9月25日(日)8時30分より、FM−Hiにて『かみかわ陽子ラジオシェイク』第6回がオンエアされました。
(上川)本当に早いものですね。9月に入り、土・日はもっぱら地域の敬老会にお祝いに行っています。
先々週の土曜日は、6か所の敬老会をはしごしましたよ。千代田東の敬老会では、敬老対象者は約1,000人のうち、何と500人の皆さんが参加され、本当に盛り上がっていました。お元気そのものでしたね。
ちょっとうれしかったことを紹介しますね。先日、ある会で「毎月出勤の車の中で、FM?Hiで番組を聴いていますよ」。繋がっているなって感じがして本当にうれしかったです。今日、聞いていただいているリスナーの皆さん、どこかでそんな出会いがありますように……、祈っています。
(高田)さあ、うれしいリスナーのお声が届いたところで、ここからは聞き手のコピーライター鈴木真弓さんにバトンタッチいたします。
(上川)改めまして、みなさんおはようございます。上川陽子です。ラジオシェイク、今日も30分、よろしくおつきあいください。
(鈴木)おはようございます。ラジオシェイクのヨーコ秘書ことコピーライターの鈴木真弓です。よろしくお願いします。
陽子さん、先月の放送では陽子さんが80年代にハーバード大学に留学し、政治や経済を担うリーダーシップについて学んだお話をされましたね。そのときの経験を活かし、今月、静岡市内でハーバード流白熱教室を開かれたそうですね。
(上川)教室というとおこがましいんですが、静岡というまちを元気にしよう。それには、具体的事例をとりあげ、集まってくれた市民のみなさんと、テーマを決めて意見を闘わせてみたいと、チャレンジしてみました。
私がハーバードへ留学していた80年代は、日本は経済的にも絶好調の時代でしたが、すでにさまざまなほころびが見え始めていたと感じていました。危機というのは調子のいい時から兆しがあるんです。リーダーというのは、危機を察知し、リスクを回避する、あるいは危機が避けられないときにどう対処するかを、調子のいいときからきちんと考えておかなければなりません。そんな思いで始めました。
(鈴木)さて、白熱教室はどんな内容でしたか。
(上川)まず、私の方から、世界からみた日本についてお話をしました。その時取り上げた面白いデータをご紹介します。
アメリカに、ユーラシア・グループというコンサルタント会社があります。この会社は現在41歳になるイアン・ブレマーという人が27歳のとき、たった一人で始めたベンチャー企業ですが、今や世界中に100人のコンサルタントを抱え、毎年1回、『世界の10大リスク』を発表するグローバル企業に成長しています。これが大変注目されているんです。
一昨年、日本は、政権交代劇がおこり民主党政権が誕生しましたね。そして昨年、『世界10大リスク』の第5位に、なんと「政権交代後の日本の政治」がランクインしたのです
(鈴木)そのお話をうかがって興味を持ち、「世界の10大リスク」をネットで検索してみたんです。1位は米中関係、2位イラン情勢、3位・4位とニュースを騒がせる世界の政治経済の問題が続き、5位に日本の政治、6位に世界の気候変動となっていました。国際的に見て日本の政治は、地球の気候変動よりもリスクが高いという認識なんですね・・・。驚きました。
(上川)日本の政治がなぜ、5位に挙げられたのでしょうか。日本の現状については、私たち日本人が一番よく知っています。
少子化・高齢化が進み、日本はたそがれの国。団塊世代は来年65歳、稼ぎ手の第一線からはずれ、年金を受給する年齢になります。一挙にですね。
年金、医療・介護などの社会保障費は、毎年1兆円規模で膨らみ、国の財政は火の車。借金は900兆円とも1000兆円ともいわれ、ヨーロッパの財政破たん国家ギリシャの比ではない状態です。経済力は、世界第2位の座を、中国に明け渡し、教育力も世界のランキングの上位から転げおちています。
加えて、東日本大震災の復興と原発問題。円高も加わり、企業は悲鳴を上げ、日本を脱出し、空洞化が進むのではないかと、まったなしの危機状態が続いています。
これら問題はすでに予測されていたことで、どこに問題があるかもわかっている。しかし、決断できずに問題を先送りしているのが日本の政治です。まさに政治そのものが、最大のリスクだっていうことです。日本の政治は、あからさまに、海外から、英国病ならぬ「日本病」のレッテルを貼られるところまで落ちてしまったのです。
(鈴木)民主党政権では、3人目の内閣総理大臣が誕生しました。これで日本のリスクはどうなるのでしょうか。震災復興や原発事故対応という途方もないリスクが加わり、今年は何位にランキングされるのか怖い気もしますが・・・。
(上川)ランキングそのものに一喜一憂する必要はないと思うんですが、日本病をどう克服するのか。現状の課題と冷静に向き合うこと、そして現状を打破する力が必要です。これまで通りのやり方では、打破できません。発想を変えて、いろんな角度から考えてみることが必要です。
そこで、セミナーでは、ある会社の社長さんにご自分の会社のケースについて、発表していただき“まな板の上の鯉”になっていただいて、そこから徹底的に学ぶ機会を得ていただくことにしました。
セミナーの参加者はビジネスマンが多かったので、自分の仕事に置き換えてもらって、たとえば「取引先から納入価格を下げてくれといわれたとき、どうするか」「納期に間に合わないとわかったとき、どうするか」「開発した製品に欠陥があって事故が起きてしまった時、どうするか」といった課題を用意し、自分だったらどんな対応をするか考えてもらったのです。
時間が足りなくて十分なディベートにはならなかったのですが、みなさんに「考える」ということの意義は十分に伝わったと思います。
(鈴木)次回、第2弾があるということですが、楽しみですね。(つづく)