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ラジオシェイクradioshake

第45回「活き生きネットワーク杉本彰子さんを迎えて」

<かみかわ陽子ラジオシェイク 8月20日オンエア>

(上川)リスナーのみなさん、こんばんは。上川陽子です。

(鈴木)コピーライターの鈴木真弓です。よろしくお願いいたします。さあ、今日はゲストをお迎えしましたね。

(上川)私は自民党の女性活力特別委員会の委員長として、女性の社会進出の環境整備に取り組んでいますが、今日はここ静岡で長年、働く女性の暮らしを支え、また、女性に限らず、どんな境遇の人にも、その人らしく活き活きと生きるためにさまざまな生活支援を続けておられる実践者をお迎えしました。NPO法人活き生きネットワークの理事長、杉本彰子さんです。杉本さん、こんばんは。ようこそお越しくださいました。

 (杉本)こんばんは、活き生きネットワークの杉本です。今日はお招きありがとうございました。

(鈴木)私から簡単に杉本さんをご紹介します。杉本さんは1983年、今からちょうど30年前、ご自身のシングルマザーとしての経験をベースに、会員制在宅サービスの原点「静岡働く母の会」を発足しました。それから介護・ベビーシッター・ハウスクリーニングを事業とする有限会社静岡ウーマンを設立、誰もが必要と思いながら実践する人がいなかった24時間受付の家事サービスをこなし、1999年には静岡県でNPO認証第一号となるNPO法人活き生きネットワークとして新たな出発を遂げました。

家事支援サービスやハウスリフォーム事業のほか、病院や専門の福祉施設でもやらなかった24時間受付の病児・病後児預かり、重度障害児童・生徒が通う学校への看護師派遣、複合型デイサービス施設の運営、介護の仕事を目指す人への研修・就労支援などを行っています。

2006年には「男女共同参画」社会づくり女性のチャレンジ賞、2007年には「再チャレンジ支援功労者・内閣総理大臣賞」を受賞されています。

(上川)私が男女共同参画担当大臣のとき、内閣総理大臣賞を受賞され、本当にうれしく、どんなに誇りに思ったかしれません。受賞者リストの中に杉本さんのお名前を見つけたときは飛び上がって喜びました。静岡県女性の代表である杉本さんのお人柄、どんな困難にも負けることなく進んでいく姿勢、多くの人が一緒に活動したいと思える女性です。官邸での授賞式のときはどんなお気持ちでしたか?

(杉本)私個人ではなく団体としていただいた賞だと認識し、あらためて感謝の気持ちでした。

(上川)同じ年、静岡県からは、JA女性部で活躍の海野フミ子さんが表彰されました。お二人とても仲がよろしいんですよね。

 (杉本)そうなんです。活き生きネットワークでも海野さんのアグリロード美和のお弁当をよく利用させていただいているんですよ。

(上川)そうそう、地産地消の食材を使った健康長寿弁当が評判ですよね。

(杉本)現在、私どもで県の雇用対策課からご依頼を受け、『福祉職の魅力発見ツアー』という求職者支援事業を行っているのですが、お昼にアグリロード美和のお弁当を提供させていただいており、受講者のみなさんからのアンケートで「お弁当が一番美味しかった」「いいツアーだった」とおっしゃっていただいているんです。海野さんのお力にずいぶん支えられているんですよ。

 (上川)いや、こういうことが、官邸で男女共同参画の表彰式を行った意義なんですよ。それぞれの方々が優れた実績を持ち寄り、さらに連携し合って新しい活動につなげていく。そういう姿を、次の世代の方々が励みにする。こういうバトンタッチをあの場が果たしていたのではないかと思っています。当時の担当大臣としてすごく嬉しいですね。

(杉本)あのとき出会った全国の団体とは今でも交流が続いています。静岡へ講演に来てもらったりこちらからおじゃましたりと。本当に助かっています。

 (上川)杉本さんは、24時間家事サービスや病気のお子さんを預かるなど、誰もやらなかったことを最初に始めた、社会福祉のフロントランナーです。そこが受賞の大きな要因だと思うのですが、フロントランナーにはそれなりのご苦労もあったと思います。

(杉本)私自身はこれまで苦労したと思ったことはないんですよ。30年前に静岡働く母の会を作ったときは、夫が急死し、自分自身が本当に困っていたんです。そのとき集まったのが、同じように母子家庭の人、障害を持つお子さんや高齢者を抱えた人たちでした。30人ぐらいすぐに集まったんです。当時は介護保険も障害者支援法もありませんでしたから、自分たちで気管切開の吸引方法などを学びました。そのために看護師や保育士や介護士など資格や技術を持つ人を探したんです。私自身も何の資格も持っていなかったんですよ。わからないところはわかる人に聞いて勉強したんです。それぞれの得意分野や個性を活かし合うかたちで、その当時のメンバーが今でもつながっているのです。

働く時間帯は昼間の数時間がいいとか、夕方だけとか、夜間が空いているとか、それぞれの生活に合わせ、能力を考慮しながら、みんなでひとつの問題やニーズを消化してきました。苦労というよりも、勉強が楽しくて、「ここはあなたが担当してくれるのね、よかったよかった!」と適材適所に人を生かすことができる喜びがありました。仲間が出来て幸せだった30年です。

 (上川)そういうしくみを安倍政権の中でも社会的企業(ソーシャルビジネス)の支援というかたちでしっかり位置づけています。社会の様々な問題を標準的な施策で解決するのは不可能な時代になっています。杉本さんがおっしゃったように、さまざまな困り事に対し、さまざまな知恵や力をもってきめ細かく対応する精神が大事ですね。杉本さんの取り組みは、我々が描くソーシャルビジネスのお手本だと実感します。

            ♪ 

(上川)表彰後は全国へ講演に行かれたりしましたね。どんな変化がありましたか?

