<2014年4月1日オンエア>
(上川)リスナーのみなさん、こんばんは。上川陽子です。
(鈴木)コピーライターの鈴木真弓です。どうぞよろしくお願いいたします。さあ、4月1日、新年度のスタートですね。ラジオシェイクは今日で放送60回の節目、4年目のスタートとなりました。思い返せば3年前、東日本大震災直後の放送開始で、予定していたトーク内容をすべて白紙にして、被災地へ駆けつけました。今思うとあっという間の3年間だったような気がします。
(上川)真弓さんと二人三脚で始めて60回。この3年間、東日本大震災の衝撃からまだまだ立ち直っておらず、問題は山積しています。国を挙げて復興に心を刻み、進んでいくことが大事だと思います。
(鈴木)私にとってこの3年の間で最も大きかったのは、なんといっても陽子さんが国会に復帰されたことです。
(上川)私にとっても、今、大きな問題である安心安全の社会づくりについて国の中で活動できるようになったことは大きかったと思います。静岡へ戻る時間は限られてしまったのですが、その分、これまで地元静岡で蓄えてきたエネルギーを活かし、地元の皆様から寄せていただいた声をしっかりと国会にお届けしていきたいと思っています。
(鈴木)さて、今日から始まった平成26年度、身近な出来事といえば、なんといっても消費税の改定です。先月末に郵便局へ行ったとき、2円切手というのを初めて買ったんですが、かわいいうさぎちゃんの絵柄で、なんとなく許してあげちゃおうという気分になりました(笑)。
(上川)おおらかな御気持ちありがとうございます(笑)。3%の増税というのはモノによっては大きなご負担になってしまいますが、その予算は社会保障の分野でしっかり活かし、還元していきたいと思います。またそのことを皆さんに目に見えるような形で実感していただくことが政治の責任だと思っています。
(鈴木) さて、新年度初日ということで、今日は、陽子さんがかかわる政策の中でも未来志向のテーマについてお話しようと思います。現在、総務副大臣として力を入れていらっしゃるのが、ICT=情報通信技術の利活用ですね。
(上川)ICTというキーワードは6年後の東京五輪に向け、大きなキーワードになりますのでぜひ覚えておいていただきたいと思います。ICTを推進していく上で大切なことは、技術開発だけでなく、社会、経済、政治とのかかわりを考え、大きな時代の流れ、トレンド、というものを把握することです。同時に、新しい技術が最大限活用できるよう、時代に即した規制緩和も考える必要があるでしょう。総務省の情報通信審議会では、「2020ICT基盤政策特別部会」という専門部会を立ち上げ、2月26日の第1回会合を皮切りに、学識経験者、シンクタンク、関連業界代表者の方々からさまざまな意見をうかがっているところです
(鈴木) 新しい技術というのは技術ばかりが先走るのではなく、それをどう社会で活かすかの視点を大事にしてほしいですね。庶民としては、まずはWi-Fiのような無料通信インフラを整備してほしいですね。まだまだ使えるところが限られています。
(上川)「無料Wi-Fiインフラ」の取り組みも一つですし、情報通信と放送を融合した技術について戦略として練っていこうと考えています。
(鈴木)1964年の東京五輪も、情報通信技術の発展に大きなきっかけになったんですよね。
(上川)50年前の東京五輪では通信衛星を打ち上げ、カラー同時中継を実現させました。通信衛星が民間利用されるまでには大きなハードルがあったのです。今では考えられないと思いますが、そういう時代だったんですね。今、情報通信と放送の融合は世界常識となり、2020年の東京五輪でも大きな技術革新が期待されています。
(鈴木)ということは、想像もつかない凄い技術が登場するかもしれない?
(上川)今現在、イメージできることと、2~3年後にイメージされることは当然変わってくるでしょうし、6年後、どうなっているのかは本当に予測できません。
(鈴木)WiHiがつながらない、なんてボヤキは完全に払拭されると?
