かみかわ陽子ラジオシェイク第27回〜駅ビル開発にみる地域の個性・東京駅丸の内駅舎

2012-11-19 18:55 投稿者:  himawari

おまたせしました。11月6日18時30分よりFM-Hiにてオンエアのかみかわ陽子ラジオシェイク第27回の内容です。

 

 

 

 

 

(MC高田)陽子さん、こんばんは。


 

 


 

(上川)こんばんは。上川陽子です。


 

 


 

(高田)11月に入り、紅葉の見ごろを迎えました。各地の紅葉スポットは多くの観光客でにぎわっていることと思います。陽子さんの紅葉狩りの思い出というと・・・?


 

 


 

(上川)紅葉と聞いて思い出すのが、広島の「もみじ饅頭」ですか。冗談ですが、ちょっとのろけてもいいですか。夫が就職して、初めての赴任先が京都でした。20代前半の、まだ結婚しない前のことです。1年間文通しながら、ときどき京都を訪問・・・京都はどの季節も、何度行ってもあきないスポットたくさんあります。あらかじめ予約をしないと訪問できないスポットとして、秋の修学院離宮は本当によかったです。自然の山を丸ごと庭にした佇まいに、日本人であってよかったって心底思った大好きな場所の一つです。


 

 


 

(高田)静岡市の紅葉スポットといえば、梅が島温泉ですね。


 

 


 

(上川)梅ケ島は、安倍川の一番奥、源流に近い標高1000メートルの山あいにある秘湯の地です。ブナやカエデなど紅葉の種類も多く、県道梅が島街道を走ると、錦秋の世界に飛び込んでいくようです。


 

 


 

(高田)井川周辺もきれいですよね。


 

(上川)井川湖畔を巡る自然歩道を歩くと、湖面に紅葉が映って本当にきれいです。11月11日(日)には「井川もみじマラソン大会」が開催される予定ですよね。今年で29回を数える行事となりました。最近は、少し参加人数が減っているようです。ぜひ、リスナーの皆さんも、まるごと「秋の井川の自然」を楽しみながら、応援にお出かけいただきたいと思います。


 

(高田)今年は新東名を利用して、遠くからも紅葉見物のお客さんが増えるんじゃないでしょうか。ではここからは聞き手のコピーライター鈴木真弓さんにバトンタッチいたします。


 

 
 
 


 

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(上川)改めまして、リスナーのみなさん、こんばんは。上川陽子です。


 

 


 

(鈴木)コピーライターの鈴木真弓です。どうぞよろしくお願いいたします。行楽シーズンたけなわですが、陽子さんはなかなか遠くまでレジャーへ出かける時間はとれそうにないですよねえ・・・。


 

 


 

(上川)ないですねえ(苦笑)・・・、もっとも、わが静岡市は駿河湾から南アルプス赤石山脈まで広大な面積があり、海も山も街もバランスよく揃っていますから、地元にいながらいろんなレジャーが楽しめるともいえます。市内の支援者の皆さんのもとをくまなく廻れば、日帰り旅行をした気分にもなれるんですよ。


 

 


 

(鈴木)静岡市の面積は2003年に旧静岡市と旧清水市が合併して、それまでの日本一だった福島県いわき市、われわれもご縁のあるいわき市を抜いて日本一になったんですよね。2005年に岐阜県高山市が周辺9町村と合併して日本一の座を譲り、浜松市、日光市、北見市にも抜かれ、現在は全国で5番目の面積だそうです。


 

 


 

(上川)それら上位の市の中でも、県庁所在地は静岡市だけですから、静岡市の存在感や役割は大きいと思いますよ。とくに都市部と過疎地、沿岸部と山間部、対照的なエリアを機能的につなぐ新しい地域づくりが、ひとつの自治体の中で実験できるわけです。


 

 


 

(鈴木)ちょうど手元に、陽子さんが新たに作成した政策パンフレットがあります。タイトルに「静岡ではじめる日本の未来」とありますね。陽子さんが静岡市で実験してきたことが日本のモデルケースになる、そんな予感を感じさせます。


 

 


 

