5月3日から7日まで、自民党司法制度調査会視察団の団長 として、ベトナム(ハノイ)およびミャンマー(ネピドー/ヤンゴン)を訪問しました。長年わが国が支援してきた司法制度や法整備支援の現状を調査するためです。わが国は、過去 20年超にわたり、ベトナム、ミャンマーを含め10か国以上のアジア諸国等に対し、民法や刑法などの基本法や知的財産法等経済関連法の起草、さらに法務関連人材の養成を支援し、高い評価と信頼を得てきました。今回の訪問では、両国の司法に携わる要人との面談や現地で活躍する専門家、JICAスタッフ、日本企業のビジネスマン達との意見交換の他、現地法科大学内の日本法教育センター等を訪問しました。
<ベトナム司法省レ・タイン・ロン大臣と面談>
ベトナムへの法制度整備支援は1996年から20年の歴史を誇り、アジア 諸国の中でもわが国の法制度支援プロジェクト第1号の模範国です。 ロン大臣は53歳、旧ソ連で法学士、カナダで法学修士、日本の名古屋大学で国際法学博士をそれぞれ取得する超エリート大臣です。闊達な意見交換となりました。 現在、2020年を目標とする「法・司法制度改革支援プロジェクト」が進行中であり、日本の法務省等からの出向の専門家たちが、民法や国家賠償法等の起草支援や人材育成に力を尽くしています。 ロン大臣の彼らへの信頼は厚く、その活動に高い評価と大きな期待が寄せられました。
<日本法教育研究センターの訪問>
ベトナム法科大学キャンパス内の名古屋大学日本法教育研究センター(CALE)を訪問しました。教授と学生たちが温かく出迎えてくれました。学生たちは4年間、法科大学での 通常授業に加え、同センターで日本語、さらに日本語による日本の法律を学ぶというから驚きです。約200名の志願者から選ばれた学生は当初20~30名。厳しい成績評価をクリアしながら、4年生まで残る学生はわずかです。うち最も優れた学生たちが日本留学の権利を得て、修士号・博士号に挑戦します。 今夏、名古屋大学CALEに留学予定の3名の4年生は、目下、登記制度や破産手続きなどをテーマ に日本語の論文をまとめています。法律用語を自由に使いこなす日本語は実に論理的。「国づくりは人づくり」、ベトナムの将来は実に明るく楽し みです。