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かみかわ陽子

論文・対談・投稿・マスコミ

雙葉学園 同窓会だより

パリ視察記

                                                     

総務大臣政務官・衆議院議員 上 川  陽 子

バカンスシーズンに入り観光客であふれる 7 月下旬のパリ市は、私にとって 3 年ぶりの訪問である。今回の海外視察は、昨年私が自民党女性局長のときに手がけた「子ども Happy プロジェクト」の一環として、「少子化対策」のためのヒントを得ることを目的に実施された。全国から 70 名の女性リーダーが参加し、スウエーデンとフランスを駆け足で訪問、少子化問題の克服に成果をあげつつある両国の家族政策の現状を肌で感じることができた。

出生率が上昇しているヨーロッパ諸国の中でも、とりわけ注目されるのがフランスである。フランスの出生率は現在 1.92 。政府担当者にとっては自慢の数字である。フランスの家族政策はここ十数年段階的に幅を広げ、現在 3 つの目標が掲げられている。@子どもを持つか持たないかはカップルの自由な選択であること、A仕事を続けたい母親のために環境を整備すること(育児期の母親の就業率は 8 割)、B希望する育児方法の選択肢を親に提供すること。これらの目標を実現するため、乳幼児と両親のための政策として社会保障基金を財源に、出産・育児休暇制度、家族のための税制・各種家族給付、多様な育児サービスがきめ細かに整備されている。

今回、行政のトップや民間の家族支援団体のリーダーから説明を受け、全体の動きを大きく捉えることができた。またパリ市内の保育所を視察した折に、保育士は看護師の資格が必要であること、病児も受け入れていること、子どもの生活リズムを大切にした保育をしていることなどを聞かされ、子ども中心の子育て支援である点が印象的であった。さらに、国際結婚しパリで仕事を続けながら子育て中の若い日本人ママたちの話からは、休暇の多い社会風土の中、公的支援のみならず、友人同士や親の協力などでやりくりしている現状が窺え、どんなに制度が整っていても、やはり地域や家族の協力がないとうまく回らない現状も知ることができた。

家族のあり方や子育て方法にはお国事情の違いがあるにしても、子ども中心の家族政策については大いに学ぶべき点があるのではないだろうか。

 

視察団の皆さんを前に(パリ日本大使館)

 

フランス政府の説明を聞く

 

パリの保育園を視察

 

視察団の皆さんと

 

パリで子育て中の日本女性と

飯村駐フランス大使と

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