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犯罪被害者 PT |
裁判員制度小委員会 |
●6月24日付
海洋基本法が来月施行―― 海守る責務 県民にも
「海は人類が生命を維持する上で不可欠」。 38条からなる海洋基本法の冒頭、人類にとって海がいかに大切かを訴えている。特に、四方を海に囲まれている日本にとって、まさに生命線。7月には海洋担当相を任命するほか、内閣に総合海洋政策本部を設置し、首相が本部長に就く見通しだ。本県は海とのかかわりが深いとして、県内選出国会議員の上川陽子(静岡1区、自民)、大口善徳(比例東海、公明)、細野豪志(静岡5区、民主)の3氏が法制定に携わった。3氏は「本県と海は密接。県民が海の将来を考えるきっかけに」と口をそろえる。
●危機感背景に
当初、政治家の海洋基本法制定への関心は低かったという。「あ、そうですか」。海洋政策研究財団が 2002年、政策提言を政府に提出した際、受け取った福田康夫官房長官(当時)の反応は驚くほど冷ややかで、政治目標には上らなかった。
同財団の寺島紘士常務理事は「海洋政策といっても、多省庁にまたがっている。縦割り行政がネックになっていた」と指摘する。ざっと挙げても、国土交通(海上保安)、文部科学(教育、技術開発)、農水(水産)、防衛(安全保障)、経済産業(貿易)など、連携は困難とされた。
しかし、 05年、中国が東シナ海の日本との中間線付近で、海底ガス田の開発に着手し、政治家の認識は一変する。中国の行為は日本のEEZへの“侵入”との見方が広まった。「日本の海洋資源を守らねば」。一気に海洋基本法制定に向け、機運が高まった。
「中国のガス田の試掘が政治家、役所の意識を改めるきっかけになった」と寺島常務。同財団は 02年の提言を具体化させ、05年に安倍晋三官房長官(当時)に改めて提出した。海洋基本法は超党派の議員立法として今年4月に成立した。EEZ内の試掘作業の安全確保を目指す海洋構築物安全水域設置法も成立した。
海洋基本法第 19条には、「排他的経済水域におけるわが国の主権的権利を侵害する行為の防止に必要な措置を講ずる」とある。日本が初めて、“海を守る”と内外に明確な姿勢を打ち出した。
だが、日本の行動は諸外国と比べ、遅れているという。民主党海洋法制プロジェクトチームの事務局長を務めた細野氏は「 10年遅れている。政治家の認識に温度差があった」とみる。1994年、沿岸国の200カイリのEEZと12カイリの領海を決めた国連海洋法条約が発効したのを受け、カナダや米国などは既に関連法を制定している。
日韓が領有権を主張する竹島周辺では、韓国が日本の EEZ内に入り海流調査を行なったり、北方領土沖では日本漁船がロシア国境警備隊に拿捕されたりと、海洋をめぐる対立は後を絶たない。細野氏は「国家の危機は海から来る。縦割り行政を解消し、海洋政策の一元化を急ぐべき」と言う。
●生物遺伝子も宝
日本の管轄海域(領海および EEZ)は約450万平方キロメートルで、世界で6番目に広い。「この資源を有効に生かさないと」と口をそろえるのは海洋基本法研究会メンバーの上川、大口両氏。
海洋政策研究財団が 05年にまとめた提言では、「海洋微生物、遺伝子資源は有益な資源」とし、海洋資源の開発を進めるよう求めた。世界的な水産物への需要増の伴い、乱獲による生態系の破壊を防ぐことも必要としている。
上川、大口両氏は海をめぐる身近な問題から県民は海洋基本法の意義をとらえるべきという。「(海洋基本法の意義は)安全保障から水産物の確保まで幅広い。本県の海域でも、南洋の魚が捕れるようになった。地元の海が変化していることを認識してほしい」と上川氏。大口氏も「本県は清水、御前崎両港を抱える“貿易立国”。絶えず海を見て生活している現実を見つめるべき」と話す。
(ご参考) 大陸棚問題をめぐるこれまでの活動
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大陸棚議員連盟メンバー(福田康夫会長)と海上保安庁測量船を視察 |




