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ラジオシェイクradioshake

第48回「衆議院厚生労働委員会の欧州視察報告・再生医療と薬のネット販売事情」

<かみかわ陽子ラジオシェイク 10月1日オンエア>

(上川)リスナーのみなさん、こんばんは。上川陽子です。

(鈴木)コピーライターの鈴木真弓です。よろしくお願いいたします。今日10月1日は、実は私の好きなおさけ、日本酒の日なんです。ご存知でしたか?

(上川)真弓さんにそう突っ込まれると思って、調べてきましたよ。「酒」という漢字、サンズイに、十二支の「酉(とり)」という字を書きますね。この「酉」という字が、お酒の壷の形のように見えるので、サンズイを付けて酒を意味するようになったそうです。で、そもそも干支の「酉」は、十二支の10番目。酉の月は、新しい穀物が収穫される月であり、その新しい穀物で酒造りを始めた月ということで、10月1日がお酒造りの元日、「日本酒の日」になったそうです。

(鈴木)今日は夜、静岡県酒造組合が主催する年1回の静岡県地酒まつりというイベントもあるんです。陽子さんには以前、静岡県が開発した酒米・誉富士を使った地酒を試飲していただいたことがありましたね。

(上川)美味しくいただきました。誉富士を使った地酒が22種類あるということで、全種類、東京の議員会館に送っていただき、展示してあります。富士山が世界遺産になったことで、富士の名前が付くお酒は東京でも大人気なんですよ。

(鈴木)私、8月に静岡へいらした文化庁の近藤誠一元長官、ユネスコ世界遺産委員会で三保の登録に大活躍してくださった近藤さんに、直接、【誉富士】のお酒をお渡しすることができたんです。飲んでくださったかなあ。(※1)

(上川)外交畑の方は、日本の文化や歴史を海外にきっちり紹介できるスキルをお持ちです。日本酒の価値も美味しさもよくご存知のはずですよ。お会いする機会がありましたら、私からも静岡の地酒をプッシュしておきます。

(鈴木)よろしくお願いします。ところで今日は、陽子さんの海外視察についてうかがいたいと思います。前回、インドネシアで開かれた、子どもの命を救うワクチン接種に関する式典に参加されたお話をうかがいましたが、その後、すぐ、ヨーロッパへも行かれたんですって?

(上川)8月29日から9月7日まで約10日間、デンマーク、イギリス、フランスの3カ国を回ってきました。私が所属している衆議院の厚生労働委員会の理事7名、超党派のメンバーで、今回は再生医療とクスリのインターネット販売の実状について、各国ならびにEUの取り組みをテーマに調査視察してまいりました。こういう視察は3年に1回ぐらいで順番が回ってくるんですよ。

(鈴木)再生医療というと、ノーベル賞の山中教授のiPS細胞ですね。

(上川)iPSの研究は世界各国で進んでいますが、日本の取り組みと、ほぼ同レベルといった印象でした。なんといっても日本の山中先生がノーベル賞受賞者としてこの分野の開拓者・トップランナーですから、再生医療の研究や実用化への動きは、国際的にも山中先生抜きではまったく進まない、ということが、今回の視察でよく分かりました。一人のノーベル賞受賞者が世界を大きく動かす牽引力になっている、と、大変誇りに思いました。

(鈴木)日本は幕末、19世紀後半に西洋医学が入ってきて、西洋の進んだ医療に追いつけ追い越せで必死になってきましたが、21世紀の今、西洋と対等、もしくは一歩進んだポジションに来たというわけですね・・・。

(上川)iPSの研究は、国を挙げて世界の中の拠点にしていこうと、京都大学の中に専門の研究所を設立し、行われています。私も議員連盟の訪問団に加わり、視察させていただきました。(※2)このような研究は大学の研究機関や企業の研究所が、静岡県で言えばファルマバレーのように集積して研究拠点を形成するわけですが、今回の視察では海外でも同じように集積地があり、中心には目玉となる研究拠点センターがあって、郊外の町の再生や地域づくりの拠点にもなっている例を見ました。そういう拠点は海外とつながり、研究者同士、ネットワークを結んで臨床の現場と密につながっています。

