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ラジオシェイクradioshake

第61回「新国立公文書館建設と平和祈念展示資料館」

<2014年5月6日オンエア>

 (上川)リスナーのみなさん、こんばんは。上川陽子です。

 (鈴木)コピーライターの鈴木真弓です。どうぞよろしくお願いいたします。今日は陽子さんが力を注いでおられる公文書管理についてお聞きしようと思います。2月下旬に新しい議連を立ち上げたそうですね。

 (上川)私がライフワークとして取り組んでいる公文書管理。この一環として、国立公文書館の新館建設を目指す超党派の議員連盟『世界に誇る国民本位の新たな国立公文書館の建設を実現する議員連盟』を立ち上げました。会長は谷垣禎一法務大臣にお願いしました。

 (鈴木)日本の公文書館は欧米に比べると手狭で活用しにくい、というお話、このラジオシェイクでも何度かうかがいましたが、いよいよ建て替えですね。

 (上川) 昨年私も国会に復帰し、公文書館建設問題が宙に浮いていた状態だと知り、予算を付けるよう政府に要請する活動を具体化させたところです。最終的に4700万円の予算を得て、新しい公文書館建設のための調査を行うことを政府に求めました。超党派でこうした動きを推進する母体として活動する予定です。

 (鈴木)静岡新聞の報道で、この議連の発起人に、上川陽子氏(自民、衆院静岡1区)、大口善徳氏(公明、衆院比例東海)、榛葉賀津也氏(民主、参院静岡選挙区)が名を連ねた、とありました。本当に超党派の活動なんだなと嬉しく思いました。

 (上川) 超党派で立ち上げるということにあたっては、関心を持っていただいた先生方に発起人になっていただくことができました。3月には公文書館ツアーも実施しました。憲法の原本、終戦の勅書といった大変重要な歴史的文書も保管されています。なんとか国民の皆さんに活用しやすい施設にしたいと考えています。議連としては、新館建設のほか、外交史料館や宮内庁の公文書館などに分散して所蔵されている公文書についても、デジタル素材として閲覧できるような機能を持った新館建設を目指しています。

 (鈴木)私は毎年、奈良の正倉院展を楽しみに観に行くのですが、正倉院は図書館、博物館、公文書館をひとまとめにしたようなすごい施設です。奈良時代にあれだけのナショナルアーカイブを造り、中国大陸や朝鮮半島ではとっくに失われた貴重な文物が1300年経た今も当時の原型のまま残っている。専門家がきちんと管理しているからです。もちろん今の国の公文書館とは内容や目的は違いますが、ぜひ21世紀の正倉院を造るぐらいの気構えで挑んでほしいですね。
(上川)通常、近代国家の定義の中に、図書館、博物館、公文書館がバランスよく配置されているということがあります。ぜひ公文書館を正倉院並みのナショナルアーカイブスにしていきたいと思います。

(鈴木)陽子さんが以前訪問されたヨーロッパの公文書館は、宮殿のような建物だったそうですね。日本の公文書館も、日本の歴史と伝統を感じさせる建物にしてほしいなと思います。

 (上川)現在、国立公文書館の本体は北の丸公園にあり、つくばに分館があります。本館も分館も書庫が満杯状態で、各省庁から集まる重要文書を収容できなくなる可能性があります。それほど時間的余裕はないんですね。谷垣会長からは具体的に新館建設の道筋をつけていくのが重要だとおっしゃっていただきました。外交資料館や宮内庁資料館に分散した資料もありますので、それらとネットワークできる機能も考えています。

(鈴木)どんな建物になるかわかりませんが、21世紀の正倉院になってほしいなと思います。

(上川)東京に来たら必ず立ち寄ってみたいと思えるような、ナショナルモニュメントとなるような施設にしたいですね。

            ♪

 (上川)ところで真弓さんは「平和祈念展示資料館」という施設をご存知ですか?

 (鈴木)いえ、戦争に関する施設ですか?

