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ラジオシェイクradioshake

第82回 「社会を明るくする運動、矯正医官の必要性」

<2015年3月3日> 

 (上川)リスナーのみなさま、こんばんは。上川陽子です。

 (鈴木)コピーライターの鈴木真弓です。どうぞよろしくお願いいたします。先月はお電話でのご出演でしたね。久しぶりにスタジオでお話できてホッとしております。

 (上川)大臣就任後、静岡へ帰る機会が限られてしまい、みなさんにはご迷惑をおかけしております。気がつくともう3月。ひな祭りですね。

 (鈴木)上川家では雛人形を飾られたんですか?

 (上川)そういわれると、ずいぶん昔、飾った記憶がありますが、政治活動を始めてからは、道具箱から雛人形を一体ずつ出して飾るということ、すっかりご無沙汰してしまっています。

 (鈴木)雛人形は日本の大切な伝統であり、静岡市の大切な地場産業でもあります。しっかりと受け継いでいかねばなりませんね。

 さて今日は法務省のお仕事についていろいろとうかがおうと思います。先月、「明るい社会づくり運動65周年総会」という会が開かれたそうですね。どんな会ですか?

 (上川)社会を明るくする運動とは法務省が提唱している運動で、すべての国民が、犯罪や非行の防止と罪を犯した人たちの更生について理解を深め、それぞれの立場において力を合わせ、犯罪のない地域社会を築こうとする全国的な運動です。今年は2月10日に官邸で開いた、第65回“社会を明るくする運動”中央推進委員会会議ですね。黄色い羽根運動としてみなさんもテレビ等でご覧になったかと思います。

 (鈴木)幸せの黄色い羽根運動、静岡の街中でも街頭運動を拝見しました。おおもとは総理大臣官邸で開かれたんですね?

 (上川)65回目にして初めて官邸で会議を開き、首相に直にメッセージを発信していただきました。その意味でも大変力を入れて取り組んでいます。昨年12月、再犯防止に向けての宣言として、「犯罪に戻らない・戻さない」を発表しました。

 過ちからの立ち直りには、立ち直ろうとする人が、適切な「仕事」と「居場所」を確保し、社会復帰することができるよう、社会全体で支援することが必要です。そのために何よりも大切なことは、国民の皆様の御理解と御協力です。幸福(しあわせ)の黄色い羽根は、様々な分野から多くの方々の御参加をいただけますようお願いいたします、というメッセージなんです。

 (鈴木)過去64回、民間の力で続けてこられたんですか。

 (上川)きっかけは昭和24年7月1日、「犯罪者予防更生法」という更生保護制度の基本法が施行されたことです。戦後の荒廃した中にあって、街にあふれた子供たちの将来を危惧していた東京・銀座の商店街の有志が更正法の主旨に賛同し、「犯罪者予防更生法実施記念フェアー(銀座フェアー)」というのを自発的に開催したのです。収益は保護少年のためのサマースクールの開設資金などに充てられました。この銀座フェアーが刺激となって更生法施行1周年を記念し、全国規模で「矯正保護キャンペーン」が実施されました。

当時、街にあふれる戦災孤児、犯罪や非行の激増による社会不安の増大、インフレや物資不足で余裕のない生活の人々にとって、不幸な少年に対する思いやりや愛の心を呼び戻し、殺伐とした世相に明るい光をともした運動とも言われています。

 (鈴木)東京の銀座でスタートしたというのが驚きです。今の銀座からは想像もつきません。

 (上川)戦後間もない頃、仕事がなく、衣食住に困った人々が繁華街に吸い寄せられるというのはやむを得ないだろうと想像します。そのような不遇な人々に直に接した商店街のみなさんが、なんとか力になりたいと立ち上がったのだと思います。ときの法務府(現在の法務省)も、3年目の銀座フェアーと矯正保護キャンペーンを通じて、犯罪の防止と犯罪をした人たちの立ち直りには一般市民の理解と協力が不可欠であるという認識を深め、“社会を明るくする運動”と名付け、国民運動として世に広げることにしたのです。

 (鈴木)民が官を動かした、というわけですね。

 (上川)60回の節目を迎えた平成22年には、公募と有識者による選考委員会で、「“社会を明るくする運動”~犯罪や非行を防止し,立ち直りを支える地域のチカラ~」という名称が新たに定められました。また61回目には「黄色い羽根」をシンボルとして正式な広報資材として活用することが決まりました。

(鈴木)幸せの黄色いリボンからヒントを得たんですか?