(上川)従前より訪日外国人客からそのような要望があり、観光地や駅や空港等でいちじるしい進展があります。現在、ニーズ調査も行なっており、どれくらいのポイントで広げていくか、ビジネスシーンを中心に取り組んでいただいています。
(鈴木)2020年に押し寄せる大勢の外国人観光客に向け、必須課題ですよね。
(上川)翻訳の技術もそうですね。端末機器を一定のポイントに近づけることで多国籍言語を翻訳できるしくみが実用化するでしょう。それからWiHiの装置が自動販売機に組み込まれようとしています。自動販売機に自家発電機能が加わり、災害モードに切り替わると多目的な情報防災ステーションになるというわけです。
(鈴木)すごいですね、自動販売機という名前じゃなくなりますね。
(上川)まさに多目的情報防災ステーションですね。平時にはWiHiが組み込まれ、多言語翻訳もできる観光情報装置になるのです。
(鈴木)街の機能がガラッと変わりそうですね。
♪
(鈴木)ICTや電波法改正のお話、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに、社会が大きく変わっていく明るい兆しを感じました。ところでこれからオリンピック開催までの6年のうちに、実は、さまざまな世界規模のビッグイベントが日本で開かれるんですよね。
(上川)そうなんです。静岡県も大いに関係あるんですよ。まずは来年2015年夏に山口県で開催される世界スカウトジャンボリー。全世界から約3万人のボーイスカウトたちがやってきます。オリンピックと同じように4年に1度開かれ、今回で23回目。第1回は1920年にロンドンで開催されました。日本での開催は、昭和48年に富士山麓の朝霧高原で世界ジャンボリーが開かれて以来、2回目ですね。
(鈴木) 朝霧高原の世界ジャンボリー、私はまだ小学生でしたが、記憶にあります。
(上川) 静岡はボーイスカウト日本連盟と深い縁があるんですよ。静岡市城内出身の社会運動家・深尾韶(ふかおしょう)が、日本のボーイスカウト運動の草創期を築いたのです。彼が1914年、ほぼ独力で設立した【静岡少年団】がのちのボーイスカウト日本連盟の礎となりました。静岡市立城内小学校、今は葵小学校に【ボーイスカウト日本連盟発祥の地】という記念碑が建っています。
(鈴木)へえ、知りませんでした。わりと身近にボーイスカウト活動をしている人が多いんですが、朝霧大会の影響かと思ったら、もともと静岡発祥といってもよいくらい歴史ある活動だったんですね。
(上川)2015年の山口大会には、静岡市からも多くのボーイスカウトたちが参加すると思います。世界中からやってくる同世代の若者たちと、大いに親交を深めてほしいですね。
さらに、注目すべきビッグイベントは、ラグビーのワールドカップ2019日本大会です。5年後の2019年9月から10月の約6週間、世界から20チームが参加し、日本国内10~12ヶ所で約48試合が予定されています。
(鈴木) 2002年のサッカーワールドカップ日韓大会を思い出します。ラグビーのワールドカップも世界のビッグスポーツイベントですよね。
(上川) 夏のオリンピック、サッカーワールドカップと並んで、4年に1度開かれる世界の3大スポーツイベントで、全世界で約40億人がテレビ観戦するそうですよ。
(鈴木)ただ、サッカーに比べると、一般の馴染みは低いかなという気がしますが・・・。
(上川)ラグビーのワールドカップは1987年に第1回大会がニュージーランド、オーストラリア共催で行われ、その後、2011年のニュージーランド大会まで、7回開催されています。1930年に始まったサッカーに比べると歴史は浅いんですね。来年2015年に第9回イングランド大会があり、2019年の日本大会で9回目ということになります。これまでの開催国は、
第1回 1987年ニュージーランド・オーストラリア共催
第2回 1991年英国(イングランド)
第3回 1995年南アフリカ
第4回 1999年英国(ウェールズ)
第5回 2003年オーストラリア
第6回 2007年フランス
第7回 2011年ニュージーランド
第8回 2015年イングランド
第9回 2019年日本
(鈴木) なるほど、いわゆるラグビーの世界強豪国といわれる国が開催してきたんですね。となると日本の実力が気になるところですが・・・。
(上川) ラグビーの競技人口は世界で500万人、日本では12万人といわれています。おっしゃるとおり世界の強豪はヨーロッパと南半球に集中していますね。ワールドカップを主催するIRB(国際ラグビー評議会)には117か国の国と地域が加盟しており、日本は現在、世界ランキング16位。来年のイングランド大会までに10位内に入ることを目指して強化を図っているところです。
2016年のリオデジャネイロ・オリンピックから、7人制ラグビーが男女共に正式種目となりますので、今よりもグンと注目度が高まるでしょう。2019日本大会は、ラグビーオリンピック入り後の初のワールドカップとなりますから、国内外の盛り上がりに大いに期待しているところです。
(鈴木) 先月、東京オリンピック・パラリンピックと日本ラグビーフットボール協会会長を務める森善朗元首相が静岡にいらっしゃいましたね。
(上川) 森会長はラグビーワールドカップの日本招致に長年力を尽くしてこられ、ラグビーワールドカップ決勝に8万人規模のスタジアムが必要だということで、国立競技場の立て替えを早くから計画されたのです。これが、東京オリンピック招致にもプラスに働いたようですね。国内の試合会場は国立はじめ、10から13会場になる予定で、2015年3月頃に決定します。静岡県のエコパスタジアムも立候補しますよ。
(鈴木) ということは、サッカーワールドカップ日韓大会の感動を再び味わうことができるんですね。
(上川) 試合会場ではない街でもパブリックビューで試合観戦できるよう、ICT技術を活用してほしいと思っています。
(鈴木)あらためて陽子さんにとって2014年度はどんな年度になりそうですか。
(上川)現場の皆さんの暮らしや生活がよくなったと実感していただけるよう、また若い人が夢を持って仕事が出来るよう、物事を語るだけではなく実行していこう、そのためにもこれから取り組む施策について、皆さんにきちんとご理解していただこうと思っています。ひとりよがりになるのではなく、皆さんのご理解やお力が結集して初めて可能になるのです。微力ではありますが精一杯頑張っていきたいと思います。
(鈴木)ラジオシェイクも今日から4年目です。これからもよろしくお願いいたします。
(上川)どうぞよろしくお願いします。さあ、そろそろお時間となりました。最後までおつきあいくださったリスナーのみなさま、ありがとうございました。それでは次回まで、ごきげんよう。