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ラジオシェイクradioshake

第119回  「天皇陛下の“お気持ち”について」

<2016年9月20日オンエア>

 (上川)リスナーの皆さま、こんばんは。上川陽子です。

(鈴木)コピーライターの鈴木真弓です。どうぞよろしくお願いいたします。昨日は敬老の日でしたが、陽子さんはラジオ体操や各地のお祭り行事などで日頃から地域のお年寄りと身近に接しておられますね。

(上川)お年寄りと聞くと違和感を覚えますね(笑)。皆さんとにかくお元気で、ご自分を年寄りだとは思っていらっしゃらないんじゃないでしょうか。先日も敬老会で100歳を超えた女性にお目にかかりましたが、きちんとお化粧をして身なりも整えていらっしゃって、とても素敵でした。お一人でお住まいの方も地域の中でお友だちと過ごす機会が多いほど、つまり人と人とのふれあいの機会が多ければ多いほどお元気なんでしょうね。

敬老会の参加者の年齢も年々上がってきており、77歳~80歳ぐらいが中心でしょうか。昔は65歳で高齢者と言われていましたよね。70代なんてお元気そのものですね。

(鈴木)「敬老の日」という言い方も、もしかしたら変わるかもしれませんね。

(上川)先回、静岡科学館るくるの話をしたとき、子どもたちのプログラミング教室をサポートしているシニアボランティアの皆さん方が活躍していたと紹介しましたよね。技術者としてのキャリアをお持ちのシニア世代が、非常に落ち着いて懐の深い接し方をされているのに、子どもたちも安心感を持ったようです。学校の現場にも地域にいらっしゃるプロフェショナルにどんどん入ってもらって、学校が地域に開かれた場所として子どもの育ちを見守るというイメージも大事にしなければならないんじゃないでしょうか。

シニア世代を人生の先輩として敬う、その方が生きて来た証しに学ばせていただく、それが敬老の日の新しい意味付けになってくるかもしれませんね。

(鈴木)健康長寿で穏やかに老後を過ごし、周りに迷惑を掛けず寿命をまっとうできたら、というのが誰しも願うのではないかと思いますが、だからこそ胸を突かれたのが、先月、天皇陛下が国民に向かってお話された『お気持ち』でした。

(上川)真弓さんは陛下にお会いになったことは?

(鈴木)まったくございません・・・。

(上川)私は2回大臣をさせていただき、昨年の法務大臣時には皇居におけるさまざまな認証式典に補助としてお手伝いする機会がたくさんありました。そばで直接お仕えした経験から考えると、天皇陛下のお務めは1年間、さまざまな宮中行事から国事行為まで休む間もなく続き、国家国民のために尽くしておられるんですね。お年を感じられながら、ご自分が築かれた象徴天皇としての役割は何か、その目標が達成できないときはどのような可能性が考えられるか、率直な思いを語られ、極めて重く受け止めました。

(鈴木)私なんぞは、陛下はいろいろなご病気もされていますし、年齢のことも考えて、少しはゆっくりしていただきたいなと素直に思ったんですが、政治家である陽子さんには、これというキーワードがあったのでは?

(上川)11分間、お言葉おひとつおひとつ選び抜かれ、考え抜かれておられたと思います。28年間、憲法に示された「象徴天皇」という初めての概念を、どのように考え、行動されてきたのか、その世界観たるや物凄いものだと思いました。

私には2つのキーワードが印象深く残りました。一つは「個人として」というお言葉。天皇陛下が「個人として」のお立場を初めて表現された。天皇陛下は完全なる公人、というお立場ですが、公人として務めてこられたことについて個人として外に向かってお話されたということです。

もう一つは「即位に関わる公的行事」に「家族が大変な思いをする」ということに思いを寄せられたこと。「家族」というお言葉を使われましたね。私たちは「皇室」「皇族」という言い方をしますが、それを「家族」というふうにおっしゃった。ここは非常に陛下の人として個人としてお持ちの人権といいますか、憲法上政治的な発言はできないお立場ですがギリギリの中で考えられたことを率直におっしゃったことを重く感じました。

(鈴木)かなり準備をされたんでしょうね。

(上川)5年ぐらい前からお誕生日の会見などで折に触れておっしゃってこられたように思います。陛下ご自身、即位されて以降、ずっとお考えになってこられたのではないでしょうか。11分のお言葉の中には28年間お考えになり、行動されてきたことが自然に表現されているように感じました。5年前も10年前も、一貫して、「象徴天皇」という憲法で示された新しい役割についてギリギリまで真剣にお考えになられ、行動されてきた方なのだと、改めて実感しました。それに対し、我々国民もしっかり受け止めて考えなければならないと思いますね。