(上川)教育、農業、地域振興、エネルギー対策、中小企業振興など静岡市が抱える問題は日本の縮図のようなものです。国政を経験し、今こうして地域をきめ細かくまわり、政治が地域の暮らしをどう変えていくのか、地域で暮らしながら日本という国に明るい未来を感じてもらうには、どんな責任を果たすべきかをじっくり考える、とても貴重な時間をいただいていると思っています。


 

 


 

(鈴木)静岡のことを知り尽くした陽子さんには、多くの静岡市民が期待をしていることと思います。私自身は歴史や伝統や町並みや景観に関心があって、そういうものを大切にしている町を旅するのが好きで、静岡も、駅に降り立ったならここが家康公のお膝元、駿府城下町だったんだと実感できる、そんな駅舎や駅前通りになってほしいなあなんて思っているんです。


 

 


 

(上川)その町の歴史や文化をひとめで分かるサインのようなものが必要だ、との思いで、駿府静岡からくり時計のプロジェクトを立ち上げました。そのお話は以前、この番組でも取り上げたことがありますね。本当は静岡駅の駅舎そのものも、どこにでもある地方の駅ビルではなく、静岡らしいトーンやデザインにして、駅前の竹千代さんのモニュメントも、もっと目立つようにしたいところなんですけどね(苦笑)。


 

 


 

(鈴木)駅の建物って、その町の顔だし、初めて来る人にとっては第一印象そのものでしょう、なのに同じような商業ビルになっちゃうんですよね。博多と大阪の新しくなった駅ビルを利用したことがありますが、とんでもない規模のショッピングモールでした。


 

 


 

(上川)民営化後のJRのマーケティング戦略といってしまえば、それまでかもしれません。本来でしたら、駅に併設する施設はせいぜい飲食店かホテルぐらいで、できるだけコンパクトにして、街へ回遊してもらうようにすべきでしょうね。静岡のように駅から徒歩圏内に商店街があるコンパクトな街ならば、いろんな試みができると思うんです。


 

 


 

(鈴木)今の駅ビルパルシェぐらいの商業施設が適度な規模といえるでしょうか・・・。


 

 


 

(上川)静岡駅ビル・パルシェに食彩館という食品売り場があるでしょう。ちょうど成城石井とベーカリーショップに隣接した区画が、いわばフリーの催事スペースになっているんですが、そこで今月13日から18日まで、JA静岡市の女性部のみなさんがタッグを組んで、地産地消のフリーマーケットを開催するんです。似たような売り場がほかにもありますので、とりたてて珍しいと思われないかもしれませんが、駅ビルという商業施設の中で、民間の食品流通業者に囲まれながら、農家のお母さんたちが手作り野菜や加工食品を売るというのは静岡では画期的なことなんです。


 

 


 

(鈴木)そうですね、ああいう催事スペースって全国を巡回する催事業者か福祉施設の展示即売みたいなものが多いし、同じフロアの目と鼻の先には大きな野菜売り場もありますし、珍しい企画です。


 

 


 

(上川)農協の朝市やファーマーズマーケットと違い、お昼で売り切れ、なんて理屈は通用しません。駅ビル利用者のピークは時間差がありますし、とくに夕方、仕事帰りで夕飯の買い物をして帰るというお客さんも多いでしょう。こういう売り場に商品を供給していく体制づくりから何から、お母さんたちにとっては大きな挑戦だと思うんですよ。


 

 


 

(鈴木)大きなスーパーやコンビニのような物流システムがマニュアル化されているわけではないと思いますし・・・。


 

 


 

(上川)ちょうど今月は各地で農協祭や収穫祭のピークでもあります。ただでさえお忙しいお母さんたちが、このタイミングで駅ビルに出店するというのは、生産者の都合や理屈ではなく、売り場や消費者のニーズに合わせるという大きなベクトルの転換なんです。そういうことに果敢にチャレンジされるお母さんたちの勇気を、本当に頼もしく思います。


 

 


 

(鈴木)商品には絶対の自信をお持ちでしょうしね!                   


