<かみかわ陽子ラジオシェイク 7月2日オンエア>
(上川)リスナーのみなさん、こんばんは。上川陽子です。
(鈴木)コピーライターの鈴木真弓です。よろしくお願いいたします。今日は、陽子さんが座長を務めた自民党の女性活力特別委員会の活動についてうかがいたいと思います。女性活力特別委員会の中間報告で示された提言が、先月6月にまとまった安倍内閣の骨太方針2013にも組み込まれたそうですね。
(上川)ええ。3月28日に第1回委員会を行い、5月23日の第8回まで大車輪で活動しました。実質2ヶ月足らずの活動で、内閣へ政策提言し、それが国全体の経済財政運営と改革の基本方針である「骨太の方針」に組み込まれ、自民党の参議院選挙の公約集にも組み込まれました。東北の被災地などへも足を運び、現場の声を含めて作らせていただいた提言です。
(鈴木)。座長である陽子さんの行動力がそのまま反映されたのではないですか?
(上川)もちろん過去の、自民党女性局長や少子化対策・男女共同参画担当大臣時代の経験があって、目指す方針と政策実現のための手順がある程度わかっていたということもありましたので、委員会のメンバーはじめ、野田総務会長、高市政調会長のバックアップをいただき、総理がこの問題の対策に、万全の陣営を敷いてくださったのが功を奏したと思います。
(鈴木)2ヶ月足らずで成果を出せというのはプレッシャーも大きかったのでは?
(上川)真弓さんもご存知の通り、私はプレッシャーが大きければ大きいほど燃えるタイプですから(笑)。第1回から第8回までの委員会活動にあたり、私はまず、着地を見定めながら企画書を作って委員会を進めました。実は、企画もまとめるまでの準備に1ヶ月以上要しています。純分練った上での開催ですから、後は実行あるのみ。地域で、企業で、自治体で、どんな事例があるか、各3ケースほどヒアリングをさせていただきました。今回、地域で活躍されている企業やNPOの皆さんの声をぜひうかがいたいと思い、お願いをいたしました。駆け足のような状況でしたが、論点整理を積み重ね、5月23日に中間報告〈女性が輝く社会の実現のための政策〉としてまとめました。
(鈴木)アンケート調査も行ったそうですが、どんな声が聞かれましたか?
(上川)地域での女性の活動状況をする上で貴重なアンケート調査になりました。女性が活躍する分野としては、「子育て・介護等の経験を生かしたサービス産業」が34.8%、「従来は男性が中心の活動において女性が活躍している。例えば防災・防犯・文化活動等」が30.3%、「生活の気づきを生かした従来にない商品・サービスの提供」「女性の起業等により女性を多く雇用」「企業や行政のリーダーとして組織に貢献」がそれぞれ2割程度でした。回答者のうち、日頃から地域活動に積極的に参加されている人ほど、女性の活躍事例に対する認知度が高い傾向が見られました。
(鈴木)課題はどうですか?
(上川)永遠の課題かもしれませんが、やはり「仕事と家庭の両立の困難」と回答した方が70.9%、「周囲の人の理解や協力の不足」が59.4%と多かったですね。若い世代ほど、「仕事と家庭の両立の困難」や「残業が多い企業の働き方」を課題に挙げる人が多かったです。
(鈴木)社会全体の考え方の切り替えというものが、まだまだ足りないというか、必要なのでしょうね。
(上川)このことは、中間報告の冒頭でも示しましたが、実は問題の根底には、女性の問題というよりも、むしろ、日本特有の就業時間の長さがあります。日本では育児休業制度が整備されてきたにもかかわらず、今なお第一子出産を機に約6割の女性が離職しています。
北欧などこの分野の先進国といわれる国では、男女ともに子育てと仕事の両立が当たり前の社会システムになっています。日本でも、国全体で働き方を改革し、男性も地域の中でしっかりと存在感を示していくということが必要です。先進国として模範となるような新しい社会システムを作り上げていかなければなりませんね。
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(鈴木)女性活力特別委員会の中間報告。サブタイトルに「次元が違う新たな女性活躍のステージを目指して」とありますね。この「次元が違う」という表現に、今までの女性政策にかかわる提言との違いを感じました。
(上川)ありがとうございます。今回、どの政策も、目標値を示し、いつまでに実現するかスケジュールを提示したことにあります。新たなステージを4つに絞りました。まずは、「世界で女性が輝くために」です。グローバル時代に生き生きと活躍していただきたいと思い、目標として、2017年までに第1子出産を機に離職する女性を5割以下にしよう!と。
(鈴木)現状は、6割以上の女性が離職しているという話でしたね。
(上川)第一子出産後も継続就業したい人は大勢いるのですが、なかなか実現できないんですね。
もう一つは「2020年30%」に向け、企業・組織における女性役員・管理職の登用割合の平均伸び率を5倍に加速する。これもなんとか実現したいと思います。30%というのは結構重要な数字で、これ以下ですと『女性は特別な存在』で、これを超えてしまうと『女性が管理職でも当たり前』の社会になる。私たちが目指す【世界で女性が輝く】姿に近づくのです。
