9月18日(火)18時30分〜オンエアの内容をご紹介します。
オープニング/高田梨加 陽子さん、こんばんは。
(上川)こんばんは。上川陽子です。
(高田)昨日17日は敬老の日でしたね。陽子さんは毎朝のラジオ体操を日課にされているそうですが、お元気なシニアに囲まれているのではありませんか?
(上川)「敬老」とか「お年寄り」なんて言葉が似つかわしくないほど、みなさん若々しくてパワフルです。ラジオ体操に参加されている方たちは、規則正しく生活し、しっかり健康管理をされています。一緒に体操すると、自分もしっかりしなくちゃ!なんて気合が入りますね。
(高田)そういえば、静岡県が全国一の健康長寿県だという発表がありましたね。
(上川)平均寿命ではなく、「健康寿命」が日本一、なんです。「健康寿命」は、2000年にWHOが打ち出した概念ですが、介護を受けたり寝たきりになったりせず、自立して健康に生活できる寿命を示すものです。ランキングを見ますと、男性では1位愛知県、2位静岡県。女性では1位静岡県、2位群馬県ということで、トータルで静岡県が日本一なんです。
静岡県立大学の木苗学長は、衛生学がご専門。「運動、栄養、休養、社会活動が健康長寿の柱。『週5日以上歩く』・『十分な睡眠をとっている』・『町内の作業やボランティア活動に週2回以上取り組む』といった要素を満たした人は、寝たきりにならず、生活の質が高いまま、長く健康でいられる傾向がある」と分析されています。
(高田)静岡のシニアの皆さんはまさにそれを実践されているわけですね、我々も見習わなければなりません。ではここからは聞き手のコピーライター鈴木真弓さんにバトンタッチいたします。
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(上川)改めまして、リスナーのみなさん、こんばんは。上川陽子です。
(鈴木)コピーライターの鈴木真弓です。どうぞよろしくお願いいたします。先ほどの健康寿命のお話、もう少しうかがってもよろしいですか?
(上川)全国の都道府県別健康寿命を詳しく見てみますと、男性では
【1位】愛知県:71.74歳
【2位】静岡県:71.68歳
【3位】千葉県:71.62歳
【4位】茨城県:71.32歳
【5位】山梨県:71.20歳
女性では
【1位】静岡県:75.32歳
【2位】群馬県:75.27歳
【3位】愛知県:74.93歳
【4位】沖縄県:74.86歳
【4位】栃木県:74.86歳
となっています。
平成22年国民健康・栄養調査(厚生労働省調べ)によると、静岡県は「飲酒習慣者」の割合は全国で2番目に低く、肥満者の割合も全国で5番目に低い。1日に歩く平均歩数も男性が10位、女性では5位と上位につけているようですよ。
(鈴木)飲酒人口はそこそこだと思いますが、無茶飲みする人は少ない、ということでしょうか。
(上川)真弓さんはお酒の取材をしているから気になるところでしょう(笑)。
(鈴木)酒は百薬の長ですから、静岡県民は美味しい地酒を適量いただき、健康長寿を実現していると言わせてください(笑)。
(上川)私が日頃、農業関係者の方々と接して実感していることですが、静岡県というのは地場の食材が豊富なんですね。農水産物の生産品目数は219品目で、全国1位なんです。
(鈴木)確かに、海の幸、山の幸が豊富ですよね。
(上川)食材が豊か、ということは、栄養バランスを考える上でとても有利です。
加えて一番の特産品がお茶でしょう。静岡県民はお茶を、全国平均の2倍、飲んでいます。お茶に含まれるカテキンの抗酸化作用や動脈硬化・糖尿病等成人病の予防作用が続々と解明されているでしょう。そういうお茶を、静岡の人々は子どものころから習慣的に飲んでいます。これは大きいでしょうね。
