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ラジオシェイクradioshake

第63回 「松山のICT実証実験とベンチャー起業家」

<2014年5月20日オンエア> 

(上川)リスナーのみなさん、こんばんは。上川陽子です。

 (鈴木)コピーライターの鈴木真弓です。どうぞよろしくお願いいたします。先月から今月にかけ、各地へ視察に飛び回っているそうですね。今日はそのお話をうかがおうと思います。

(上川)そうですね、3月までは予算審議がタイトで、4月に入り、国内外の視察が続きました。国内では愛媛県のお話をしたいと思います。

 (鈴木)総務省マターで視察に行かれたんですね。

 (上川)総務省ではICTのまちづくりということで全国約30都市で実証実験を行なっています。

 (鈴木)松山は歴史の町というイメージがありますが、ICTのまちづくりとは意外な感じがします。

 (上川)そうですね、私も実は松山市を訪ねるのは初めてでした。司馬遼太郎さんの坂の上の雲、道後温泉、路面電車と、コンパクトに整った歴史文化都市というイメージを持っていました。

ICTのまちづくりはどの自治体も抱えている問題ですが、松山では高齢化が進む中、安心安全で暮らせるまちづくり、また観光や健康という地域資源を活かす方法、そして心配される東南海地震に向けた災害対策、この3つを組み合わせたかたちでのICTの実証実験を行なっています。

 (鈴木)市長さんが先進的なお考えなんですね。

 (上川)松山市の野志克仁市長はものすごいアクティブにシティセールスをされている方です。市だけでやるのではなく、地元のマスコミ、愛媛大学、商工会議所等と協力し、町全体で力を合わせ、創り上げていくという仕組みを大事にされています。

健康のジャンルでは、タブレット端末にアイコンがいくつかあって、たとえば500人ぐらいの人に参加してもらって、毎日1万歩歩きましょうと呼びかける。歩き始めの時点で血圧や体重を計測し、健康ウォーキングコースを歩くと何歩、と記録がとれます。参加者もネット上で励ましあいながら、仲間意識を持って参加し、結果を出す。一方、医学部では閉経後の女性が骨粗しょう症になるリスクを軽減する実験をされていましたね。歩くと骨の骨密度が上がるという実験です。

 観光分野では松山市内に歴史名所がいくつかありますので、タブレット端末がナビと解説をするしくみを作りました。

 (鈴木)昔のようにガイドブックや地図を広げて迷いながら歩く、なんて時代ではなくなったんですね。

(上川)現在、松山市には年間500万人の観光客が訪れます。ただこのまま努力しなければ他の都市に負けてしまうという危機感もあって、モチベーションを高く掲げておられました。オリンピックやパラリンピックが開かれる2020年には外国人も多く来られるのでは、ということで、タブレットに翻訳機能を持たせる工夫等でもモデルになっていただけるのでは、と確信を持ちました。

 (鈴木)防災の点でみると、観光シーズンに地震が来たら、と心配になりますが。

(上川)災害時にはタブレット端末が災害モードに自動切換になり、自分が居る場所から一番近い避難所へ誘導してくれます。

 (鈴木)災害時に安心安全だというのは、これからのシティプロモーションで大きな武器になりますね。

(上川)そうですね、こういう情報やしくみがある街というのは、観光客にとっては大きな安心感を与えます。

 (鈴木)静岡市でも大いに参考にすべきではないでしょうか?

