました。

具体的には17のアジェンダと169のターゲットが策定されましたが、それぞれに国レベルで取り組む問題、地域で取り組む問題と非常にきめ細かく示されました。今まで経済、社会、環境という3つぐらいのカタマリで議論されてきましたが、それは国連の中で分野別に分かれていたからなんですね。それをSDGsでは分野を統合し、相互に関係性を持たせて具体的に行動していこうと考えました。

今、17の目標と169のターゲットと申しましたが、目標が多く森羅万象に及ぶため、どのように影響し合うのかなかなか理解が進まないようです。日本の永田町の議員の中でもSDGsという言葉すら知らない人が少なくありません。

(鈴木)それにしても、地球規模で「誰一人取り残さない」という目標の行動計画ってスゴイですね。

(上川)よく日本の省庁の中でも縦割り社会の弊害ということが言われます。たとえば防災という項目は環境省や国土交通省はもちろんのこと、全省庁にかかわることですが相互の連携がなかなかうまくいかないというのは国連という組織でも同じことです。

(鈴木)国連の中にも縦割りがあると。

(上川)各国が加盟国で、実情が異なりますから、国連の中で環境問題といってもいろいろな切り口があり柔軟な対応が出来ない。そのような悩みを抱えながら1年かけてSDGsの目標が示されたということです。

(鈴木)17の目標ってどういうものですか?

(上川)順番がどうこうということではありませんが、すべてをご紹介すると―

目標1:あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

目標2:飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

目標3:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

目標4:すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

目標5:ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る

目標6:すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する

目標7:すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する

目標8:すべての人々のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワークを推進する

目標9:レジリエントなインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る

目標10:国内および国家間の不平等を是正する

目標11:都市と人間の居住地を包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする

目標12:持続可能な消費と生産のパターンを確保する

目標13:気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

目標14:海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する

目標15:陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る

目標16:持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する

目標17:持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

(鈴木)どれもが陽子さんが政治家になってからずっと取り組んでこられた政策課題でもありますね。

(上川)日本国内で大事だと思って取り組んできた内容が、国際社会でも同じだとわかると、つながり力が高まるんですね。逆に言えば相手国にとっても日本は特別じゃない。同じ化学反応で動ける相手なのです。顔の見えない漠然とした「国家」ではなく、議員個人個人の顔の見えるつながりによって具体的な課題の抽出や対策の議論が深まります。

SDGsへの理解はまだ日本では広がっていませんが、これから耳にする機会が増えるかもしれませんので、推進すべく議連を立ち上げようと思っています。もう一度申し上げます。持続可能な開発目標、誰一人取り残さない目標―SDGsです。

(鈴木)さて、陽子さんが定期的に開催される「かみかわ陽子政治カフェ」。先月は第5回が開催されました。

(上川)「地方創生と官民ファンド」というテーマでお話しました。

(鈴木)官民ファンド、またまた新しい言葉ですね。

(上川)文字通り国の予算と民間金融機関や投資企業等が協働でファンドを立ち上げ、地域産業の振興を支援するというものです。一番大きな官民ファンドとして事例に登るのは5年前に立ち上がった「瀬戸内官民ファンド」です。瀬戸内海に面したすべての県および商工会議所、地銀、信金等が同じプラットフォームに立ち、2030年6000万人インバウンドの時代を目指し、瀬戸内の観光活性のために投資する。各県が単独でやるのではなく、瀬戸内という大きなステージを共有し、それぞれの持ち味を出し合って、瀬戸内全体のインバウンドのために精査し、融資するのです。

(鈴木)点ではなく面で。

(上川)そうです。しかも相当大きな面です。これをやれば各県がどういうことをやっているのか情報交換になり、銀行が持つ融資ノウハウも共有できることになります。

(鈴木)ちょうど先月、広島に行きまして、広島はレモンの産地で「広島レモン」と銘打ったお土産は知っていましたが、今回は「瀬戸内レモン」という表示の商品がずいぶん増えていたのが印象的でした。広島ではなく瀬戸内という表現をするようになったんだと意外に思ったのですが。

(上川)まさにそれがそうです。各県が特産を出し合い、共通ブランドを付ける。瀬戸内という地域圏域全体の魅力につながり、今度はここ、次はあそこへ行ってみようという気持ちにさせてくれます。そういう具体的なお話をうかがうと、効果てきめんという感じがしますね。

(鈴木)静岡では何かファンドを活かせるようなプロジェクトってありますか?

(上川)東部と西部では動き始めていますね。DMOという官民ファンドと同じような組織で伊豆と浜松―今年は井伊直虎ブームで動いていますね。県中部がまだこれから、というところです。

静岡県が東・中・西部と歴史的な経緯で圏域を決めて動くのも理解していますが、同時に隣県の神奈川、山梨、富山、愛知、三重などエリアを広げ、情報交換を進めることも必要で、静岡がリーダーシップを取っていけばいいなと思っています。たとえば東海道53次は東京から京都まで非常に広域ですが、東海道でつながっており、宿場町の歴史がある。瀬戸内と同じようにエリア設定し、共通ブランドを生み出していけば面白いのではないかと。

(鈴木)今現在の行政区域だけで物事を量るのではなく、中日本、ひいては日本の国土全体を歴史的に俯瞰して見直すというのも必要ですね。

(上川)そうですね。外から来るお客様は「ここは静岡県のエリア」だなんてまったく意識していません。横浜港から清水港へ直接来るお客様は神奈川県から静岡県に行政区が変わったなんてわかりませんし、あまり関係がない。にもかかわらず制度が異なれば「は?」ということになる。地域色の違いを大きな風呂敷で包み込むようなブランディングが必要であり、その先行例が瀬戸内ということになります。大いに官民ファンドを育てていくことが大事で私自身も力を入れて行こうと思っています。

2020年東京オリパラには20万件くらいの文化プロジェクトが動くんです。オリンピヤードにはスポーツと文化と教育が理念として打ち出されており、地域産業の活性化にもつながるテーマが目白押しです。そんな話を政治カフェで熱く語ってまいりました。

さあ、そろそろお時間となりました。最後までおつきあいくださったリスナーのみなさま、本当にありがとうございました。それでは次回まで、ごきげんよう。

 

 

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