(鈴木)今年11月には全国お茶まつりが掛川市で開催され、健康長寿に関するフォーラムも開かれるようですね。
(上川)掛川市は地域を上げて緑茶と健康に関する『掛川スタディ』という調査を行ってきました。かなり期待できる報告になると思いますので、全国お茶まつりが終わったら詳しくお話したいと思います。
(鈴木)健康寿命が最も低いのが青森県だそうですが。
(上川)残念な結果なのが、男性最下位の青森県と最下位から2番目の高知県。とくに青森県は平均寿命でも男女ともに全国最下位ですね。青森県は習慣的な喫煙者の割合も、習慣的に飲酒する人の割合も全国1位。また、男性の肥満の割合も高く、歩く歩数が少ない、野菜摂取量が少ないといったデータもあるようです。
(鈴木)冬が長く厳しいという土地柄のせいでしょうか。そう考えると、静岡県というのは地理的にも本当に恵まれていますね。
(上川)健康寿命の男性トップは愛知県の71.74歳。最下位の青森県は68.95歳です。3歳近いギャップがあるということは、医療・介護の費用や人材の面でも大きなハンディとなります。健康長寿県の称号をいただいた静岡県民としては、食習慣や生活習慣のモデルとなって全国の健康長寿を引き延ばす役目を果たすべきだと思いますね。
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(鈴木)さあ、今月末には民主党の代表選挙、自民党の総裁選挙が控えています。政権の行方も気になるところですが・・・。
(上川)今日は選挙も近いということで、政党のリーダーについてお話したいと思います。世界の中でもこの1年間は世界のトップリーダーが変わるわけです。私は過去、アメリカの上院議員選挙に関わったことは、以前、お話したかと思いますが、アメリカというのは1年を掛けてじっくり大統領を選ぶんです。そういう選挙を勝ち抜いてきた人と、日本の首相は対峙していかなければならないのです。その意味でも政党のリーダーを選ぶ今回の選挙には大きな関心を持っていただきたいと思いますね。
(鈴木)陽子さんが初当選された2000年当時は森さんが首相でした。2001年から小泉さん、2006年から安倍さん、2007年には福田さん、2008年には麻生さんと、陽子さんはいろいろなリーダーを間近にご覧になってきたわけですね。
(上川)そう言われてみると、本当にコロコロ変わりましたね(苦笑)。
2001年、小泉総理誕生の総裁選挙の時です。候補者は、小泉純一郎さんと橋本龍太郎さんのお二人が立候補されました。当時、私は1回生議員。党内で、仲間たちと立会演説会を企画し、その場で橋本さんにかなり厳しい質問をしました。その後、橋本さんには、「おいしい水議連」を通じて大きなご指導をいただくことになったんですね。今思うと、冷や汗モノでした(苦笑)。
(鈴木)そうでした、橋本元総理はその面のエキスパートだったんですよね。
(上川)実は、「おいしい水推進議員連盟」の顧問になっていただきたいと、お願いに伺ったときです。よく私のことを覚えていてくださったようで、開口一番、「怖い上川陽子さんが来た。お手やわらかに」と言われてしまいました(笑)。仕事には手を抜かない、大変勉強家・努力家です。よく、「ポマードのすましたイメージ」があってなんとなく近寄りがたい感じがしますが、実際は誠実なお人柄なんですね。政策に強いリーダーの顔に触れました。
(鈴木)一般に伝わるイメージとは違うんですねえ、小泉さんについてはどんな思い出がありますか?
(上川)あの小泉旋風の総選挙で、静岡入りしていただきました。自民党の遊説カーは、「あさかぜ」というんですが、この上に立つチャンスって、実はなかなか回って来ないんですね。結構若手議員の夢なんです。
(鈴木)ぜひにも、あこがれの「あさかぜ」に乗りたいと・・・!