(上川)今回の視察はその意味で大変有意義でした。静岡もコンパクトシティとして観光客が増えてくると思いますので、静岡ではどうなんだろうと想像しながら視察してきました。

今回、愛媛県の中村時広知事にもお会いしましたが、知事は当選後、すぐに県庁内に「営業本部」を作ったのです。商社ご出身の知事さんで、初めのころは県庁内でも抵抗があったようですが、飛び込み営業もさせ、愛媛県の特産品を内外で売り込んで大成功したんですよ。

 (鈴木)そうだったんですか。たしか愛媛には凄い人気のブランドみかんがありますよね。

(上川)「紅マドンナ」ですね。走りの時期は東京で12000円で売られているそうです。静岡県もみかん特産県ですからどんな工夫をされているのか伺ったところ、みかんの収穫時期をできるだけ長く保つよう、品種をうまく分けて、年間出荷のない時期をなくすようにしているそうです。お茶で考えてみると、年中特色のあるお茶を出荷するにはどうしたらいいか、ですね。紅マドンナは人脈を駆使して東南アジアにも輸出され、若い生産者のやりがいにつながっているようです。

 知事も市長も大変意欲的な方で、新しい取組に積極的です。この地域は本当に活性化しているなあとズンズン伝わるものがありました。

    ♪

 (鈴木)後半は陽子さんが最近出合った若いユニークな起業家についてお聞きしたいと思います。

(上川)お二人を紹介したいと思います。一人目は石戸奈々子さん、デジタル絵本の会社を創設され、NPO法人CANVASの理事長を務めている方です。石戸さんとは11月頃、情報関係で表彰する式典でお会いし、最近、副大臣室にお招きしました。

 (鈴木)絵本作家さんなんですか?

(上川)そうです。たとえば「りんご」という単語を「英語」で学ぶとき、絵本をデジタルで動画のように作るので見ていて楽しいんです。りんごでいえば、りんごのパーツがビジュアルに描かれ、次第にアップになって、音声で「apple」と出てくる。それをタブレットで見せる。こういうものをたくさんのアプリケーションで展開するしくみを開発されたんです。

石戸さんはもともと東大のご出身でマサチューセッツ工科大学に留学され、ベンチャー起業ノウハウを学びました。国際的にも注目され、ネット事業者からいくつもオファーがあったそうです。ご自分の経験から生まれたデジタル絵本というコンテンツをプラットホームに、新たなビジネス展開を考えておられました。子どもたちのIT教育も手掛けておられ、難しいIT技術というよりも、自然にITが学べるスキルを身につけさせようとワークショップも積極的に行なっています。

二人目は安部敏樹さん。20代です。旅は旅でも、社会問題を解決するためのスタディツアーを展開するリディラバという会社を立ち上げ、新しい仕掛け作りをしています。

 (鈴木)社会問題を解決する旅って、震災復興のボランティアツアーのようなものですか?

(上川)自分でこういうテーマで旅行したいというアイディアを募集し、この指とまれで呼びかける。高校生や大学生の企画もあります。たとえばガン医療ツアー、過疎地医療ツアーとか。一人ではなかなか行けないところに、同じ関心を持つ人々と訪ね、コミュニティを作り、課題解決をする。静岡県にも美術館の課題を解決するツアーというテーマで来ているんですよ。

最初は仲間うちから始まった企画だと思いますが、仕掛けをつくればいろんな問題意識を持つ人から、ネットでプランが集まる。具体的にツアーが成立すると、しかるべき旅行社にサポートを求め、実際にツアーを実施するというわけです。

 (鈴木)20代の若さで法人格を持って活動されているんですね。おそらくものすごい人脈が出来るんでしょう。なんでもそうですが、やっぱり「人」ですよね。

(上川)すでにカリスマとして就職情報誌などにも登場している人です。若い人のベンチャー気質のようなものを刺激しているんですね。やっぱり私たちが知らないところで面白いことを考え、実行している若い人は着実にいるわけで、彼らがのびのびと活躍できる社会にしなければならないと思います。そういう社会づくりに向けてこのお二人が切り込み隊長として注目されています。このムーブメントが持続し、優れたアイディアがあれば大手企業とつながって、ビッグビジネスに発展できればと思います。

 (鈴木)このラジオシェイクでも静岡の有能なベンチャー起業家をお招きし、陽子さんの人脈につなげてほしいと思いますね。

(上川)ぜひやりましょう。そろそろお時間となりました。最後までおつきあいくださったリスナーのみなさま、ありがとうございました。それでは次回まで、ごきげんよう。

 

 

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