 (上川)そのとおりです。もともと長崎地区保護司会が考案し、実質的には第58回の運動から取組を始めたものです。運動のシンボルマークであるヒマワリと、高倉健さんが主演した山田洋次監督の映画「幸福の黄色いハンカチ」にヒントを得て作られました。刑期を終えて出所した夫を妻が黄色いハンカチで迎えるラストシーンが感動的でしたね。

 (鈴木)黄色い羽根にはそういう経緯があったんですか、知りませんでした。

 (上川)“社会を明るくする運動”では、街頭広報、ポスターの掲出、新聞やテレビ等の広報活動に加えて、だれでも参加できるさまざまな催しを行っています。イベントに参加したり、法務省のホームページを見たことなどをきっかけにして、どうして犯罪や非行が起きてしまうのか、安全で安心な暮らしをかなえるために、今、何が求められているのか、そして、自分には何ができるのかを考えていただきたいと思います。

 (鈴木)こうして運動の存在を知ったからには、運動期間中だけでなく、つね日頃から犯罪や非行の芽を摘むという意識を持ち続けなければいけませんね。

  (上川)地域の中で育てていくというのが大切です。ともに支えあい、互助の精神で自然に育んでいくことが、結果として再犯防止になると思っています。

  ♪ 

 (鈴木)さて、先月は医療刑務所の視察へ行かれたそうですね。

 (上川)法務大臣に就任してから、できるかぎり法務行政の現場を見て政策に活かして行きたいと考えてきました。その一環で八王子にある医療刑務所を視察してきました。その前に、矯正医官との座談会を開催したんです。

 (鈴木)矯正医官?

 (上川)刑務所などの矯正施設に勤務するお医者さんのことです。全国には医療刑務所が八王子、岡崎、大阪、北九州の4ヶ所あって、総合病院的な施設は八王子と大阪です。これら施設から11名の矯正医官に集まっていただいて、それぞれの現場の生の声を伺いました。

 (鈴木)全国に4ヶ所しかないんですか。知りませんでした。

 (上川)各刑務所には学校の医務室のような場所がありますが、医官の定員に満たない施設が増え、大きな課題になっています。

 (鈴木)現場の皆さんはどんな声を?

 (上川)設備や医師の数が不足する厳しい職場環境にあって本当に頑張っておられます。これは国家の仕事としてしっかり改善しなければならないと思っています。今は少ない中で、現場の方々の高い使命感でやっていただいていますが、それでは継続出来ません。

 (鈴木)一般の病院でも医師不足が問題になっていますので、そういう施設はなおさらでしょう。

 (上川)医療の技術は日々、進歩していますので、矯正医官のみなさんも高い技術を共有していただき、医療の質を上げていただくため、兼業も認めようということで動いています。法律を改正すれば終わり、ということではなく、改正後も環境整備のため、しっかりとした政策に取り組んでいかねば、と思っています。

 (鈴木)そういう方々の努力は一般の我々からみたら想像の及ばない世界です。

 (上川)150日間の通常国会の中で、この分野も十分審議し、メディアで取り上げていただけるよう頑張りたいと思っています。

ところで以前、ラジオシェイクでお話した法務省旧本館赤レンガ棟のバスツアーというのを今やっているんですよ。なかなか好評です。

 (鈴木)お話をうかがって法務省のホームページのフォトギャラリーのコーナーを拝見しました。本当に堂々とした美しい建物ですね!

 (上川)改めて紹介しますと、赤れんが棟は,ドイツ人建築家ベックマンとエンデ両氏の設計によって7年余りの歳月を費やして、明治2812月,司法省として竣工されたものです。昭和20年の東京大空襲で、れんが壁を残し、屋根や床などを焼失してしまいましたが、昭和23年から25年にかけて復旧工事を行いました。そのとき屋根などの形状や材質が一部変更されてしまったのですが、平成になってから改修工事を行なって、明治28年の創建当時の姿に復原され、平成61227日には重要文化財に指定(外観のみ)されました。

 (鈴木)あとひと月ぐらいすると、赤レンガと桜の見事なコントラストが楽しめますね。

 (上川)皇居のお堀の一角を占めていますので、非常に美しい景観が楽しめます。ちょっと遠い存在の法務省を身近なものに感じていただけたら、と思っています。

さあ、それでは最後までおつきあいくださったリスナーのみなさま、本当にありがとうございました。それでは次回まで、ごきげんよう。

法務大臣 活動記録 2017.8.3~、2014.10.21~2015.10.7 総務副大臣 活動実績!

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