4月17日(火)18時30分からオンエアの『かみかわ陽子ラジオシェイク』の内容を、2回に分けて紹介します。
新東名のインターチェンジやサービスエリアは、静岡市内にもいくつかありますね。単なる乗降ポイントではなく、周辺地域との連携が図れるような仕掛けがいっぱいです。単に乗り降りやトイレ休憩だけの目的から、それぞれが個性をもっていろいろのサービスが提供できるよう、それぞれが拠点として大きな顔をもっているんです。今、新静岡インターチェンジに近い「鯨が池周辺」の地域活性化をお手伝いしようと、いろいろプランを練っているところです。ビジョンがかたまったら、ぜひ番組でも紹介したいと思います。
(高田)さすが、先を見据えて行動する陽子さんですね。新東名のお話、楽しみにしています。ではここからは聞き手のコピーライター鈴木真弓さんにバトンタッチいたします。
(鈴木)コピーライターの鈴木真弓です。どうぞよろしくお願いいたします。新東名のお話は、私自身も実際に走ってからじっくりうかがおうと思います。今日はまず映画のお話から。今、イギリスのサッチャー元首相の半生を描いた『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』が公開中ですね。ご覧になりましたか?
(上川)ええ、さっそく83歳の母と一緒に、映画を見に行きました。サッチャーさんは、伝統ある英国議会に、女性政治家の先駆けとして駆け上がり、ヨーロッパ初の女性首相として11年間にわたり活躍されました。サッチャーさんが政権を引き継いだ当時のイギリスは、国内的には不況と労働者の雇用問題が死傷者を出すまでに深刻化し、対外的にはアルゼンチンとのフォークランド紛争が発生するなど、内憂外患の時代でした。
フォークランド紛争発生直後のことです。仲裁に入ったアメリカの国務長官に、「あなたには戦争体験がない」と、譲歩を勧められたサッチャーさんは、即座に「私には一日たりとも闘わない日はなかった」と反論するのです。女性の政治家がまだ認知されていなかった草創の時代に、幾重もの重い扉を開け続けた先駆者の闘いぶりを象徴する場面です。
(鈴木)ずっと支えてこられたご主人への思いが丁寧に描かれていましたね。
(上川)政治を志す者は、女性も男性も同じだと思いますが、身近な家族や仲間の存在がどんなに大切か。あの映画は娘さんの手記をもとにした実話なんですが、母と娘の葛藤の描写も生々しく、まだご存命のサッチャーさんの「老い」をあそこまで赤裸々に描いたことには、若干、複雑な思いもしました。
(鈴木)単なる映画ファンから観ると、ドラマティックな晩年の姿で、演じたメリル・ストリープも、さすがアカデミー主演女優賞の演技だなと感心しましたが、女性政治家の視点で観ると、心が痛む表現だったかもしれませんね。
私にとって、サッチャーさんが世界で活躍されていたまさにその頃、ふるさと静岡へ戻り、政治の登竜門をくぐろうと必死の活動を始めていました。未来の可能性を切り拓く勇気を、サッチャーさんは全世界の女性たちに示し続けてくれました。その意味で、『マーガレット・サッチャー 鉄の女』は、今なお健在だと思うんです。私も、「日本のサッチャーさんになってね」って、支援者の皆さんからずい分励まされ、勇気と力を今もいただき続けているんです。(つづく)