(鈴木)他国の国王や元首の方々の中でも、天皇陛下のようにご自分のお立場について在位中ずっとお考えになる方はいらっしゃらないんじゃないでしょうか。

(上川)それぞれの国で王室・王族や国民との関係性は歴史によって異なると思いますが、日本の場合、「象徴としての役割」というキーワードが、現行憲法が出来たときに入ったまったく新しい、先例のない概念ですね。多くの場合は先例・前例があって、政治家も同じですが、前例と同じでいくか変えていくかを考えればよいのですが、まったく一から作ったものなんですね。国家国民のため、それを次の世代にしっかりつないで行きたい、というメッセージがあったんだと思うのです。

静岡県にも海の日に焼津にお越しになったり、植樹祭の行事に参加されたり、海外では太平洋戦争の激戦地に慰霊の旅へ行かれました。それから災害時に現地に行かれて避難生活をされている方に寄り添い、同じ目線でお声かけをし、それによって被災地の皆さんが生きる元気や希望を感じ取る・・・まったく新しい活動だと思います。そのようなご努力をされてきたことを、私たちがどこまで理解してきたのかを考えると、その重さをきちんと受け止めていかねばと思いますね。

(鈴木)「象徴天皇」という言葉は教科書で習い、そういうものなんだろうと漠然としか考えてきませんでしたが、陛下ご自身は在位中ずっと背負っておられ、今後どうあるべきか、あのように真摯に問いかけられた。国民にとても重いボールを投げかけられたのだ・・・と陽子さんのお話を聞いてジワジワ感じてきました。

(上川)その象徴天皇を規定しているのが日本国憲法で、前文を含めて一章から十一章まであります。で、条文としては130条あります。前文の後の最初の第一章一条に「天皇は国と国民の統合の象徴である」と示され、前文の後の第一章に天皇の規定があり、その後十章からなる「国家としての日本」が構成されている。一番最初の一番大事な骨格を成すものです。皇室に関する法律は皇室典範に具体的な定義がなされており、憲法には法律のキーワードが載るということは他にありませんので、皇室典範をどう解釈するか、政府としては9月臨時国会から始まってから取り組むことになります。まさに日本の国の在り方についての新しい問題として有識者会議等で議論されると思います。

(鈴木)日本の国の在り方について、陛下と政治家と国民が一緒になって考えるよい機会をいただいたのでは、という気もしますが。

(上川)ぜひラジオシェイクでコーナーを作って憲法について少しずつ考えていきたいと思いますね。憲法改正についての議論は、今の憲法がどのようなものかを知らなければ始まりませんね。現行憲法の前の帝国議会中の憲法、各国の憲法なども少しずつ紐解きながら考えていきたいと思います。

♪ 

(鈴木)さて陽子さんから大切なお知らせがあるそうですね。

(上川)今日はリスナーの皆さんにぜひともご協力をいただきたいと思います。今、アメリカで心臓移植を待っている「はなちゃんを救う会」。はなちゃんとは、今年の1月5日に牧之原市で生まれた岩倉はなちゃんです。

はなちゃんは生まれた直後に拡張型心筋症という病気にかかり、薬では治りません。赤ちゃん用の人工心臓を付ける技術もあるのですが、完治するには心臓移植しかないのですが、国内で6歳未満の子どもの臓器移植手術は法的にはOKになったものの、極めて症例が少なく、ドナーが見つかる可能性も少ないということでご両親は海外での移植手術を決断しました。具体的にはアメリカのコロンビア大学での手術が決まったのですが、ご承知のとおり海外での移植手術には莫大な費用がかかります。そこで「はなちゃんを救う会」が立ち上がり、必要な費用3億1千万円を目標に募金活動が始まりました。

リスナーの皆さまの中にはテレビ報道等でご覧になった方もいらっしゃると思いますが、まだ半分ぐらいの金額しか集まっていないようです。全額そろわないとアメリカの入国が許可されないため、渡航の最重要条件になっているようです。一日でも早く渡航条件が整うよう、皆さまのご寄付をお願いしたいと思っています。

(鈴木)陽子さんはどういうきっかけで活動をお手伝いされているんですか?

(上川)はなちゃんは今、大阪の病院に入院されているんですが、大阪出身の議員の方がはなちゃんを救う会実行委員会の主要メンバーにおりまして、ぜひ協力を、とお声かけいただきました。私自身、小さな子どもの命をつないで行くドナーがいらっしゃる場所で、一刻も早く移植手術が受けられるよう、応援できればと思っています。

(鈴木)詳しくは「はなちゃんを救う会」のHPを観ていただければと思います。

(上川)どうぞよろしくお願いいたします。

さあ、そろそろお時間となりました。最後までおつきあいくださったリスナーのみなさま、本当にありがとうございました。それでは次回まで、ごきげんよう。

法務大臣 活動記録 2017.8.3~、2014.10.21~2015.10.7 総務副大臣 活動実績!

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