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かみかわ陽子

論文・対談・投稿・マスコミ

 

少子化対策 ― 参院予算委で初答弁

2007年10月16日

2007年10月17日付 静岡新聞

「少子化対策へ意識改革」

― 上川担当相初答弁―

上川陽子少子化担当相(自民、静岡 1区)は16日の参院予算委で、大臣としてはじめて答弁に立った。少子化対策の施策展開の考え方などを問われ、「(施策の)効果を評価しながら進んでいくことが大事」と強調し、「子どもを安心して生んで育てられ、子どもを地域社会全体で支えることができる意識改革を、大きな国民運動として一歩一歩前進させたい」と決意を示した。

初答弁を終えて「訴える側と実現する側の立場の違いを実感した」と振り返り、「質問者が国民の代表であり、目を見ながら答弁した。すべての人が(少子化対策に)協力してほしいというメッセージを込め、母親の代表として発言したつもり」と表情を和ませた。

 

<議事録からの抜粋>

○島田智哉子君<民主党>    今からちょうど二年前ですが、大臣が衆議院の予算委員会において少子化対策、子育て支援について御発言されております。その中で大臣は次のようにおっしゃっておられます。「平成十八年度の予算の中に具体的に、国民の皆さんが前向きに子供を大切にする社会、あるいは子供を産んで、みんなでその成長をはぐくみながら、そして私たちの日本の国をつくっていく社会、こういうことにみんなで協力していただくためにも、相当思い切った施策をしていくべきだというふうに考えております。予算の概要を少し見せていただきますと、そうした気持ちが前面に出ている姿にはなっていないということでございまして、その点でも骨太の方針とは何なのかなというような思いもしているところでございます。」と。
 大臣、二年前を振り返っていただき、当時の少子化対策、どのようにお感じていらっしゃったのか、お聞かせいただきたいと思います。


○国務大臣(上川陽子君)  今委員から御指摘がございましたが、ちょうど今から二年前ということで、十七年の十月に衆議院の予算委員会で少子化の質問をいたしたことを今思い出しまして、感無量の思いでございます。
 当時、私自身も、先生もそうですけれども、二人の子供を育てながら議員活動をしてきたと。そして、たくさんの国民の皆さんがそうした私の姿を見て、子育て支援ということについては頑張っていただきたいと、そういう声をたくさんちょうだいいたしました。その当時は、ちょうど自民党の女性局長を仰せ付かっておりまして、全国の女性部の皆さんと一緒に政策対話をしようと、その中でも特に少子化の問題については提言をするところまで皆さんの意見を集約していこうということで、この路線がこの数年も続いているということで、大変うれしく思っているところでございます。
 そうした視点から見てみましたときに、当時の状況、骨太の方針の中に、国の大事な施策として少子化の問題が取り上げられてはいましたけれども、施策の面のメニューの問題、そしてそれの普及の状況についてはまだまだ不十分だなということを感じておりましたので、そのことを改めて予算委員会の折に申し上げさせて、指摘させていただきました。当時の大臣、いずれも前向きに取り組んでくださるということでございましたけれども、この間、今の時点に至るまで、施策のところをいろいろ見てみましても、少しずつその声が生かされてきているなというふうに思っておりますが、まだまだ十分ではないというふうに認識をいたしております。


○島田智哉子君  相当思い切った施策をしていくべきと、正に御自身が担当大臣になられて、来年度予算の概算要求の内容が明らかにされておりますが、相当思い切った施策は実現されているとお考えでしょうか。


