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かみかわ陽子

陽子日誌

 

自衛隊のイラク派遣問題

2004年1月18日

明日19日より通常国会が開会されます。今国会中、私は毎週1回、静岡市内において街頭演説を行なう予定です。そうした機会を通じ、歴史の分岐点にある日本の政治が今、直面している問題について、市民の皆さんにご理解を求める所存です。その手始めに明日早朝、静岡駅南口駅前で今年初めての街頭演説を行ないます。テーマはイラクへの自衛隊派遣問題。今年最大の政治課題です。

一昨日、陸上自衛隊の先遣隊がイラクに向けて出発しました。彼らを見送る隊員たちの家族の表情がテレビ報道されていました。私を含め国民の多くは、まるで自分の家族や友人を見送るような気持ちで見守っていたのではないでしょうか。私も隊員の皆さん全員の無事な帰国を心から願っています。

派遣された皆さんに私が強くお願いしたいのは、勇気を奮って無理に成果をあげようと功をあせるのではなく、「慎重の上にも慎重に」行動していただきたいということです。伝えられるところでは、イラク現地の情勢は大変きびしく、不測の事態も十分起こりうるとのことです。この点がこれまで自衛隊が派遣された国連PKO活動などとの大きな違いです。場合によっては自衛隊員が正当防衛上、止むを得ずイラク人を殺したり、また逆に自衛隊員がテロに巻き込まれて死亡するといった事態も予想されます。そうした場合、現在、オランダで問題になっているように、日本においても自衛隊の活動に対し世論の批判が高まることが懸念されます。とりわけ今回の自衛隊派遣については国論が二分されているだけに、国内で激しい議論が巻き起こるに違いありません。

そうした状況の下で私が小泉総理に強く求めたいのは二つのことです。第一に、今回の自衛隊派遣の目的である「人道的観点からの復興支援活動」が事実上不可能と判明した場合には、勇気をもってただちに自衛隊を引き揚げさせてほしいということです。法治国家である以上、総理大臣であっても日本の法律を破ることは許されず、決して憲法やイラク特措法の枠を踏み越えてはなりません。「引き揚げ」という決断には、派遣を決定する時以上に難しい判断と政治的勇気が求められます。小泉さんに冷静かつ果断な対応をぜひお願いしたいと思います。

第二は、アメリカが速やかに国際協調の枠組みに復帰し、国連中心のイラク戦後復興を進めるよう、日本としてこれまで以上に強くブッシュ政権に働きかけることを求めます。本年6月にはイラクの主権がアメリカからイラク国民に移譲される予定ですが、アメリカが国連に対しどこまで積極的な関与を求めるのか、いまだにはっきりしません。日本は英国やオーストラリアなどとともに、アメリカ政府に対し国連と協力するよう強く促すべきです。今こそそうした日本独自の外交に懸命に取り組むべき時期だと、私は考えています。

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