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ラジオシェイクradioshake

第71回 「地方視察報告~福井大学付属病院の医療ICT、北陸発世界企業」

<2014年9月16日オンエア>

(上川)リスナーのみなさん、こんばんは。上川陽子です。

(鈴木)コピーライターの鈴木真弓です。どうぞよろしくお願いいたします。先月、総務省が医療機関での携帯電話の利用を緩和したという記事を拝見しました。陽子さんがかかわっておられるプロジェクトですね?

(上川)私が提案した「かみかわプロジェクト」なんです。医療機関内での携帯電話等の無線通信機器の活用を安全かつ効果的に推進するため、総務省や通信会社で構成した電波環境協議会という会で、「医療機関における携帯電話等の使用に関する指針」及び「医療機関における携帯電話等の使用に関する報告書」を作成しています。厚生労働省と共同作業で、8月19日に指針及び報告書をとりまとめ、記者発表しました。

(鈴木)病院内でも、ある程度自由に携帯電話が使えるようになったということですか?

 (上川)実は電波を使うものって、病院内で使われる医療機器にも結構あって、どこまでがOKでどこからNGか線引きも難しいのです。そこでもう一度見直し、検討を重ね、報告書をまとめたのです。今回の指針では、医療施設の場所ごとに通話やメール、ネットの使用に対する考え方を示しました。わかりやすく紹介すると、手術室、検査室、集中治療室など医療機器に影響が発生した場合のリスクが非常に大きいとされる場所では原則禁止。電源も必ず切ってもらいます。

 診察室では携帯電話の通話はだめですが、医療機器から一定の距離が離れているなら電源を切る必要はありません。メール受信も可能です。

 待合室、食堂、個室の病室ではマナーに配慮しつつ通話、メール、ネット閲覧は可能です。もちろん、大部屋の病室では通話を控えるといった配慮が求められるでしょう。

 (鈴木)かなり緩和されたということですか。

 (上川)この分野は技術も日進月歩ですし、ネットで情報交換するのが当然という時代になりました。携帯電話の使用制限についての指針は17年前に示されて以来です。当時に比べ、今の携帯電話の電波は弱くなり、医療機器の性能も向上し電波の影響を受けにくくなりましたからね。もっとも指針は強制力がありませんので、実際のルールは各医療機関で決めていただくことになります。

 (鈴木)携帯電話やスマートフォンは今や生活必需品です。医療機関を利用される方にとっても必要不可欠なものですから、ありがたい話ですね。

 さて、医療機関といえば、福井のほうへ視察に行かれたとか。

 (上川)先月、福井大学における医療ICTの事例を視察してきました。総務省の中でも成長戦略の一環でかなり注目している分野です。もともと福井には全国で最後に作られた医科大学があり、これが福井大学に統合され、付属病院も設置されました。さまざまな研究開発と臨床実験を一貫して取り組まれています。統合後は医科大学出身のドクターが学長を務められ、地域医療の分野にも力を入れておられます。医師や看護師が不足しているという現場の問題は各県ご苦労されていますが、ここでは大学出身者がそのまま病院に勤務されており、“危機こそチャンスだ”という意識で大変意欲的に取り組んでおられました。

 付属病院では次世代ナースコールの実証実験を視察しました。今までナースコールはナースステーションに届いて看護師が駆けつける、というパターンでしたが、ここでは看護師が持つ端末に直接連絡が入り、すぐに駆けつけることができます。端末には電子カルテが入っていますので、的確な対応ができます。これによって、看護師が日常、病室とナースステーションの移動距離が4分の1に削減されたのです。看護師の負担が減れば、患者さんへのサービスの向上につながります。

 (鈴木)一日、1万歩歩いていた看護師さんが2500歩で済むようになったとしたら、すごい改善ですね。

 (上川)端末を携帯していますので、ベッドサイドで測った熱や血圧をその場で入力できます。そうなると仕事の仕方が劇的に変わりますね。この実証実験をオープンデータとして他の医療施設の参考にしてもらっているそうですので、ぜひ各機関で有効に活用して欲しいですね。

 ♪ 

  (鈴木)北陸ではほかにもいろいろ視察されたそうですね。

 (上川)企業を二つ訪問しました。ひとつは繊維メーカーのセーレンです。

 (鈴木)セーレンにはマッシュマニアという直営カジュアルブランドがあって、オリエンタルな雰囲気のインクジェットプリントが特徴です。若い頃からのファンなんですよ。

 (上川)セーレンは創業が古く、1889年の設立です。独特の繊維技術やプリント技術で衣料品はもちろん、エレクトロニクス、環境生活資材、メディカル、車輌資材など幅広い分野に活用しています。本社を福井に置いて世界的に活躍されていること、本社は1000名余の社員が勤めていますが、ほとんどが地元出身者だということ、これがビジネスモデルとして非常に重要ではないかと思っています。地元で培った独自の技術と地元採用の人材によって生み出された製品が世界市場で評価されています。まさに地方企業のモデルといえるでしょう。

 (鈴木)石川県では4Kの技術を使った医療用ディスプレイを視察されたそうですね。

 (上川)エイゾーという会社です。京都の村田製作所出身の社長が創業したベンチャーで、業務用のディスプレイを中心に製作を手掛けてヨーロッパ市場で高く評価されています。4Kは放送以前に医療用として実用化してきたと自信を持っておっしゃっていました。

 2社とも本社を地元に置き、社長ご自身は世界を飛び回っているという共通点がありました。ヨーロッパで評価されると全世界で評価につながります。そのかわり研究開発のみならず生産現場もセットで国内、地元に置くということにこだわっておられました。

 (鈴木)なにやら新しい日本企業の理想像のようですね。

 (上川)視線が変わったなと思います。静岡は東京に近いということが、いろいろな意味でプラスばかりではないと。人はすぐに東京に出て行ってしまいますし、東京の影響を受けやすい距離にあります。その点、福井は東京から一定の距離がある。これがハンディではなくバネになっているのです。これから北陸新幹線が開通して東京と近くなったとき、プラスに働くのかどうか注目していきたいと思いますが、物事を動かしていくのは人材であるとつくづく感じます。

 (鈴木)なにやら幕藩体制の時代、加賀藩は江戸から離れているため独自の文化が生まれた。静岡は江戸の影響を受け、独自性を生み出せなかったことに通じると思いますね。

 (上川)今は地域と世界がつながる時代です。本社機能が地方にありながら世界で活躍する企業を丁寧に掘り起こしていきたいな、と思っています。

 (鈴木)陽子さんのような現場主義の政治家が、うまく縁結びをしていただければ、と期待します。

(上川)ところで先日、ベトナムの国営放送VTVの社長が総務省を訪問され、放送コンテンツにおける日本とベトナムの協力や文化交流についてお話したんですよ。日本とベトナムの国交樹立30年という年で、「ザ・パートナー」という番組が共同制作されたのです。「SASUKE」という番組もベトナムで非常に人気だそうです。そういうコンテンツを提供しあう関係作りのため、覚書を締結し、共通ルールを作る。これは外交を考える上でも非常に重要です。静岡ならお茶畑の美しい映像を作って海外に発信し、静岡へ来たいと思っていただける・・・そんな仕掛けも重要ですね。

さあ、そろそろお時間となりました。最後までおつきあいくださったリスナーのみなさま、ありがとうございました。それでは次回まで、ごきげんよう。

 

法務大臣 活動記録 2017.8.3~、2014.10.21~2015.10.7 総務副大臣 活動実績!

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