 (上川)平成12年に設立した国の施設で、総務省が民間に運営を委託しているんです。場所は東京・新宿住友ビル48階です。展示しているのは太平洋戦争に関する資料で、戦前の国内外の政治・経済状況から始まり、アジア・太平洋全域における戦線拡大の様子、「赤紙」による召集から軍隊生活、さらには終戦後の引き揚げやシベリア抑留などに至るまで、その過酷な実態等が様々な実物資料、グラフィック、映像、ジオラマなどでわかりやすく紹介しています。

 (鈴木)今まで行ったことのある戦争資料館といえば、広島の原爆資料館ぐらいでしょうか。新宿の高層ビルの中にそういう施設があるとは知りませんでした。

 (上川)広島の原爆資料館が、原爆の恐ろしさや被爆者の悲劇を通して平和の尊さを伝えるものだとしたら、この資料館は、戦地に赴いた人々の、戦争が終わってからも労苦(苦しくつらい)体験をされた、兵士、戦後強制抑留者、海外からの引揚者の3つの労苦を通し、平和を祈る施設といえるでしょう。多くの方々がご自宅で大事にされていた遺品類を寄贈されたのです。祈念資料館の【祈念】は、祈り念じると書く【祈念】です。総務副大臣として2月に初めて訪問させてもらいましたが、戦争経験者と思われる年齢の方がお2人いらっしゃって、じっと食い入るようにご覧になっていました。

 (鈴木)とくに印象に残った展示は?

 (上川)それぞれの場面で、聞いていたものと、ホンモノとでは印象が違うと思いました。赤紙といっても薄いピンク色だったんですが、これを実際に手にされた方はどんな思いだったんだろうと。私が1月に訪問したウズベキスタンでの、シベリア抑留者によるナヴォイ劇場建設の記録もありました。現地を見てきたばかりでしたので、目が釘付けになりました。展示コーナーには袖のない防寒外套というのがあって、シベリアの冬は零下3040度になるのですが、この外套の持ち主は飢えに耐えかね、現地の労働者が持っていたパンと外套の袖を交換したんだそうです。本当に見ていてつらかったですね。当時を懸命に生きた日本人一人ひとりの貴重な記憶や記録を次の世代につないでいく責任を強く感じました。

 (鈴木)ウズベキスタンのナヴォイ劇場建設のお話、以前、ラジオシェイクでうかがったとき、ひときわ心に残りました。もう一度紹介していただけますか?

 (上川)戦争が終わってシベリアに抑留された方の中で、ウズベキスタンの街の復興のため、労働者として駆り出された人々がいました。ナヴォイ劇場はボリショイ劇場と並ぶ国を代表する劇場で、日本人の強制労働者は建設に当たって一切手を抜くことなく、立派な劇場を建設しました。このことをウズベキスタンの人々は深く記憶していて、日本人のことを大変尊敬しているのです。大きな地震があったときもこの劇場だけがびくともしなかったと。私たちの先輩方が国のほこりを守って行動されたことが、今の日本外交の礎になっていることを忘れず、次の世代に伝えねば、と感じました。

 (鈴木)平和祈念資料館、グラフィックや映像資料も充実しているようですね。

 (上川)抑留者の証言ビデオがかなり残っており、生きた記録として大切にされています。お元気なうちに証言を残そうとされたことは、これから公文書館の建設に向け、大いに参考になりました。

 (鈴木)映像というのは一度に大勢の人にわかりやすく情報を伝えることが出来ます。ナヴォイ劇場のエピソードなどは映画化してもいいくらいですよね。

(上川)ウズベキスタンに行ったとき、ちょうどナヴォイ劇場の内装工事を行なっていました。完成時には日本人のこともスポットがあたるといいなと思います。

(鈴木)ところで陽子さん、今、プライベートで映画を観に行ったり、展覧会を見たりする時間ってあるんですか?

(上川)昨年観た映画ですが、『舟を編む』という作品が印象に残っています。出版社が国語辞典を編纂する物語で、辞書に載せる言葉ひとつひとつが、どんなふうに進化したのか、日常の中で拾い集めていく、地味ながら大切な仕事に取り組む人々の物語です。辞書というのは言葉の海を渡る舟、編集者はその舟を編む人、というわけです。

(鈴木)確か日本アカデミー賞を受賞しましたよね。それで名前を覚えています。

(上川)松田龍平さん、宮崎あおいさん、オダギリジョーさんが出演されて、なかなか見応えがありましたよ。これからも面白い映像コンテンツをいろいろご紹介していきたいと思います。

さあ、そろそろお時間となりました。最後までおつきあいくださったリスナーのみなさま、ありがとうございました。それでは次回まで、ごきげんよう。

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