(鈴木)都市開発や町おこしが再生医療の最先端研究と結びついているなんて、大変ダイナミックな動きですね。

(上川)イギリスでは幹細胞バンクという施設に山中教授と親しい先生がいまして、幹細胞を培養し、冷凍蓄積しておられました。国際的なつながりの中で最先端研究が進んでいる好例でしたね。

(鈴木)もともとイギリスは羊のドリーのクローン技術で知られるように、この分野では世界の最先端を行っていると認識していました。

(上川)今回はフランスにもうかがい、ヨーロッパ各国での技術開発をどのように見ているのか、いろいろと質問してまいりました。イギリスは今おっしゃったようにドリーのクローン技術については世界に先駆けて実用化するなど技術的には確かに進んでいますが、法制度や体制については十分ではないと。フランスはその面での整備が技術開発と同時進行で進んでおり、イギリスが必ずしも先進国とは言えない、と、ある意味、ライバル意識むき出しでおっしゃっていました。ただし両国の専門家とも、山中先生に関しては「彼抜きには動かない」ということでしたよ。

(鈴木)興味深いお話ですね。クスリのネット販売についてはいかがですか?

(上川)インターネットで薬を販売するとなると、大きなショップサイトの中での販売というイメージを持っていたのですが、ヨーロッパでは薬の販売そのものに対する厳しい制約の中で動いています。たとえばデンマークでは、日本でいう中学校区ほどのエリアに1店しか薬局が開店できません。ホームドクターとホームファーマシーという役割で位置づけられ、その仕組みを維持した上で、ネットという手段で、日頃来店できない人のために薬剤師さんの処方の下で販売するということが大前提です。ネットがあるからその販売ルートに薬を乗せる、というのではなく、薬剤師という専門家のコントロール下で薬局もしくはネットで購入する。販売の枠組みそのものが、薬剤師の管理の下に置かれているわけです。ちょっと日本のイメージとは違うかもしれません。
問題は、顔の見えないインターネットを通じて違法なドラッグや薬局でなかなか買いにくいものが、気軽に買えてしまうのではないかという懸念ですね。たとえばそういう場合は販売先がきちんと薬剤師の許可を得ているか、薬剤師協会を通して確認できるようにするとか、EUに認められたロゴマークを付けているか等、確かな販売先かどうか消費者が認知できるようにさまざまな工夫や努力をされているようです。

(鈴木)日本にとってもいろいろ参考になりそうですね。

(上川)そうですね。日本の医療の仕組みに重なると思います。今回の新しい動きについても、先進国のノウハウを活かせるのではないかということで、視察に行ってまいりました。

(鈴木)ぜひ視察の成果が政策に活かされるよう期待しています。

(鈴木)ところで陽子さん、ヨーロッパに行かれるのは何度目ですか?

(上川)2000年の初当選後、所属した委員会も厚生労働委員会でした。理事でもない平委員でしたが、筆頭理事の方が権利を譲ってくれて、委員会派遣で行ったのがドイツとトルコ、さらにイギリスでした。テーマは「移民について」でした。当時としては非常に新しい、しかしとても重要なテーマです。その後も、IPU(列国議会同盟)の副議長を務めるようになり、本部がジュネーブなのでスイスで開かれた国際会議に出かける途中、イギリスによったりフランスによったりしました。

(鈴木)私はヨーロッパはイギリスしか行ったことがないのですが、地方の街並みの美しさ、コンセプトのある街づくりに感動した覚えがあります。

(上川)イギリスは地域コミュニティをとても大事にしています。2000年以前、世界の都市の生活実態調査を行ったことがあるんです。主に女性を対象に、地域の暮らしやすさなどを定性的に調査し、まとめたんですが、イギリスの地域コミュニティでは新しく家を建てるとき、街並みとの調和が建築条件となっており、図面やカラーコーディネート方針など地域住民に公開しています。それだけみんなで街を大事にしているんですね。
今回訪問したときも、そのルールが守られているようで、新しい家も、街並みとまったく違和感ないんですね。自分の家族さえよければいいというのではなく、地域コミュニティにとって良いか悪いかを判断する。そういう思想がきちんと機能していました。

