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ラジオシェイクradioshake

第89回 「世界経済フォーラムラテンアメリカ会議、法務省矯正支援官」

<2015年6月15日>

 (鈴木)リスナーのみなさま、こんばんは。コピーライターの鈴木真弓です。上川陽子さんは法務大臣の公務でお忙しいため、今回もお電話でのご出演となります。なにとぞご了承くださいませ。

さっそくですが、東京にいらっしゃる陽子さんにつないでみましょう。陽子さんこんばんは。

 (上川)こんばんは。上川陽子です。今夜もお電話で失礼いたします。今日はまず、前回の放送で途中だったゴールデンウィークの海外視察についてお話させてください。

 (鈴木)前回はカナダでのテロ対策の視察で入国管理上の仕組みを視察されたお話でした。今日はメキシコについてうかがいましょう。

 (上川)メキシコは55日から実質2日間半の滞在でしたが、世界経済フォーラム・ラテンアメリカ会議に参加しました。カナダのオタワからシカゴ経由でメキシコに入りました。目的はスイスのダボス会議で知られる世界経済フォーラムのラテンアメリカ会議です。

 (鈴木)世界経済フォーラムって1月にスイスのダボスで開かれる「ダボス会議」で知られていますよね。先月でしたか、事務局から 2015年の旅行・観光競争力ランキングが発表され、日本は世界141か国・地域の中で第9位になったと話題になりました。

 (上川)前回2013年の14位から順位を上げ、2007年の調査開始以来、過去最高の順位です。とくに「客の待遇」の項目で首位。鉄道網の整備や衛生状態、飲用水へのアクセスなどで順位が高く、円安の恩恵もあってホテル料金が71位から36位へと大幅に改善しました。

   さらに今回から安全面の評価に「テロ発生率の低さ」と「殺人事件の発生率の低さ」が加わり、それぞれ1位と2位です。これらが総合順位を押し上げたんじゃないでしょうか。

  (鈴木)法務大臣としても誇らしい評価ではないでしょうか?

 (上川)そうなんです。今回招かれた世界経済フォーラム・ラテンアメリカ会議でも、ずばり治安がテーマでしたので、治安の良い日本から学ぼうと招聘されたわけです。

 (鈴木)世界経済フォーラムってスイス以外でも開かれるんですね?

 (上川)世界経済フォーラムはスイスのダボスで開かれる年次総会に加え、東アジアやラテンアメリカなど数ヶ所で地域会議を開催し、中国やアラブ首長国連邦においても別途の年次総会を開催しています。会議だけではなくさまざまな研究報告書を発表し、メンバーたちが各業界に関連したイニシアティブに関わるなどの活動を行っています。先月の旅行・観光競争力ランキングの発表もその一環ですね。

 (鈴木)なるほど。今回陽子さんは治安以外のセッションにも参加されたんですか?

 (上川)今回のラテンアメリカ会議では、治安をめぐるセッション、女性セッション、IGWELトップ会談という3つのセッションに招かれました。各セッションには民間NGO等も参加し、自由闊達な議論がなされます。さらにコアの会議には世界トップレベルの経済学者や各国リーダーが少数集まるのですが、そちらにも今回初めて参加させていただきました。

 (鈴木)大忙しでしたね。

 (上川)それ以外にもさまざまな会談をこなし、マスコミ取材も受けました。世界経済フォーラムの役割は何か等、さまざまなインタビューを受けたんですよ。それらは紙媒体や電子レポートとして世界に発信されます。

 (鈴木)陽子さんが地球の裏側で日本を代表してそのようなメッセージを発信されていることを、日本国内ではなかなか伝えられませんので、世界のメディアのレポートを期待したいところです。

 (上川)ラテンアメリカ地域の持続的な発展の観点から、将来的な社会あるいは国家の安全、また治安という点について議論したいという意向があり、日本は犯罪率が低いということ、また国民に信頼される確固たる司法制度が実現しているという実態に注目され、日本の経験を聞きたいというのが招待の理由でした。非常に驚きを持って聞いていただきました。

メキシコを中心に、中南米はものすごい勢いで経済発展しています。日本の自動車メーカーも、製品輸出のみならず、現地に生産拠点をもうけ、北米に売っていこうというシフトに変わりつつあります。そうなりますと、日本人がビジネストリップする機会も増えますし、現地での治安問題にも取り組まなければなりません。現地の生産工場を持っていくということは、雇用の創出や技術の移転ということで、現地では大いに歓迎されます。治安の問題を払拭すべく、日本の信頼される司法制度を参考にしたい、ということが、招待の理由の一つでした。

 (鈴木)他に参加されたセッションとは、どういうものでしたか?