(上川)ええ、私は、私のトレードカラーの黄色いのチーフを手に撒きつけていただき、一緒に「あさかぜ」の壇上に立った時、まさに日本という国家を背負う、トップ・リーダーの身体からほとばしる強烈なメッセージとパワーに触れることができました。その瞬間の、すさまじい感覚は今でも忘れることができません。自分も、政治家としてそうありたい、そうあらねばと感じた貴重な体験でした。
(鈴木)小泉さんにはやはりそんなカリスマパワーがあったんですねえ。総理経験者でいえば、他には・・・
(上川)麻生さんとは、総裁選挙の前に、議員数人と会食をしていただく機会がありました。吉田茂元総理のお孫さんですよね。お小さい頃から「門前の小僧」で、世界のリーダーとも触れる機会がおありになったと思い、生意気にも「世界のリーダーの中で、カリスマパワーを感じられた方はどなたですか?」と質問したんです。お答えは、「イギリスの首相チャーチル」でした。
総理になられてから、毎日朝のウォーキングは欠かさず、総理官邸の周りを秘書官や警護に囲まれ実践しておられました。前日どんなに遅くまで夜の会合があろうとも、朝の日課は欠かさない!そういえば、射撃の選手でオリンピックにも出場された方ですよね。厳しいメニューをこなしきる、まさにスポーツ選手の顔に触れた、朝の通勤途上のできごとでした。
(鈴木)やっぱり政治家は体力が肝心ですね。陽子さんは安倍元総理とのおつきあいが長いようですが。
(上川)安倍さんとは大学の頃からご縁があり、長い長いおつきあいですね。初当選当初から、「自民党の明日を考える会」を立ち上げ、ご一緒に活動してきました。今、総裁選挙にお出になっている方々はいずれもそういう活動を一緒にしてきた方々です。
中でも安倍さんは小泉総理の官房副長官、官房長官、総理とトントン拍子に駆け抜けられた、まさに政治のサラブレッドです。安倍さんには、静岡入りして応援していただいております。これから、さらに新たなステージが待っていると思います。
(鈴木)安倍総理と福田総理のとき、陽子さんは大臣を務められました。
(上川)少子化担当男女共同参画担当の国務大臣として安倍内閣で初入閣しました。福田内閣のときには公文書担当大臣もおおせつかりました。
福田さんとは入閣前から、大陸棚推進議員連盟の会長と事務局長の関係で、ご指導をいただいておりました。ですから、今でも、大陸棚議連や公文書関係の活動について、時々上京し、ご一緒することがあります。
静岡との関係でいえば、北海道の洞爺湖サミットでは、静岡のお酒「磯自慢」が乾杯酒になりましたよね。福田さんはお酒とワインについては、大変造詣が深くて、お好きです。よいお酒を用意してあるからと、先月もお招きいただきました。その時は、小さなレストランでしたが、麻生さんもいらして、お二人の総理経験者と日本の領海や大陸棚について、大いに語りあうことができました。とりわけ、福田さんはアジア諸国の国々のリーダーからも厚い信頼がある方で、もともと商社ご出身ということもあり、政治活動の中心に議員外交を熱心に取り組まれています。
長老は長老としての、大きな役割がある、そうした人間関係によって日本の外交や防衛が支えられていることを、皆さんにも、もっと理解していただきたいと思います。
(鈴木)今はどちらかといえば「長老」といわれる方に対する風当たりが強いですね・・・。
(上川)派閥政治の時代が終わった今、ベテラン政治家の優れた見識を次の世代にどのようにつなげていくべきか、リーダーをどのように育て、どういうふうに選ぶのか、政党自身が真剣に考えなければならない時に来ています。その意味でも、今回の党首選びは大きな意味を持つと思います。
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(鈴木)党首選挙前の微妙な時期に、トップ・リーダーの話、政治の裏側のお話が聴けて、今日はとても面白かったです。
(上川)日本の政治はご覧のとおりの混迷状態ですが、今年、世界を見渡すと、ロシアやフランスでは大統領がすでに入れ替わっていますし、まもなくアメリカでは大統領選挙が行われ、中国は共産党首脳が変わり、韓国も年末に大統領選挙があります。まさに地球規模でリーダーがチェンジする激動の年なんですね。
(鈴木)日本の首相が変わったとしても、あまり注目されそうにありませんね・・・。
(上川)それでは困るんですよ。直接・間接にしろ、国民が国のリーダー選びに参加できる国とそうでない国では、盛り上がり方が違うのもいたしかたありません。世界の新しいリーダーと互角以上にやりあうには、日本国民の期待を背負っていると胸を張れるリーダーを選んでほしいし、私は自民党員ですからそういう気持ちで総裁選に臨みたいと思います。
(鈴木)陽子さんご自身も、来るべき総選挙に向け、イメージを一新しましたね。
(上川)「未来への責任」というキーワードを掲げました。この言葉に込めた思いは、いずれ、じっくりお話したいと思っています。
そろそろお時間になりました。最後までおつきあいくださったリスナーのみなさま、本当にありがとうございました。それでは、次回までごきげんよう。
*次回は10月2日の放送予定です。