<2016年5月17日オンエア>
(上川)リスナーの皆さま、こんばんは。上川陽子です。
(鈴木)コピーライターの鈴木真弓です。どうぞよろしくお願いいたします。今日は自民党女性活躍推進本部の活動からうかがいたいと思います。先月、全国政調会長会議に、女性活躍推進本部長として出席されたそうですね。どんなお話をされたんですか?
(上川)自民党の各県連にそれぞれ政調会があり、その会長さんにお集まりいただきました。私も女性活躍推進本部長として出席しました。政調会長は各県の県会議員の先生が担うのですが、全員男性でした。こういう場所に女性議員が参加できる自民党であってほしいと思いますね。女性議員の数を3割にすることを安倍政権も目標にしており、党としても女性に政治参加していただくにはどうしたらいいか真剣に考えなければと思っています。
(鈴木)「保育園に落ちて活躍できない」という子育て女性のブログが一時話題になりました。
(上川)私が男女共同参画と少子化対策担当大臣を務めたころから待機児童問題に真剣に取り組んできたのですが、地域によって状況が異なります。地域ニーズをしっかりとらえたうえで政策を進めなければいけないということで、当時、待機児童数が多かった神奈川県、鹿児島県で集中して対応するよう指示したことを思い出します。
今回の子育て女性のブログをきっかけに、さらなる緊急対策チームを立ち上げ、ヒアリング調査を行ない、多くのママさんから率直な声を聞かせていただきました。女性活躍推進の旗を振りながら、育休明けの子どもを預ける場所がないというのは本気で推進するつもりなのか疑わしいという厳しい声もいただきました。小泉政権から取り組んできた政策ですので、しっかり取り組んでいきたいと思っています。
ママさんは4月の入園時に非常に苦労されるんですね。何月に子どもを産めば待機児童の壁に当たらずに済むか考えながら産まざるをえないという声もあるくらいです。静岡方式として待機児童園がありますので、全国にも紹介しながら政策応援していきたいと考えています。
(鈴木)女性を取り巻く問題では、性暴力被害者支援政策にも取り組まれていますね。
(上川)犯罪の中でも性暴力、性犯罪は女性が大変苦しい状況に置かれています。お母さんがそういう暴力を受けている場面を子どもが見てしまうと大変なトラウマになってしまうというケースもあります。
性暴力性犯罪の加害者に対しては、法務省の中で検討委員会を立ち上げ、罰則規定を厳しくするなど法制審議会で見直しを進めているところです。同時に、大変厳しい立場に置かれた被害者の支援体制にも力を入れていかなければいけないと思っています。その中ですでにこうした問題に取り組んでいる施設があります。大阪に性暴力救援センターSACHICOという支援施設があるのをご存知ですか?
(鈴木)いえ、知りません。
(上川)SACHICOとは、Sexual Assault Crisis Healing Intervention Center Osakaの頭文字から取った名前なんです。2010年4月、大阪府松原市にある阪南中央病院内に開設された施設で、病院型支援センターといわれています。同意のない、対等でない、強要された性的行為はすべて性暴力であると定義し、DVとしての性暴力、子どもへの性虐待、レイプ強制ワイセツなどの性暴力の被害者に対して被害直後からの総合的支援をめざす、日本で初めてのプロジェクトです。
(鈴木)日本で初めてなんですか。
(上川)SACHICOでは、「性暴力被害者への医療は、女性への救急医療」と考え、24時間体制のホットライン及び支援員常駐による心のケアと、女性産婦人科医による診療を提供しています。「女性の救急医療」という発想のもと、カウンセリング、弁護士相談、警察への通報など女性の安全と医療支援ネットというネットワークシステムの支援を受けることができるワンストップセンターというのは、それまで日本にありませんでした。先月、訪問させていただいて、このような施設がようやく整備されたことを本当に心強く思いました。
(鈴木)女性の救急医療という発想は斬新ですね。被害を受けた直後というのは体も心もズタズタになっている状態で、どこに被害を訴えたらよいかわからないですよね。病院内にあるというのも心強いでしょう。
(上川)病院の中で、ワンストップでサポートを受けながら対応できるというのは非常に有益です。具体的には、
①24時間診療と継続的診療が可能であること
②中絶手術が可能であること
③入院治療が可能であること
④被害者と支援員の安全性の確保が可能であること
⑤他科への紹介が可能であること
というメリットもあります。
(鈴木)何人のスタッフがいらっしゃるんですか?