(鈴木)自分の家を建てるとき、このデザインでいいかどうか、ご町内にお伺いを立てるということですよね。日本では考えられませんが・・・。どこで暮らすか、どういう暮らし方をするか、現役世代のワークライフバランスを考える上でもとても重要です。

(上川)ワークライフバランスという言葉ですが、ワークが先かライフが先かという意見もあるんですよ。デンマークでは、自転車の道が歩道の横にあって、夕方の帰宅時間になると、さっそうと自転車で帰る人々があふれています。歩道にもベビーカーを押す家族連れの姿が多くみられ、ワークはライフのためにということがよくわかります。週末はお父さんがベビーカーを押して、おじいちゃんおばあちゃんと近くの古城にお散歩に行く、なんて風景も見られました。本当にゆとりを感じるスローライフそのものでした。
そういう地域は、“ライフワークバランス”なんでしょうね。つまり、ライフ(生活)が先にあって、仕事をしながら暮らしの糧を得る。中心はワークではなくライフではないかと。金曜日ともなると、午後3時には仕事を終え、帰宅も早く、その分昼食もデスクで簡単にすませ、時間効率を高める工夫をしています。仕事の成果さえきちんと出していれば、時間の使い方は個人の裁量に任せるんですね。
日本の場合はどうしてもワークが優先する“ワークライフバランス”という言い方をしますが、どうも、これからは発想の転換が必要ではないかと思いました。もちろんデンマークのやり方を日本の社会にそのまま取り入れるのは難しいですが、何のために働くのか、もう少しじっくり腰を落ち着けて考えたり感じたりする時間があってもいいのではないでしょうか。

(鈴木)ヨーロッパ視察のお話、大変興味深かったです。まだ第2弾があるということで、次回も引き続きお願いいたします。
さて、陽子さんは確か「東京にオリンピックを招致する国会議員の会」という議連に入っておられたと以前うかがいましたが、2020年の東京オリンピックが実現し、今はどんなお気持ちですか?

(上川)安倍政権にとっても第四の矢になると、大変期待しています。
昭和39年の東京オリンピックの時、私は小学生でしたが、本当に東京オリンピックの行進曲や体操やバレーボールで日の丸が掲揚される興奮をまだ覚えています。7年後の東京オリンピックには、環境重視という点と、パラリンピックにもっと光があたるようにしたいと思います。今回の招致活動でもパラリンピック代表選手の佐藤さんが活躍されましたね。若い世代が地球に生きる国際人である意識を自然にもつことができるよう、大いにボランテイア参加するなど、活躍してほしいですね。政治の面でもこの7年の活動が、この先、第五、第六の矢となれるよう推進していきたいと思っています。

(鈴木)今後ますますスポーツが注目され、陽子さんが力を入れる、運動器官を強めて元気で長生きできる社会づくりにも、いい影響を与えそうですね。

(上川)健康で長生きしましょうというのは、これからの社会保障制度にとって大きなテーマです。オリンピックのとき、シニア向けの祭典なども並行開催できればいいなと思っています。
さあ、そろそろお時間となりました。最後までおつきあいくださったリスナーのみなさま、ありがとうございました。それでは次回まで、ごきげんよう。

※1)『おめでとう!「富士山」の世界文化遺産登録!そして近藤先輩に感謝!』http://www.kamikawayoko.net/archives/237
※2)京都大学iPS細胞研究所視察 http://www.kamikawayoko.net/archives/320

法務大臣 活動記録 2017.8.3~、2014.10.21~2015.10.7 総務副大臣 活動実績!

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