令和3年10月1日 法務大臣 上川陽子 法務省職員向けメッセージ
〔冒頭〕
○ 法務大臣の上川陽子です。
皆さんも既に御承知のとおり、来週、新内閣が発足する見込みとなりました。
本日は、一つの節目として、私から皆さんに直接メッセージをお伝えする機会をいただくこととしました。
○ 私は、昨年(令和2年)9月に、図らずも3度目の法務大臣職を拝命し、再び皆さんと一緒に仕事をする機会を得ました。
この1年間は、最初に法務大臣職を拝命した平成26年以来、7年間にわたる法務行政への関わりの集大成とする覚悟を持って、全力で職務に取り組んできました。
〔「法の支配」と「誰一人取り残さない」社会の実現の意義〕
○ 御存知のとおり、私は、過去2度の法務大臣在任時から一貫して、
●法の支配の貫徹された社会の実現
と、SDGs(持続可能な開発目標)に掲げられた
●「誰一人取り残さない」社会の実現
を大きな目標として掲げてきました。
○ 法務省の仕事は、国民一人一人が、生き生きと活躍する基盤としての安全・安心を、法の支配を貫徹することにより実現していくという重要な役割を担っています。
○ 法務行政に携わる職員の皆さん一人一人にも、それぞれの業務に取り組むに当たり、この揺るぎない大きな目標を、常に念頭に置き、共有していただきたいと考えてきました。
〔一筆書きキャラバン〕
○ 法務省では、約5万5000人の職員が、多様な地域の各官署・施設等で、様々な業務に従事しています。
私は、以前の法務大臣在任時の経験からも、各地の法務行政の現場は、国民の生命・暮らし、さらには地域・国家の安全・安心を守る、いわば「砦」であると実感してきました。
本省だけでなく、法務行政の最前線で働く職員の皆さんにもこうした考え方を共有していただき、オール法務省として、一つ一つの業務・課題に取り組んでいただきたい、そうした思いから、昨年来、田所副大臣、小野田政務官の助けを得て、各法務省官署・施設等の職員と率直に意見交換をする「一筆書きキャラバン」の取組を行ってきました。
○ この取組を通じて、私は、最前線で働く職員の皆さんが、様々な困難を抱える方々の「声なき声」を汲み上げ、しっかりと寄り添っていくという姿勢で一つ一つの業務に取り組んでいることを改めて実感し、感銘を受けました。
〔法務行政の取組〕
○ その上で、様々に変化し、移り変わる時代の中にあっては、法務行政の在り方についても、現場に身を置く職員の一人一人が、見直すべきところがないか、常に自らに問いかけ、イノベーションを生み出していかなければなりません。
時には、組織・意識の大きな改革・変革が必要となることもあるでしょう。
○ 法務行政が国民の皆さまの御理解、御協力の上に成り立っていることを強く意識し、丁寧な広報・コミュニケーションに努めるとともに、
●関係機関、地域、民間の方々などのマルチステークホルダーと連携して多層的な取組を促進する視点
●将来を担う若者や子どもなど、施策の届け先となる様々な方々の立場に立った課題解決の視点
●中・長期的なビジョンを意識した政策立案の視点
●PDCAサイクルを回して不断の改善を図る視点
を忘れることなく、一つ一つの課題に取り組んでいくことが重要です。
〔結び〕
○ 法務省職員の皆さんには、何事にも真摯に向き合う誠実さが備わっています。
これからも、その誠実さを失うことなく、常に時代の変化を見極め、また、幅広い視点を持ちつつ、約5万5000人の職員がワンチームとなって職務に精励されることで、一層の飛躍を遂げられると確信しています。
○ 結びに、この一年間、皆さまと共に仕事をし、皆様と共に結果を残してきたことを誇りに思い、改めて感謝を申し上げます。
皆さん、ありがとう!
そして、これからも共に前を向いて歩んでまいりましょう!