<かみかわ陽子ラジオシェイク 6月18日オンエア>
(上川)リスナーのみなさん、こんばんは。上川陽子です。
(鈴木)コピーライターの鈴木真弓です。よろしくお願いいたします。さっそくですが、先月、陽子さんの後援会で国会議事堂見学ツアーがあったそうですね。
(上川)ええ。静岡の後援会のみなさんを国会議事堂にお招きして、私が日ごろ働いている現場の空気を感じていただきました。これは初当選してからずっと続けているんですよ。
(鈴木)大人のための社会科見学みたいで楽しそうですね。
(上川)ご高齢の方で、死ぬまでに一度は国会議事堂の中を見たかった、なんて方もいらっしゃったんですよ。小学校の修学旅行の定番コースで見学体験された方も多いでしょうけど、修学旅行で行かないと、大人になってから行く機会を作るのは難しいのかもしれません。
(鈴木)かくいう私も、小学校の修学旅行先は名古屋だったので、実は今年の1月末に、陽子さんが再選されてから初めて国会議事堂見学に招いた静岡の小学生たちに便乗して見学させていただいたのが、生まれて初めての国会だったんです。
(上川)どんな印象でしたか?
(鈴木)まず建物の美しさに感動しましたね。西洋的ですが歴史と伝統のある建物で、ここで数々の政治的な事件やドラマが演じられたかと思うと身震いがしましたね。奈良の東大寺や法隆寺に通じるような重みも感じました。
(上川)現在、国会議事堂は東京を代表する観光名所のひとつとなっています。参議院は本会議開会中以外の平日であれば誰でも見学できます。衆議院は国会議員の紹介がなければ内部の見学はできない時期がありましたが、2009年11月6日から、一般申込み参観の受付をしています。もちろん見学以外にも、議員への面会や議事の傍聴などで議事堂内に入ることは可能です。ぜひ会期中に議事の傍聴にいらしてください。
(鈴木)テレビの国会中継では映らないところで、議員のみなさんがどんな表情でいるのか、ぜひ見てみたいです。ところで今回の見学ツアーはどんなスケジュールだったんですか?
(上川)午前中に国会議事堂を見学していただきました。けっこう階段の上り下りがあって大変だったんですが、安倍政権になってから本当に見学者が増えました。
お昼は衆議院第二議員会館の食堂で、ふだん私たち議員が食べているランチを召し上がっていただいたんですよ。午後は同行できませんでしたが、みなさんの希望で、相田みつを美術館、NHKスタジオパークの見学に行かれたようです。
(鈴木)ほんとに大人のための社会科見学ツアーですね。こういう活動も後援会にとって大事なんですね。
(上川)テレビで国会の審議風景をご覧になる機会が多いと思いますが、直接足を踏み入れ、民主主義の最前線・最高峰たる殿堂の空気を知っていただいた上で、テレビに向かって野次を飛ばしていただければと思います(笑)。
(鈴木)かみかわ陽子後援会の国会議事堂見学ツアー、来月7月にも予定されているそうですね。
(上川)7月17日に予定しています。議事堂のあと、皇居の見学も予定しています。
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(鈴木)さて後半は、陽子さんご自身の視察旅行のお話をうかがいましょう。前回、佐賀県に行かれたお話で盛り上がりましたが、その翌週は宮城県の仙台に行かれたとか。
(上川)そうなんです。自民党女性局の仲間で、野田聖子総務会長、前の女性局長で島尻安伊子復興大臣政務官、現在の女性局長や局次長などと一緒に仙台に行ってきました。あまり知られていませんが、自民党では女性局と青年局が毎月必ず東日本大震災の被災地訪問を続けています。青年局は、リーダーである小泉進次郎議員の活動として時々メディアで紹介されますね。女性局でも負けずにちゃんと活動しているんですよ。
(鈴木)女性局のみなさんで行かれたとなると、被災地における女性の役割や課題といったテーマで?
(上川)今回は女性の目線で見た活動の現場ということで、盛り沢山のプログラムを組んでいただきました。前半は福祉関係、後半は復興のシンボルとして南浦生浄化センター(下水処理場)の状況を視察し、最後は東日本女性支援ネットワークの皆さんと意見交換を行いました。
最初にうかがったのは、丘の家子どもホームという児童養護施設です。キリスト教系の施設で100年以上の歴史があります。ご家庭で育ちきれない子どもを預かり、集団で世話をする現場と、地域の中で一戸建ての家を借り上げ、里親的な雰囲気で世話するグループホームを見学しました。
(鈴木)被災した子どもたちも預かっているんですか?
(上川)大震災で親を亡くしたお子さんたちも含まれていました。施設長さんはご夫婦で、我が子と同じように世話をしておられました。地域のみなさんも真摯に協力しておられるようで、街の中で子どもたちの声が響いているという印象的な地域でしたね。
お昼の時間帯は、障害者福祉施設のアップルファームを訪問しました。海岸線に近い場所にあり、障害のある方々がランチメニューを開発し、80種類ぐらいの献立をカフェテリア方式で提供するセルフ方式レストランを経営されています。80種類のおかずすべてが地産地消料理で、盛り付けもとてもきれいで、テレビ等でも大きく取り上げられたそうです。
(鈴木)一般の人も利用できるんですか?
