今、イギリスのサッチャー元首相の半生を描いた映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』が公開中です。さっそく私も観てきました。
サッチャーさんは、伝統ある英国議会に、女性政治家の先駆けとして駆け上がり、ヨーロッパ初の女性首相として11年間にわたり活躍されました。サッチャーさんが政権を引き継いだ当時のイギリスは、国内的には不況と労働者の雇用問題が死傷者を出すまでに深刻化し、対外的にはアルゼンチンとのフォークランド紛争が発生するなど、まさに内憂外患の時代でした。
フォークランド紛争発生直後のことです。仲裁に入ったアメリカの国務長官に、「あなたには戦争体験がない」と譲歩を勧められたサッチャーさんは、即座に「私には一日たりとも闘わない日はなかった」と反論するのです。女性の政治家がまだ認知されていなかった時代、重い扉を開け続けた先駆者の闘い振りを象徴する場面でした。
政治を志す者にとって、身近な家族や仲間の存在がどんなに大切か。映画は娘さんの手記をもとにした実話ですが、母と娘の葛藤の描写も生々しく、まだご存命のサッチャーさんの「老い」をあそこまで赤裸々に描いたことには複雑な思いもしました。
サッチャーさんが世界で活躍されていたまさにその頃、私は政治の登竜門をくぐろうと必死の活動を始めていました。未来の可能性を切り拓く勇気を、全世界の女性たちに示し続けた『マーガレット・サッチャー 鉄の女』は、今なお健在です。
私も、「日本のサッチャーさんになってね」と支援者のみなさんから励まされ、大きな勇気と力をいただいています。