皆さんこんにちは。衆議院議員の上川陽子です。
150日間の第201回通常国会も終わり、地元静岡に戻りました。コロナ時代の新しい生活様式が始まっています。
今年はオリンピック・パラリンピックをはじめ、大きな行事が延期・変更を余儀なくされています。そんな中、2020年必ず成功させなければならないのが今年100年という節目を迎える「国勢調査」です。
「国勢調査」は大正9年(1920年)、欧米各国と肩を並べるために国是として始まりましたが、それより約50年前、静岡藩で、住民に関する人口調査で試みられました。
政治家で最初に国勢調査の重要性を説いたのは大隈重信侯であったと言われています。明治35年(1902年)に、「国勢調査ニ関スル法律」が定められ、三年後の明治38年に第一回国勢調査を行い、国際的な世界人口センサスに参加することになりましたが、日露戦争が始まり、中止、次に予定された大正4年(1915年)も第一次世界大戦で流れてしまいます。
二年後、大正6(1917年)に「国勢調査施行ニ関スル建議案」が衆議院で可決し、大正9年(1920年)10月1日に第一回国勢調査は実施されました。
国勢調査がどんなものなのか国民によく知ってもらうため、当時の政府もいろいろと考えたようです。
まず分かりやすい標語を募集しました。「国勢調査は文明国の鏡」「一家の為は一国の為になる」というストレートな標語から、「一人の嘘は万人の実を殺す」「申告は一に正直二に正確」 という諌めの標語もあったようです。
皆さんは、人口ピラミッドをご存じと思います。1920年の第1回は日本の人口は裾の広い「富士山型」でした。1965年の第10回は戦争の爪痕とベビーブームを象徴する「釣り鐘型」、前回2015年の第20回は「つぼ型」で出生数は100年前から半減しました。
このまま推移すると、将来は年齢間の凸凹がほぼなくなり、なめらかに下すぼまりのタワマン形になると予想されます。100歳以上の女性の多さも目立つようになるでしょう。
このほかにも、国勢調査から得られた結果は、人口学、社会学、経済学、地理学などの学術研究はもちろんのこと、企業や団体における製品・サービスの開発や需要予測等に利用されています。
また、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの小売店舗の立地計画、支店開設の際のエリアマーケティングや立地評価にも活用されています。
さて、今年2月、私は、「国勢調査100年を成功させるデータサイエンス議員連盟」を立ち上げました。現在、コロナの影響で国勢調査員が集まらず、準備に苦戦していますが、前回引き続きインターネットを利用した調査を推進するとともに、高齢化社会、外国人増加などに対応する実施環境が整備する予定です。
国勢調査員の皆さんの世帯訪問のご努力と並んで、インターネット調査については、全体の50%以上を目標にしています。そのためにも、企業の皆さんには、働いていらっしゃる若い方々が、全員国勢調査に参加していただけるよう、ご協力をお願いしています。
調査開始以来100年目、そして令和初の国勢調査です。コロナ下での調査という困難を乗り越え、国民全員、オールジャパンで、国勢調査にご参加ご協力いただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
衆議院議員 上川陽子