○本日は、年度末のお忙しいところ、理事会にご出席いただき、ありがとうございました。コロナ禍により、この間、オンライン会合で何とか凌いで参りましたが、本日、ようやく、対面形式で理事会を開催する運びとなりました。
もっとも現状において、オミクロン株による第6波は徐々に終息の方向へと向かいつつあるものの、感染拡大による影響は経済に深刻な影響を及ぼし続けています。
加えて直近では、先月下旬以来、ロシアのウクライナ侵略が深刻の度を増し、ロシアに対する世界的な経済制裁によって、原油や肥料、農薬等の価格が高騰するなど、私たちを取り巻く経済環境は大変厳しい状況にあります。
〇こうした中、茶業会議所では、昨年に引き続き、国の緊急対策事業を活用し、約9100万円の事業費で、12万人分のリーフ茶の配布事業を実施しました。
配布先は、県内の小中学校、養護学校、さらに県外では、新潟県や東京都の小中学校等多岐にわたり、親たち世代も含め、お茶のおいしさを再認識して頂きました。
事業の2次計画が予定されれば、来年度も積極的に対応をしていきたいと考えています。
〇また、県のChaOIプロジェクトについては、これまで東京都や宮城県など95事業者に対象を拡大してきた「静岡茶屋」のネットワークを活用し、お茶の魅力アップを図る3人の女性リーダーを中心とする「茶Wプロジェクト」を新たに立ち上げ、‘Mindfulness with tea’をコンセプトに、ユーザー開拓のための新商品の開発を行っています。
女性の新鮮な感性を生かした取り組みにより、新たなユーザー層を惹き付け、茶の新規需要開拓に繋がっていくことを期待しています。
〇本日は、来年度の予算を中心にご議論いただきます。ここでその中の特徴的な点を2点ご紹介しますと、
・まず1点目は、以前、「茶と人フロンティア会議」で提案した事業に、「東海道はお茶街道」事業がありました。県内には、東海道53次のうち、22の宿場がありますが、その多くが県内のお茶産地と重なることから、お茶を活用した地域おこしを展開しようとするものでした。
来年度はその具体化の第一弾として、京都の宇治茶、福岡の八女茶と並んで三大玉露の一つである、岡部宿の朝比奈玉露をテーマに、玉露の里と東京日本橋の2か所で、その素晴らしさをアピールしていきたいと考えています。併せて、玉露を中心に産地を育てることにより、持続可能な産地全体の町おこしに繋げていきたいと考えています。
・第2点目は、国の「みどりの食料システム戦略」にも対応し、産地と一緒になって有機茶栽培に取り組むとともに、オーガニック・ティをブランドに育て、輸出に向けた取り組みを積極的に進めていくことが重要と考えています。
〇この間、有難いことに、茶業会議所の運営は女性スタッフの力に支えられています。茶業界に女性の感性による新しい風をもっともっと吹き入れて頂き、茶業の一層の発展へ繋いで頂くよう期待しています。
お茶を巡る情勢が厳しい今だからこそ、オール静岡が心を合わせ、ワンチームとなって取り組んでいきたいと考えています。理事監事の皆さま方におかれましては、何卒宜しくお願い申し上げます。