○国務大臣(上川陽子君)
 概算の要求に対してこれから予算委員会等で議論が進められるということでございますので、これからの議論、大変大変大事だというふうに思っているところでございますが、私は、これまでの施策の様々なメニューについても、この際、いま一度再点検をして再構築をしていく、大変大事なことではないかというふうに思っております。
 出生率そのものは大変大事な、少子化の問題が国の大変大事な柱であるということが問題視された一九九〇年代、このとき一・五七ショックということでございましたが、今一・二六と。昨年は一・三二に少しリカバーしたということではありますが、しかし今年一月から七月の速報値を見ても一・三二ということで、なかなか下げ止まらないという状況がございます。そういう意味では、この間やってきた施策そのもののもう一段の評価をした上で、この下げ止まらない状態について真摯に問題を見直していくということが大事ではないかというふうに思っております。
 と同時に、金銭的な、経済的な支援ということのみならず、私たちの社会の中にあるいろいろな問題、例えば働き方の問題。お父さんに育児に参加していただきたいと思っても、なかなか企業の中でそうしたことが実現できない。また、育児休業制度の部分については、取りたいと、制度はあるけれどもなかなか取りにくいというようなこと。つまり、働き方を中心にしてもう一段ワーク・ライフ・バランスと。仕事とあるいは子育て、また地域の中での生活の環境、こういったものをバランスさせていくような形で社会全体が子育てをする環境づくりをしていかなければ、経済的支援だけではなかなかこの出生率の下げ止まりが回復していくことができないんじゃないかというふうに思っておりまして、六月に「子どもと家族を応援する日本」重点戦略ということで中間報告が取りまとめられましたので、この線に沿いまして、この秋までに施策の体系をしっかりと整えていく。
 そういう意味では私自身抜本的と、いろんな意味で抜本的なことであるということで思っておりますが、少子化の問題が国家戦略の大変大事な柱の一つというふうに感じておりますので、これからも精一杯、秋口に向けての努力を積み重ねていきたいというふうに思っております。


○島田智哉子君  私からいたしますと、残念ながら大臣がかつて御発言された相当思い切った施策というものが打ち出されているとは思えないんですが、先ほど、二年前の大臣の御発言の中では具体的な提言もなさっていらっしゃいます。その中で、子供が生まれた年には所得税や住民税は無料にしてほしい、あるいは小学校へ上がるまでは医療費につきましても無料にしてほしいというような大胆な政策の提言を全国挙げてさせていただいているところでございますと。大胆な政策提言とおっしゃっておられますが、この当時、御提言されていたその御趣旨についてお聞かせください。

○国務大臣(上川陽子君)  当時の女性局としての提言というところの中に大変思い切った提言をまとめさせていただいて、それを政府の方に要望をさせていただいたところでございます。それこそ、その当時、アンケート調査をいたしまして、一万人近い方から御意見をお寄せいただきましたし、また同時に、全国の中でもミニ集会等を開かせていただきながら様々な御要望をいただくことになりました。そして、それを踏まえた上で提言をさせていただきました。
 私は、その実現に向けて重ねて努力をしていくということは大事ではないかと思います。その政策の中身についてもいろいろな視点から検討をした上で、そして着実に少しずつ前進し、そして時々の、折々の中でその効果ということについても十分評価をしながら進んでいくことが大事であるというふうに思っております。
 今、担当大臣になりまして、これまでの取組、とりわけ十七年の十月からこの三年間において、育児休業の取得の部分におきましての所得の保障の問題も五〇%ということで上乗せされたり、あるいは育児手当につきましては乳幼児加算をして厚くしていくというような制度も取り上げられておりますので、こういったこともすべて、私たち女性局として提案したことの中に含まれております。
 そういう意味では前進をしていると私は思っておりまして、このことがしっかりと皆さんに理解していただき、そして利用していただいて効果を発揮するような形で、そして同時に、大変大事なことは、子供を本当に安心して産んで育てる、そして同時に、子供は私たち国の希望でありますので、そういう意味で、希望をしっかりと地域社会の中で支えていくことができるような、そうした意識の改革と、また同時に、どの地域にいても希望を大切にしていくことができるような、そういう応援を地域社会全体で、また地域コミュニティーの中でもつくっていくことができるように、そういう意味では大変大きな国民運動になろうかと思いますけれども、一歩一歩前進していきたいというふうに思っております。

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