(上川)もちろん、ビジネスランチに利用される人も大勢居ましたよ。
午後は被災時に模範的な行動をして話題となった福住町内会を訪ね、リーダーの方々の熱心な取り組みをうかがいました。日頃から防災意識が高く、数年前から2000人ぐらいの町内居住者の名簿をしっかり作り、家庭環境に合わせたケアをし、いざというときは互いに支えあう。その成果が東日本大震災のときにも最大限に発揮されました。リーダーはとても明るく、皆さんが協力する姿は静岡でも参考になると思い、静岡へお招きするお約束をしました。来静の折はぜひラジオシェイクにゲスト出演していただこうと思います。
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(鈴木)東日本女性支援ネットワークの方々とはどんな意見交換をされたんですか?
(上川)女性の目線で調査研究する中間支援団体です。当日は地域の中のグループ活動家にお越しをいただき、事例を紹介していただきました。
あるグループは高齢者が仮設住宅でアクリルたわしを縫い、それを東京で販売するつなぎ役としてミシンや材料を調達していました。仮設住宅の住民の皆さんは本当にご苦労がおありですが、皆で集まって目標を決めて行動することにより、暮らしに張り合いが生まれ、雇用や収益にもつながっていったと。東京で出来ることもいろいろあるんですね。いい事例を紹介していただきましたね。
(鈴木)これは問題だと実感を持たれるケースはありましたか?
(上川)女性活力特別委員会では、被災地で女性が活躍する場を作っていきたいと思っているのですが、国の復興支援の施策の中には女性の視点への配慮がまったくなかったんですね。そういう切実な訴えがその場でありました。我々議員がその間に立ってしっかり声を反映させなければと痛感しました。
(鈴木)今回の視察に復興庁の政務官が同行したのは大きかったのでは?
(上川)島尻政務官は訴えに対し、大臣にしっかり報告してプログラムの中に女性の視点を入れるよう努力すると申しておりました。我々女性活力特別委員会からも側面支援をし、1本の矢だけでなく、2本・3本と撃ち続けようと思っています。
(鈴木)男性の議員は参加されなかったのですか?
(上川)青年局と女性局、それぞれが定期訪問しているとご紹介しました。もちろん被災地の中で目指すのは同じですし、県会議員や市会議員の方々との意見交換ができたのはよかったと思います。
(鈴木)新しいビジネスチャンスにつながる視察も出来たとうかがいましたが。
(上川)仙台市の下水処理施設が壊滅的な被害を受け、一日も早く復興を目指してまったなしで取り組んでいるのですが、同時に新しいタイプの下水処理プランを実践しているのです。バイオマス利用のプロジェクトなんですが、オーランチオキトリウムという海の藻を使った処理技術で、オーランチオキトリウムというのは石油を作ることができるんですよ。
(鈴木)えっ!? 海の藻が石油を作る?
(上川)廃棄物の中に含まれる有機物を食べて石油を作る藻なんです。この機能を活かし、処理施設に藻を入れ、循環させ、石油に還元させ、エネルギーにする。
(鈴木)・・・つまり、ゴミを食べて石油を作り、石油からモノができ、ゴミになったら藻がまた石油に戻してくれるということですか?
(上川)究極の循環でしょう。この最新技術の研究ラボが仙台市の南浦生浄化センターに造られたのです。海洋には計り知れない微生物がいます。陸の上では生きられない生物もたくさんいます。彼らは地上では迷惑なモノ=廃棄物を餌にしてくれる。これらの生態を丁寧に調査し、海の生態系を崩さずに新しい可能性を追求する。まさに、iPS細胞の山中因子のように、夢のある研究開発を復興のシンボルにしていこうというわけです。
(鈴木)海というのは、大津波のように人間の暮らしを根こそぎ奪い取る恐ろしい存在であり、同時に、人間にとって計り知れない宝物をもらたしてくれる存在でもあるんですねえ。
(上川)今回の訪問で本当に真摯な活動に取り組む方々と出会い、南海トラフ巨大地震のリスクを抱える静岡の防災・減災対策に、生きた教訓として大いに生かしていきたい、と思います。
(鈴木)前回の佐賀県に引き続き、今回は仙台市を訪問された陽子さんの目を通して、復興や防災における地域の課題、その中での女性の役割についてうかがいました。こういう事例を知ることができたのも、陽子さんが今、自民党の女性活力特別委員長という要職にあって、女性の課題に真っ向から取り組んでいるおかげですね。
(上川)現場の声を聞き、政策に生かす、女性の目線を生かすという重責をいただき、本当にやりがいをもって臨んでいます。
(鈴木)今後の女性活力特別委員会の動向に目が離せません。大いに期待しています。
(上川)来月には静岡で政経セミナーを予定しています。女性活力特別委員会の提言もしっかりご説明いたします。当日は野田聖子総務会長にもお越しいただく予定ですので、ご期待ください。
さあ、そろそろお時間となりました。最後までおつきあいくださったリスナーのみなさま、ありがとうございました。それでは次回まで、ごきげんよう。