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かみかわ陽子

私の意見

私がめざす新しい国づくり

「一人ひとりが自立する。
 自立した個人が地域社会を支える。
 地域を愛する気持ちが自然にこの国を大切に思う」
かみかわ陽子は、そういう国づくりをめざしています。
(私の選挙公報より)

月刊誌「世界と議会」2000年11月号

衆議院議員選挙の候補者は、投票日までの間、新聞社などから数多くのアンケート回答を求められます。そうした中に必ずといってよいほど、「あなたの尊敬する政治家は?」という質問があります。私は、強く意識する政治家と断りながら、いつも「大久保利通」と回答してきました。この答えは多くの人に意外な印象を与えたようです。

大久保利通は冷徹非情の政治家としてのイメージが強く、一般にはとても不人気です。しかし明治以後の日本の基本的枠組みを作り上げた最大の功労者であることは間違いありません。廃藩置県を断行し、官僚制度を基礎とした近代的な中央集権国家を築き、彼の敷いたレールの上を日本は百三十年間も走り続けているのです。確かに、有能な人材を中央に集め活用を図ったことは、近代化が遅れていた日本を急速に経済発展させる上で有効でした。また帝国主義に支配された当時の国際環境を思えば、日本が生き残るためにそれ以外の選択肢はなかったともいえるでしょう。

私は、国のあり方には「カニ」型と「人間」型の二種類あると考えています。「カニ」型とは、硬い殻で外敵から身を守り、その中で平和と繁栄を守ろうとする行き方です。つまり国の安全が確保されれば、その中で会社が利益をあげ、会社が利益をあげれば、家計が豊かになり、家計が豊かになれば家族が幸福になれるはずだという国家観です。しかし私たちはすでに、国が繁栄し、会社が利益をあげ、家計が豊かになっても、自分や家族が幸せになれるとは限らないことに気づいています。これに対し、「人間」型は、何よりもまず自立した「個人」という硬い背骨が中心にあり、その周りを家庭や地域社会、企業という筋肉、さらにその外側を国という皮膚が取り巻き、薄い皮膚を通して世界と接する姿です。「人間」型では、一人ひとりが自分の家族や地域社会を愛し、そうした気持ちが自然に自分の国を大切に思うことにつながるといった国のあり方です。「一身独立して一国独立す」と主張した福沢諭吉が目指したのは、まさにそのような国づくりだったのではないでしょうか。

私は明治維新以来続いてきた「カニ」型日本を「人間」型日本に作り変えていくべき時代が到来しつつあると考えます。そして、二十世紀から二十一世紀へと橋渡しする私たち世代には、大久保利通を乗り越え、新しい時代を切り開いていく使命があります。そうした新しい国づくりの鍵は「地域社会」の中にあり、そこから日本を組み立て直していく以外に再生の道はないといっても過言ではありません。

私はこれまで七年間、ふるさと静岡で多くの友人とともに環境リサイクルや農業、教育、地域興しに正面から向き合い、活動を続けてきました。そして地域活動の中に日本再生への確かな手応えを感じています。無所属で中央とのパイプを持たない自分が当選できたのも、地域の中で自らの意味(アイデンティティ)を問い直そうとする多くの有権者の支持によるものです。そうした地域からの声を全国へ、全世界へと発信していくこと、それが国際化時代の新しい国づくりの出発点であると私は確信しています。

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