かみかわ陽子のラジオシェイク第17回オンエア(2)静岡の新茶・静岡の歴史

2012-6-6 1:23 投稿者:  himawari

 6月5日(火)18時30分〜19時、FM−Hiでオンエアの内容、続きをご紹介します。

 

 

 

 
 
(鈴木)さて後半は静岡のお茶についてうかがいたいと思います。陽子さんは日頃、静岡市内のお茶の生産農家や加工業者の方々とのおつきあいも深いんですよね。今年の新茶シーズンを振り返っていかがでしたか?

 


 

(上川)今年は例年になくお茶の出来がよくて、作り手のみなさんも手ごたえを感じておられたようです。


 


 

(鈴木)私も今年の新茶は味がのっていて、香りもいいなあと思いました。


 


 
(上川)ところが問題は流通の部分です。昨年の3・11の後、いろいろありまして、静岡茶を大量に扱う、ある大手量販スーパーが、店頭販売のお茶は「九州産」、「静岡産」ラベルのお茶は扱わないそうです。


 


 

(鈴木)・・・それはまだ昨年の放射能の影響ってことですか?


 


 

(上川)そうなんです。風評被害ということだと思います。静岡茶の関係者は、今年の新茶シーズンを前に、万全の放射能検査体制をしき、加工場単位できめ細かく検査を行いました。静岡市茶業振興協議会によると、葵区、駿河区、清水区の市内28カ所で、今年の早出し新茶の放射性物質検査を行い、すべて検出限界未満だったと発表しています。


 

県内を見ても、今まで基準値をオーバーしたところは一カ所もありませんし、検出されずのお茶ばかりです。にもかかわらず、そのスーパーは買い付けゼロだそうです。消費者への安心安全を、他の店よりも強くアピールする上で、会社独自に設けた、いわばダブルスタンダードということだと思います。

 

 


 

(鈴木)静岡茶を普通に飲んでいる静岡市民からすると風評被害そのものですねえ。

 

 


 

(上川)お茶は静岡の農業の柱であり、静岡がお茶をどう売っていくか、全国、とりわけ東日本の農業関係者も注目していると思います。今の段階で言えることは、地元でまずしっかりと買い支えする、地元で美味しいお茶を召し上がっていただくということでしょう。
 私は毎年この時期、品評会に出すお茶の手摘みに参加させていただいたり、生産工場を訪問しますが、今年は八十八夜前の初摘みのお茶を、東京の知人にも多く送らせていただきました。


 


 

(鈴木)私もいつもより多く、県外の知り合いにお茶を送りました。静岡茶については、次回もう一度、新茶シーズンを総括する意味で取り上げたいと思います。


 

 
            ♪
 


 

(鈴木)東京国立科学博物館に万年時計を視察に行かれたとき、他にもいろいろ見てきたんですよね。


 


 

(上川)墨田区向島にあるセイコーミュージアム。ここはセイコーが収集した古今東西の時計が展示してあって、人間が時間というものとどう向き合ってきたのか、いろいろ学べるんですよ。世界で最初に造られた時計ってご存知ですか?

 

 


 

(鈴木)えーっと古代文明の時代ですか?


 

 
 
(上川)6000年前にエジプトで発明された日時計で、地面に垂直に棒を立てて、影の長さや角度の変化で一日の移り変わりを見ていたんですね。ミュージアムには、水時計、お香が燃える時間で計った香盤時計、砂時計などなどアナログな時計から、ヨーロッパで発達した機械時計、日本の和時計など、面白い時計がいっぱいあります。

 セイコーが誇る最新モデルや、オリンピックで使われる計測器も見られます。予約が必要ですが、入場無料でスタッフの方がつきっきりで丁寧に説明してくれます。ぜひお子さんと一緒に行かれるといいと思います。


 

 


(鈴木)浅草にある阿部川町というところにも行きましたね。


 

 

(上川) 阿部川町って静岡の安倍川にちなんだ町名なんです。黒澤脩先生の解説によると、安倍川を渡るときに難儀していた徳川家康の一行を、孫三という男が救って無事渡ることが出来た。その後、家康は孫三に礼をしようと家臣に探させたんですが、該当する人物が見つからない。調べてみると安倍川のほとりに「孫三」という名の祠があり、稲荷の化身が家康の安倍川越えを助けてくれたんだと思った。のちに、家康が関東に入国した際、一緒に移住した駿府の住民が故郷の川の地名と孫三稲荷も移し、以来、家康と浅草住民は孫三稲荷神社を篤く信仰した・・・とのことです。


 

(鈴木)・・・そんな歴史秘話があったなんて、知りませんでした。東京には家康を介して静岡のいろんなものが残っていそうですね。

 


 

(上川)そうなんです。我々静岡市民も、もっともっと郷土の歴史を掘り起こし、それを、東京を巻き込んで発信してこそ、徳川家康と駿府というまちの存在が浮かび上がれるんだと思います。いずれこの番組でも取り上げていきたいと思っています。


 

 
 
(鈴木)私も歴史が大好きですから楽しみにしています。


 


 
(上川)そろそろお時間になりました。最後までおつきあいくださったリスナーのみなさま、本当にありがとうございました。それでは、再来週までごきげんよう。


*次回は6月19日(火)18時30分〜オンエア予定です。