<2014年5月6日オンエア>
(上川)リスナーのみなさん、こんばんは。上川陽子です。
(鈴木)コピーライターの鈴木真弓です。どうぞよろしくお願いいたします。新年度がスタートし、あっという間にひと月経ちました。身近なところでは消費税率が変わって、いろいろと戸惑うこともありましたが、陽子さんにとって2014年度のスタートダッシュはいかがでしたか?
(上川)日本のカレンダーと言うのは4月1日に新年度が始まります。昨年、総務副大臣を拝命し、10月1日に活動を始めました。半年経っての新年度ということで私自身、気持ちも大いに引き締まっているところです。
(鈴木)4月1日ですから総務省でも新入職員が入ってこられたわけですね。
(上川)そうです。総務省の講堂に職員が集まって入省式がありました。100名ぐらいの新入職員がびっしり並ばれまして、初々しい表情で式典に臨んでいました。厳しい試験をくぐり抜けられた方々ばかりですから、緊張の中にも逞しさを感じましたね。
(鈴木)女性はどれくらいいらっしゃったのですか?
(上川)安倍政権では女性の活躍を成長戦略に挙げていますので、まず範を示そうと、国家公務員の30%を女性に、という目標で、採用にも檄が飛ばされました。今年は3割まではいきませんでしたがそれに近い割合で採用されたと思います。ただ壇上から見渡すと、やはり女性は少ないな、という印象でしたね。
(鈴木)その3割弱の女性というのは、綺羅星のごとく優秀な方々ばかりなんでしょうね!
(上川)そうですね、これから20年30年というキャリアを積んでいく中で、ワークライフバランスをうまく取って欲しいなと思いました。総務省では地方転勤も多く、ちょうど結婚・子育てという時期に重なることもあるでしょう。そういうところを乗り越えるにはハードルが高いと思われますが、離職することなくしかるべき地位まで行かれるよう、頑張ってほしいですね。
(鈴木)彼女たちから見たら、訓示を述べる上司に陽子さんのような女性副大臣がいるということは、目指すべき目標が目の前にいて心強かったのではないでしょうか。
(上川)男社会の中では女性の先輩の存在は大きいんですね。総務省の中では頑張る女性キャリアが増えており、新人女性からああいう先輩になりたいと憧れる存在になっているんですよ。
(鈴木)さて今年入省された新人さんの中には、いきなりすごい仕事をオファーされた方もいらっしゃると聞きましたが。
(上川)ちょうどベトナムからオンブズマン的な省の長官がいらっしゃったのです。ベトナムとは国家間でさまざまな人的交流が進んでおり、総務省でも行政評価局とベトナムの国家監察局が覚書を交わすところまできたのです。今回、日本の行政関係の苦情処理を参考にしようと、行政相談員のシステムやオンブズマンの役割について視察されました。いきなり行政評価局に配属された新人が生き生きと立ち回って、私としても頼もしく感じたところです。
(鈴木)総務省の中で対外業務に関わるというのは貴重な体験じゃないでしょうか?
(上川)そうですね。総務省はもともと郵政省と自治省、そして総務庁が一緒になった、主に内政を扱う省庁です。国の統治やガバナンスについて、ベトナムのような新興国にとって日本のしくみはきわめて信頼性が高く、大いに学びたいと考えておられるようです。ちょうど明治時代に日本がヨーロッパの国のしくみを参考にしたように、今、アジアの新興国は日本をお手本にしているのです。その意味で、外交というのも総務省の重要な仕事になっているんですね。
(鈴木)日本は、お金やモノばかりでなはく、日本人が築き上げたしくみや人材そのものも“輸出”できるんですね。
(上川)風土の異なる国に日本のしくみをそのまま持っていくのは難しい面もありますが、ベトナム人は勤勉で日本人に近い気質を持っているといわれます。日本と同じ制度で人が育てば、行政相談員のような人たちが、ベトナム国内の隅々で活躍できる日が来るのではないでしょうか。
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(鈴木)ベトナムといえば静岡市ともご縁があるんですよね。
(上川)古都フェ市と静岡市が友好姉妹都市になっているんです。もともと学生レベルでの交流から始まったようで、夜桜乱舞の仲間たちが現地へ踊りに行ったり、静岡県立大学や静岡ことば学院に留学生がやってきたりしています。歓迎の挨拶では、フェ市は世界遺産に登録されている町ですから、総務省の歓迎の夕べではフェ市と静岡市が姉妹提携されていること、富士山が世界文化遺産に登録され、世界遺産繋がりができたことなどをPRしておきました。