もう一つ、2017年までに女性の起業数を2倍にしようと。
(鈴木)目標数値と期限をしっかり定めたところがスゴイですね。よく少子化問題で女性の出生率の数字が取り沙汰されますが、出生率のような数字は政府が目標設定するようなものではない気がしていました。今おっしゃった目標値は女性を取り巻く周りの環境が変われば実現可能です。
(上川)そうですね。ぜひ目標値達のための応援団として頑張って行きたいと思います。
次いで「地域で女性が輝くために」。目標としては、2017年までに、団塊の世代の活躍により「イクジージ」「イクバーバ」など地域の子育て援助者を20万人養成したいと思っています。
また3年以内に女性の社会起業サミットをぜひとも日本で開催したい。さらに農山漁村の女性による農林漁業関連起業活動総数を1万件以上にしようということ。今、9700件ぐらいですので、早期に達成しようと思っています。
(鈴木)地域のファミリーサポート事業も、女性の起業支援も、いろいろな形で進んでいると思いますが、国が大きな目標値を示すことで、地域でさらに大胆な方策が取りやすくなるでしょう。
(上川)次に「女性活躍のフロンティア」。この分野においては、復興防災の現場における女性活躍の優良事例100を選定しようと思っています。もう一つは、女性研究者からわが国初の女性ノーベル賞の受賞を。さらに政治の分野で、国政選挙でわが党における女性候補者の倍増を目指す。
(鈴木)まさに、陽子さんが日頃から提言されていることですね。
(上川)こうした明確な目標を出すことで、それに向かって努力できる。目標がないと途中であきらめてしまうこともあろうかと思いますが、これらの数字は、女性に対し、「あきらめないで」と言うメッセージなんです。
「女性の活躍のための社会基盤整備」。目標として、来年度中に女性参画等の新たな指針を策定し、2017年までに、男性の家事育児参画時間を週2時間(現行の2倍)にしよう。育児に参画しない男性を解消しようと。現在、まったく育児にタッチしない男性が6~7割ぐらいいるんですね。
さらには2017年までに、いわゆるリケジョ(理系女子)入学生を2倍にしようと掲げました。
(鈴木)今の男性の家事育児時間って一週間あたり1時間なんですか?
(上川)1時間でも家事に参加しているだけましですよ。日本の男性の家事参画時間ゼロ比率は8割、育児参画ゼロ比率は7割なんです。この数字には安倍首相も驚いていました。先進国として、このようなことでは問題だという意識を、まず我々政治家が持たなければなりません。
(鈴木)報告にいかれたとき、安倍首相はじめ、男性の閣僚や議員さんたちは、どんな表情だったんですか?
(上川)私の委員会には男性の議員も参加しています。最近では議員会館の中に託児所が出来たんですよ。新しい議員会館が出来たときに造られたんですね。女性のみならず男性議員も赤ちゃんを抱えて託児所に駆け込む姿も見られるようになりました。
(鈴木)小さな子どもがいる若い議員さんが増えてきたというのもあるんでしょう。まず男性議員さんが、我々が模範を示さねばという思いもあるんでしょうか。
(上川)議員会館の中も、子どもの送り迎えが当たり前の雰囲気になり、自分も頑張ろうかと思える人が増えてくるといいですね。
(鈴木)この後の委員会はどうなるんですか?
(上川)実は第2ステージに入っていまして、世界、地域、フロンティア、基盤整備という4つの分野を掲げましたが、すでに始めたテーマでも道半ばのあるものもあります。少し整理をし、未着手の分野に切り込んでいきたいと思っています。
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(鈴木)女性活力特別委員会の中間報告、すごくインパクトのある数字が印象に残りました。
(上川)今回の提言をまとめるにあたり、具体的な政策がもっとたくさん掲げられていますので、ぜひHP等で確認をしてください。今まで提言してきたことが、まだまだ浸透しておらず、十分活用されていないという部分もあり、これは我々にも責任があります。政策というのはしっかりと運用し、さらに練り込んでいくことが重要です。我々も、提言がまとまってハイ終わり、ではなく、ここからが勝負だと思って取り組んで行きます。
(鈴木)ここ静岡でもしっかり浸透するといいですね。
(上川)静岡は全国の縮図ですから、静岡の女性がまず輝いてほしいですね。実は7月29日、月曜日ですがホテルアソシア静岡ターミナルで政経セミナーを予定しています。女性活力特別委員会の提言を具体的にご説明するとともに、講演会の講師に自民党の野田聖子総務会長をお招きしますので、興味のある方はぜひお越しください。詳しくは上川陽子のホームページをご覧ください。
さあ、そろそろお時間となりました。最後までおつきあいくださったリスナーのみなさま、ありがとうございました。それでは次回まで、ごきげんよう。