(杉本)私自身、全国で魅力ある活動をされている若い方々がたくさんいることを知りました。その後、静岡県内でも素晴らしい人材がいることを発見しました。

私はガンを患った母の看病のため、病院でずっと寝泊りした経験があります。その当時は「娘」の立場でした。結婚後は「娘」から「妻」となり、わずか3年で夫が急死してしまった後は、「母」と「父」の役割を担うことになりました。

家族の中で立場や役割が変わるたびに女性は強くなるものです。育児経験を生かしておんぶひもを商品化した人や、ちょっとした生活小物用のアイディア収納棚を作った人、手作り衣類や食物を交換し合う活動などと出会い、経験から生まれる底力が女性の社会的活動に生かされていると実感しますね。

活き生きネットワークには出産した人が3人いて、もうすぐ1人戻ってきます。一般企業等では出産後に復帰する女性をパートタイマーで戻すことが多いようですが、私たちにしてみれば宝物のように育ててきた女性が戻ってくることが嬉しくて仕方ない。子どもを預かったりご家族を説得したりして、その人が元通りに働ける環境を作る努力をしています。

やはり、なんといっても子どもを持つ女性が働くことは本当に大変だということを、日々、目の当たりにしています。なんとしてでも仕事と子育てが両立できるようなお手伝いをしていきたいと思っています。

(上川)まさに、今の日本で女性の活躍を阻む問題を解決するため、活き生きネットワークのような先進的な団体や企業の取り組みや事例を広げていくことが政治の役割ではないかと実感します。制度的な面でどう整備していけばよいか、杉本さんからぜひ提案していただけますか?

(杉本)家族機能の外注化といいますか、静岡市でもそうでしたが、以前は、他人にお金を払ってまで育児や介護を頼むというのが申し訳ないという封建的な気質が残っていましたが、最近ようやく介護保険1割負担でさまざまなサービスが受けられるということが認知されてきました。私たちの団体を利用するよりも安いんですよ。介護保険制度によって社会の認識がずいぶん変わりました。

私たちの活動は会員制です。制度を利用してもフォローできない部分をお世話させていただくのが使命だと思っています。制度は日々変わりますし、今後どうなるかわからない。自立支援法は毎年のように中身が変わり、今年4月には障害者総合支援法という名称に変わりましたね。

私たちが30年前に取り組んだ頃の制度は、障害者は措置という扱いで、基本的に外に出さないというシステムでした。働く能力があっても授産所の低い労働価値しか与えられませんでした。

今はいろいろな作業所や就労スタイルがあり、重い障害を持つ人でもきちんと居場所が与えられます。高齢者も障害者も、外に出し、その人の能力を生かす。いくらお歳を召していても、どんな障害を持っていても、小さな子どもでも、その人自身が生き生きと暮らし、自己実現する手段として、外に出てもらっています。私たちの活動は、その人を生かすための手段なんです。

(上川)今のお話をうかがって、先日、宮城県の自立支援施設を視察したときのことを思い出しました。「六丁目食堂」というんですが、障害をお持ちの方々が自立して地産地消レストランを運営されています。そのリーダーを杉本さんにお引き合わせしたいなあと思いました。活動の分野は違っていても、共通した精神があると思いました。その前に、杉本さんが働いていらっしゃる現場をぜひ一度拝見したいんですが、よろしいでしょうか?

(杉本)それはうれしいですね。議員、行政、民間と、それぞれの持ち場に役割があります。上川さん自身が現場を見て感じていただくことがとても大事だと思います。

(上川)ぜひよろしくお願いします。

    ♪ 

 (鈴木) 今日は陽子さんと彰子さん、私が尊敬する静岡市生まれの2人の女性のサシの対談をじっくり聞けて本当に嬉しかったです。

(上川)私にとっても、うれしい対談となりました。私が、静岡に戻り始めのころの出会いですから、もう20年になります。活躍の過程を、たどる機会ともなりました。それにしても、杉本さんは出会った時とまったく変わらず、バイタリテ−があって、苦労を苦労とせず、逆に楽しんでいるようでもあります。その大きな人間力で、さらに、たくさんの人の、家庭の幸せ応援団になり続けていただきたいですね。

 さあ、そろそろお時間となりました。最後までおつきあいくださったリスナーのみなさま、ありがとうございました。それでは次回まで、ごきげんよう。

法務大臣 活動記録 2017.8.3~、2014.10.21~2015.10.7 総務副大臣 活動実績!

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