(鈴木)静岡市内には美味しいベトナム料理の店もありますし、身近に感じます。
(上川)今回の視察団にはフェ市出身の方もいらっしゃいましたよ。静岡へもお誘いしました。
(鈴木)ところで春は静岡でもさまざまなイベントが開かれましたが、先日、大川のお茶まつりに参加されたそうですね。
(上川)今年も、浅間神社の廿日会祭をはじめ、春祭りが目白押しでしたね。大川のお祭りでは、お母さん方手作りの山菜をいただきました。本当に空気もいいし、素晴らしい自然の中でくつろいだひとときを過ごしました。日頃、永田町で時間に追われていますので、とてもいいリフレッシュになりました。
(鈴木)静岡市の駿府城公園には、先月、坤櫓(ひつじさるやぐら)が復元されました。
(上川)オランダのラーディンク・ファンフォレンホーベン駐日大使を迎えて、完成記念式典も執り行われましたね。坤櫓(ひつじさるやぐら)は1854年の安政東海地震で倒壊してしまったのですが、400年事業ということで、市では10億7千万円をかけ、1600年代当時の高さ12メートル、木造三層の櫓を復元したのです。
家康公は1609年に駿府城でオランダからの使者に交易を許可する朱印状を発行し、国交を結んだんですね。オランダ大使を招いたのはそんな歴史的事実に基づいているわけです。
(鈴木)駿府城公園には、オランダから送られたチューリップが見事に咲きましたね。
(上川)オランダ大使館から寄贈された友好のチューリップ花壇ですね。昨年10月に、チューリップ球根4550個とムスカリ球根9700個が贈られ、11月に静岡農業高校の生徒さんたちが植えてくれました。赤や白、青の花が咲き、日本とオランダの国旗や両国友好を記念した親善キャラクター「ニオくん」の姿に咲きましたね。家康公が蒔いた種が、400年を経て今なお広がっていく。静岡だからこそ出来る素晴らしい国際交流です。
(鈴木)ベトナムといい、オランダといい、静岡には知られざる海外との友好関係があるんだなと気づかされた春でした。
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(鈴木)ところで陽子さんのホームページを拝見すると、副大臣記者会見のライブ映像をつねにアップしています。内閣に入って遠い存在になってしまったと思いきや、ネットのおかげで今まで以上に陽子さんの活動を身近に知ることができます。
(上川)本当に便利な世の中になりましたよね。実は、月に一度、官邸で副大臣会議というのを行っているのですが、会議後に記者会見を行っているのは、どうやら私だけのようですよ。
(鈴木)えっそうなんですか?
(上川)どの省も副大臣は記者会見をしていないんです。会見では副大臣会議をやったときはこういう発言をした、他の副大臣が提示した案件についてこう述べた等と報告し、記者から質問を受けるのです。1回目のときは道州制についてどう思うかと質問され、また、法務省での取り組みとして国家公務員の女性登用について報告したら、具体的にどういう対策に取り組むのか斬り込まれました。こういうやりとりは非常に勉強になるといいますか、いろいろな意味で鍛えられますね。
女性の活躍ではある新聞社の方から、次の内閣改造で女性閣僚についてどう考えるかと聞かれ、福田官房長官時代に2020年30%という目標を掲げた以上、女性閣僚の比率を3割超えてほしいと答えたのです。そうしたら次の朝刊の囲み記事に顔写真入りでドンと出たのです。こういう発言を彼らは引き出したいんですね。記者会見場で会見する場合もあれば、ぶら下がりで会見することもあります。そんなときに政治家としての姿勢が問われるわけです。
(鈴木)我々としては陽子さんには少しでもメディアで取り上げられるよう期待するばかりです。
(上川)ありがとうございます。私の日頃の活動につきましてはホームページには映像ライブラリのコーナーもありますので、上川が日頃どんな場所でどんな内容の発言をしているか、ぜひご覧になっていただきたいと思います。
さあ、そろそろお時間となりました。最後までおつきあいくださったリスナーのみなさま、ありがとうございました。それでは次回まで、ごきげんよう。