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かみかわ陽子

論文・対談・投稿・マスコミ

2006 年 8 月 23 日

本日発売の月刊誌「マリ・クレール」 10 月号に、『緊急アンケート! 日本の女性議員に聞きました』が掲載されました。その中で私の回答も紹介されています。オンライン上で全文が読めますので、ぜひご一読ください。

http://www.hfm.co.jp/marieclaire/feature/0610/

 

 

月刊誌「マリ・クレール」 2006年10月号

緊急アンケート! 日本の女性議員に聞きました
あなたは首相になりたいですか?

いよいよポスト小泉レースが本格派。でも、首相候補には男性の名前ばかり。女性の名前が全く取り沙汰されないのは、寂しくもあり、不自然な気もする。海外では女性の首相、大統領が次々誕生し、昨年はドイツでも初の女性首相にアンゲラ・メルケルが就任。アメリカでは、次期大統領の最有力候補にヒラリー・クリントンの名前が挙がっているというのに。(中略)初の女性首相誕生なんて、まだまだ遠い先の話? そこで現役の女性国会議員へのアンケートを試みた(衆参合計 79名対象、回答31名)。政界は男性社会ですか? あなたは首相になりたいですか? 嬉しいことに、彼女たちの答えには、政治への熱意や、明るい未来志向が溢れていた。

敬称略。 1. 年齢  2. 当選回数  3. 党名  4. 所属院

 

上川陽子(かみかわようこ)

1. 53 歳  2. 3 回  3. 自民党  4. 衆議院
kamikawayoko.net/

Q.1

あなたが政治家を目指したのは、いつですか?

また、なぜ政治家になろうと思ったのですか?
  1980年代半ば、米国の大学院に留学した折、海外から日本を眺め、日本社会の改革の必要性を痛感したことが、その後政治家を志すきっかけとなりました。当時、日米関係は貿易摩擦が火を噴き、最悪の状態。政治家が自らの言葉で国益を主張し、意思決定できる力を持たないと、日本は国際社会で生き残れないと強く思いました。また私の学んだ大学院では、中国をはじめアジアからの留学生たちが、自国の将来を背負うエリートとして使命感に溢れ、猛烈に勉強していました。政治家が日本の将来に、よほどしっかりした展望を持ち行動しなければ、アジアの発展からも取り残されるのではないかと心配になりました。 
Q.2

あなたは、政治のどの分野・テーマに特に力を入れていますか?

また、その分野・テーマにおいて、是非とも実現させたい目標は何ですか?
  現在、総務省の大臣政務官として、行政改革、国と地方のあり方、行政評価などの仕事に取り組んでいます。地域格差が拡大するなかで、独自の個性を生かした地域社会の発展が可能となるよう、地方分権のための新たな仕組みを模索中です。このほか夜間医療、子育て支援、犯罪被害者の権利確立、海洋国家構想、都市と農山漁村の共生対流などのテーマに力を入れています。また国を超えた政治家同士の信頼関係が大切と考え、アジア各国の女性国会議員とのネットワーク作りも進めています。 
Q.3 目標としている、あるいは、憧れや尊敬を抱いている女性の政治家はいますか(外国人でも可)?その理由も教えてください。
  政治家ではありませんが、尊敬する先輩として元・国連難民高等弁務官( UNHCR)の緒方貞子さん。国際政治の厳しい現実に果敢に立ち向かい、紛争地域の多くの人たちの生命を救ったことは、同じ日本人として誇りに感じます。緒方さんが積み重ねてこられた努力は、日本がこれから世界の中で果たしていくべき役割や国のあり方を示唆しているように思います。
Q.4 政治の世界は「男性社会」とよく言われます。あなたはそう思いますか?あなた自身がそう実感した具体的なエピソードがあれば、教えてください。
  私自身は、女性ということで政治活動に制約を感じたことはありません。ただ昨年、自民党女性局長として、全国の女性党員の皆さんと活動を共にするなかで感じたことですが、それぞれの地域で女性たちがPTAやNPO活動に熱心に取り組んでいるにもかかわらず、それら組織のリーダーは男性というケースが多く、女性自身がリーダーになることをためらっている傾向が見られます。また、NPOで女性がトップを務めるケースも、扱うテーマは福祉や子育てなどに偏り、安全保障や平和などの分野は、依然として男性が中心のようです。これからは女性たちが活動してきたなかから、自然に押し出されるかたちでトップを務めるとともに、これまで男性が中心になっていた分野にも積極的に進出していく必要があります。活動範囲が広がっていけば、女性がさらに社会で認められるようになり、自然に次の段階に進めるという気がします。そのためにはまず女性自身の意識改革が必要ではないかと思います。 
Q.5 女性が日本の総理大臣になったら、何がいちばん大きく変わると思いますか?
  日本の女性たちに自信と目標を与えることになると思います。国際的にも「日本が変わった」という強い印象を外国の人たちに与えるでしょう。「軍事大国を目指さない」という私たちが戦後一貫して守ってきた国是が、周辺国の人々により理解されやすくなるのではないでしょうか。 
Q.6 日本にまだ女性首相が誕生していない最大の理由は何だと思いますか?
  すでに国民の間には女性総理の誕生を期待する気持ちが高まっています。しかし、政治家としての実力(見識とリーダーシップ)という点で、現状は女性政治家の経験の蓄積がまだ十分といえず、国民の期待感と女性議員のキャリアアップの間にタイムラグがあるように思います。しかし今後 5年か10年のうちには、実力を備えた女性総理大臣の誕生が現実のものとなるのではないでしょうか。
Q.7 あなたは日本の首相になりたいと思ったことがありますか?なりたいですか?
  目標を高く掲げ、努力していきたいと思っています。
Q.8 政治家だからできることは何ですか?
  国の統治の基本である議会制民主主義の下、選挙で選ばれた国民の代表としてその付託にこたえ、国が直面している困難な問題を解決する。そのために政策を立案し、法律を制定することは、政治家に課された仕事です。さらに国民ひとりひとりが、日本という国に生まれ、かけがえのない存在として幸せで充実した人生を送ることができるよう、また日本が世界のなかで信頼され、尊敬される国として国際社会のほかの国々と協調発展していけるよう舵取りすることは政治家の使命であり、大変やりがいのある仕事です。 
Q.9 政治家になってよかったと思うのは、どんなときですか?
  長年、社会から顧みられることなく、苦痛と困難を抱えて孤立していた犯罪被害者の皆さんと出会ったことがきっかけでした。彼らが精神的・身体的被害から回復し、一日も早く平穏な生活へ復帰できるよう、私も無我夢中で活動しました。その結果、 2004年12月、国の責任による犯罪被害者の権利利益の保護をうたった「犯罪被害者等基本法」を、議員立法で成立させることができました。犯罪被害者の皆さんが心から喜ぶ姿に接したとき、政治がひとりひとりの「小さな声」にしっかり向き合うことの大切さを実感しました。その感動が、苦しいときに私を支える政治活動の原点となっています。 

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