 (上川)女性のリーダーシップに関するセッションに参加し、本当にリーダーの中のリーダーという方々と議論することができました。10人ぐらいのメンバーで、自国における女性活動の問題について、類似性や違いを洗い出してみました。ラテンアメリカの場合、性別による役割分別が根強いという感があります、日本にも同様の問題があって、ワーク・ライフバランスに取り組みながら、社会全体の風土を変えていこうと取り組んでいこうとしていますので、日本の20年ぐらい前の状況かなという印象でした。それでもそれぞれの分野、それぞれの国々の中で苦労することは似ていて、みな同じように頑張っていて、「そうそう、そうよね」と共感できることもたくさんありました。

 (鈴木)今、ものすごい高度な女子会トーク、みたいなものをイメージしました(笑)。

 (上川)そうですね。ネットでこれからもつながっていこうと、メールアドレスを交換して帰ってきました。国籍が違っていても、抱えている悩みは同じなんですね。日本ではとにかく政治的なリーダーシップをとって動いていることをアピールしてきました。この秋、日本で女性リーダーを集めた国際サミットを予定していますので、ぜひ来ていただきたいとお声かけしました
 (鈴木)その報告も楽しみにしております。

 ♪                 

(鈴木)さて、後半は私も芸能ニュースで観て関心を持ったのですが、エグザイルのアツシさんや浜崎あゆみさんといった著名な芸能人が「法務省矯正支援官」に委嘱されたというニュースについてうかがいます。

 (上川)さる422日に法務省において「法務省矯正支援官」の委嘱式が開催され、芸能人11組に任命いたしました。アツシさん、石田純一さん、桂才賀さん、コロッケさん、清水宏保さん、貴乃花光司さん、高橋みなみさん、夏川りみさん、浜崎あゆみさん、Paix²(ペペ)さん、MAXさんです。これは、全国の矯正施設の慰問を55年も続けていらっしゃる杉良太郎さんの呼びかけで実現したものです。

 (鈴木)杉良太郎さんがそういう活動をされていることは芸能ニュースで知っていましたが、55年も続けていらっしゃったんですか。

 (上川)杉さんは法務省にとってなくてはならない方で、今は「特別矯正監」になっていただいています。お一人だけなんですよ。

 (鈴木)確か、エグザイルのアツシさんが北海道の網走刑務所を訪問され、アツシさんの歌のおかげで自殺を思い止まったというファンからの手紙を引用され、涙ぐみながら熱唱されたシーンをニュースで拝見しました。おそらく聞いていらした受刑者の皆さんの心にも訴えるものがあったのではないかと思いました。矯正支援官という制度は今回新たに作られたのですね?

 (上川)法務省の仕事の一つに、犯罪や非行をした人の改善更生及び円滑な社会復帰を促進するというものがあります。刑事施設や少年院でさまざま再犯防止のための施策を推進しているんですが、犯罪や非行が繰り返されないようにするためには、犯罪や非行をした本人が過ちを悔い改め、自らの問題を解消するなど、その立ち直りに向けた自助努力が必要です。国がそのための指導監督を徹底して行うべきことは言うまでもないところですが、同時に、犯罪や非行をした人を社会から排除・孤立させるのではなく、再び受け入れることが自然にできる社会を構築していくことも必要です。これが法務省の基本的な考えで、「犯罪に戻らない・戻さない」を合言葉にしています。

 (鈴木)陽子さんが再三おっしゃっているキーワードですね。

 (上川)そうです。このような観点で、杉さんが55年も活動を続けていらっしゃって、立ち直りの応援団として大きな役割を果たしていただきました。刑務所や少年院に直接出向いて直接声をかけることが有益だということから、多くの芸能人のお仲間にお声かけをくださったのです。

 (鈴木)実際にお会いになった支援官の皆さんは、どんな印象でしたか?

 (上川)委嘱式の部屋に入ってびっくりしたんですが、みなさん全員、制服でビシッと並んでおられたのです。刑務に実際に携わる人と同じ気持ちで向き合うという意志を表明していただいたんですね。本来ならばそれぞれのパフォーマンスに応じた衣装をお持ちだったと思うのですが、刑務官の制服を着ていただいたということが、非常に嬉しかったですね。まずこういう仕事が大切であることを知って、実際に行動していくことの価値を実感していただいたのではないでしょうか。

 今後、各施設の訪問活動をはじめ、矯正展でのテープカット等にも参加していただく予定です。

 (鈴木)芸能人の活動として話題になりがちですが、この制度が本来の目的を遂げ、よりよい社会づくりに寄与することを祈っております。今日も公務でお忙しい合間を縫ってのお電話でのご出演でした。ありがとうございました。

 (上川) お聞き苦しくて申し訳ありませんでした。最後までおつきあいくださったリスナーのみなさま、本当にありがとうございました。それでは次回まで、ごきげんよう。

法務大臣 活動記録 2017.8.3~、2014.10.21~2015.10.7 総務副大臣 活動実績!

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