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かみかわ陽子

活動報告国会活動

 

自民党・夜間医療問題の勉強会を立ち上げ

2006 年 3 月 8 日

本日、自民党看護技術者対策議員連盟(会長:津島雄二衆議院議員)のもとに夜間医療に関する勉強会を立ち上げ、座長に就任しました。この勉強会は現在の医療制度の中で盲点となりがちな夜間医療の問題点をさまざまな角度から検証し、医療の安全向上や医療従事者の職場環境改善に結びつけることをめざしています。そうした問題意識の発端は、昨年 5 月に夜間医療現場を視察した際の私自身の体験でした。その時の報告が日本看護連盟発行の「連盟通信」に掲載されていますので、ここでご紹介します。

 

日本看護連盟発行「連盟通信」 2005 年 10 月号

 

夜間医療の現場を訪問して

衆議院議員 上川 陽子

 

過日( 5 月 23 日)、静岡県看護連盟の白松会長のご案内で、静岡市内の2つの病院、静岡赤十字病院と静岡市立病院を訪れ、夜間の医療現場を視察する貴重な機会を得た。夜間病棟の看護の少数精鋭ぶりは想像以上で、医療リスクと背中合わせの環境の下、看護師さんたちがきびきびと、明るい表情で活動している姿が印象的であった。

 

今回、呼吸器内科、血液内科、外科などの病棟を巡った。いずれも看護部長さんが案内してくださり、私の質問にも丁寧に答えてくださった。夜間看護の実態と課題などについて率直なご意見を伺うことができた。特に増大する看護量に対し絶対的な看護師不足であり、今一度人員配置(とりわけ夜間の)について検証する必要があることがわかった。医療事故を未然に防ぐためにも、安全とリスク管理の面から重要であると感じた点を5つあげる。

 

第一に、病院の情報管理はどのようになされているのだろうか。患者のモニター管理や刻々の治療・看護記録の集中管理など、まさにナースステーションは情報コントロールセンターである。個人情報保護法が施行され、患者情報の管理は厳格になっており、現場での徹底に神経を使っているようだ。交替時間が過ぎても看護記録の作成に追われる看護師が大勢残っており、こうした状況は常態化しているという。

 

第二に、医療事故を防ぐためにどのような対応をしているのだろうか。病棟での看護師の責任は重く、それだけに十分なリスク管理が要求される。病院では専門のリスク管理チームを編成しており、特に力を入れている様子が窺われた。しかし万が一医療事故が発生した場合の責任が現場に帰されるのであれば、余裕のある人員配置が基本になければならない。

 

第三に、夜間の勤務は激務であるが、どのような人員配置をしているのだろうか。現状、看護師の増員も簡単ではなさそうだ。診療科目と患者定数によって看護師の人数が細かく規定されており、救急医療などに力を入れると、他の科目への配置に問題が出てくるという。

 

第四に、夜間の看護師配置でどのような工夫をしているのだろうか。看護チームは、夜間次々に発生する複数の患者を少ない人数で担当しているため、多種多様な仕事を同時にこなさなければならず、ひとつの仕事をたびたび中断しながら進行することにもなる。中断された仕事を再開するときにミスが起こりやすく、現場では細心の注意を払っていた。

 

第五に、看護師が子育てしながらでも仕事を継続できる環境をどのように整えているのだろうか。経営上の負担から病院内の保育サービスを廃止する病院が増えている中で、静岡市立病院では看護師たちの強い希望が通り、保育サービスが維持されることになった。病院内保育園への公的な支援制度についても、さらに充実を図る必要がある。

以上、今回、夜間の医療現場を視察してみて、看護師の定数増員や労働環境・子育て環境の整備に国が支援することの必要性を強く感じた。現在、国では医療制度改革について本格的に議論が始まっており、この制度改革に医療現場の声を適切に反映させることが、国民の視点に立ったより良い医療サービスを実現するうえでとりわけ重要であろう。

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