(上川)スタッフは交通費程度の有償ボランティアで日夜奮闘し、約35名で24時間体制を支えておられます。本当にボランティアの皆さんのお力に頼る部分が多いんですね。産婦人科では院内の6名の女性医師が昼夜の待機シフトを組んで、診療にあたっています。日常の多忙な臨床診療業務に加えての被害者の診療は、時間的にも精神的にも負担が大きいようです。
(鈴木)場合によってはお医者様が被害者の証人として裁判所へ出廷することもあるのでは?
(上川)それだけ性暴力性犯罪の被害者を治療する医師というのは責任や負担が重いんですね。今後「証人保護」などの方策が実施されなければ、女性産婦人科医師の協力の拡大は困難という声をうかがいました。
(鈴木)被害のケースもさまざまでしょうね。
(上川)外からはわかりにくいですね。レイプ強制ワイセツ被害が最も多いようですが、性虐待被害も少なくありません。性虐待被害とは、父親や兄、祖父など、本人にとって身近で保護的な立場にある人からの性的行為と定義しています。被害者本人から申告することはほとんどなく、児童相談所からの紹介事例ですね。また加害者が身近な相手であるため、告訴に至ることは非常に稀です。これらのサポートは想像以上に難しいのですが、しっかり対応していかなければなりません。
(鈴木)SACHICOは病院が運営されているのですか?
(上川)病院側のボランティア的な部分が多いのです。長続きさせるためには公的助成を充実させなければなりません。現在のところ公的な助成はなく、カウンセリングや診療費の補助、支援員への謝金などの運営資金は基金に寄せられた善意の寄付に頼っています。この春に策定された犯罪被害者基本法や男女共同参画計画でもこの点を厚くしようと検討しているところです。それに基づいてこういう支援の全国展開ではどんなサポートが必要か議論を深めていきたいと思っています。
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(鈴木)さて、後半は話題を変えまして、陽子さん、来月ロシアに行かれるそうですね。
(上川)行先はロシアのウラン・ウデというシベリアの町で、モスクワよりも日本の方が近いでしょうか。目的は北極圏に関わる各国の議会人会議というのが行われるんです。私は日本の国会を代表し、北極のフロンティアを考える議連メンバーとしてうかがいます。
(鈴木)そういう会義があるんですね。
(上川)今回で12回目だそうです。日本の議員がそういうところに参加することはなかったのですが、私どもの議連で昨年、策定した国家戦略が、世界各国からも注目されています。議会人としては私が初めての参加です。
(鈴木)陽子さんからは北極圏の重要性については再三うかがっており、日本の研究者も長年地道に研究活動を続けてきたということを知りましたが、それらがいよいよ政策として具体化し、外交戦略にもなっていくんですね。
(上川)北極についての可能性と、地球温暖化の影響については、日本も持ち前の科学技術を生かして取り組んできました。夏場は航路が開けますし、エネルギー資源も多いところですから、各国が注目しています。開発にあたっては環境を守るという大きな理念をもとに訴えてきました。日本の役割についても各国と協調し、議会人同士情報を密にして、多国間の率直で真摯な外交を通し、北極圏の利活用と保護についてルール作りに努めたいと思っています。
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(鈴木)最後に、自民党で面白い活動が始まるそうですね。
(上川)米粉を使ったレシピコンテストを開催します。ぜひ皆さんに応募していただきたいと思っています。4月15日から6月30日までネットでも入手できますが応募用紙にレシピと写真を添付して応募してください。
(鈴木)誰でも応募できるんですか?
(上川)どなたでも応募できます。和食ブームで美味しくて安心安全な日本食が海外でも注目されていますので、世界からアッと言われるようなレシピをお待ちしています。とくに将来、料理人や栄養士を目指す若い方に応募していただきたいですね。奮ってお待ちしています。
(鈴木)詳細は自民党のHPをご覧ください。
(上川)そうですね。よろしくお願いします。北極政策を重要な国家戦略として位置付けよと、議
さあ、そろそろお時間となりました。最後までおつきあいくださったリスナーのみなさま、本当にありがとうございました。それでは次回まで、ごきげんよう。