 

 


 

(上川)今回の出店で新しく出会ったお客さんが、ふだん活動しているファーマーズマーケットや朝市に足を運んでくれるかもしれません。こういうことが、都市部と中山間地の地域間交流につながるんです。駅というのは、地域を豊かにしていくきっかけの場、きずなの場になるんじゃないかと期待しています。


 

 


 

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(鈴木)さて駅ビルといえば、東京駅がすばらしく素敵になりましたね。


 

 

(上川)本当に絵になる、赤レンガ駅舎です。私も議員時代には静岡との往復で最も利用した駅です。ずっと工事中でしたら、完成が待ち遠しかった。東京駅丸の内駅舎は1914年(大正3年)に創建され、多くの人々に愛されてきました。設計したのは日本銀行本店の設計等で知られる辰野金吾ですね。


 

 
 
(鈴木)東京大空襲で破壊されてしまったんでしたっけ?


 

 
 
(上川)1945年(昭和20年)5月25日の東京大空襲で壊されてしまいましたが、終戦後の1947年(昭和22年)に一回り規模を縮小して修復されました。復員してきた海軍の技師が薄い木材で応急的に工事をしたそうですが、結局60年以上そのままになってしまったようです。1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化の時に再開発構想が提案され、赤レンガ駅舎の建て替え高層化か保全をするか検討課題になりました。そういうときに「赤レンガの東京駅を愛する市民の会」などによる赤レンガ駅舎保存の市民運動が起こったんですね。


 

 
 
(鈴木)はあ、東京駅も、今の大阪や博多のような高層ビルになっていたかもしれなかったんですね。


 

 
 
(上川)1988年(昭和63年)に政府が学識者の委員会による東京駅周辺地区再開発構想を取りまとめ、赤レンガ駅舎の現在地での形態保全の方針を決定したことで、JR東日本も本腰を入れ、本来の姿に復原することになりました。2003年(平成15年)には国指定の重要文化財にも指定されましたね。


復原工事では、鉄骨鉄筋コンクリート壁で増築して建築当初の3階建てに戻した上で、外壁、尖塔、南北両ドームの内外の意匠も再現することになりました。


 

 
 
(鈴木)・・・建設費は俗に500億円とも言われていますが。


 

 
 
(上川)新たに地下1・2階を増築し、最新の免震装置を設置しましたからね。工費を捻出するために、JR東日本などが「空中権の売買」をしたんですよ。


 

 
 
(鈴木)空中権ってどういうものですか?


 

 
 
(上川)建物の敷地面積に対する総床面積の割合を容積率といいますね。不動産の専門用語なんですが、都市計画など規制のかかった開発で容積率を増やしたいとき、隣接する敷地の間でしか認められません。


もっと広範囲で容積率を移転できる制度として2001年に「特例容積率適用地区制度」という制度が作られました。都市計画で一定の区域を定め、その区域内の建築敷地の指定容積率の一部を複数の建築敷地間で移転することを認める制度です。これによって隣接する敷地以外に、空中権も売買できるようになったんですね。

 

 アメリカでは未利用容積率を移転する権利=TDR?Transferable Development Right:移転可能な開発権として法制化されているんです。


 

 


 

(鈴木)なるほど。


 

 


 

(上川)これを適用したのが、東京都千代田区の「大手町・丸の内・有楽町地区特例容積率適用地区」(116.7ha)です。東京駅の駅舎敷地で未使用となっている容積率を、その周辺の新築ビル?東京ビルディング、新丸ビル、丸の内パークビル、八重洲側の南北グラントウキョウビル等に移転して、本来の容積率以上の高層ビル化を実現したんです。こうしてJR東日本は、東京駅赤レンガ駅舎の残余容積率を周辺の複数のビルに移転し、駅舎の復元保全のための資金調達を行なったんですね。


 

 


 

(鈴木)東京駅周辺の再開発ってそういうしくみだったんですか・・・!


 

 


 

(上川)丸の内駅舎の保存・復原工事は、外観を創建時の姿に忠実に再現し、加えて未来へ継承するため、巨大地震にも耐えうる免震工法で施工されました。まったく新しい高層ビルにするほうが、もしかしたら経費は安かったかもしれませんね。


 

一時解体したとき、屋根材に使われていた天然スレート6万5千枚が、もともとの産地である宮城県石巻市の業者のもとで保管されていたそうですが、東日本大震災の津波で塩害にあい、2万枚が使えなくなってしまい、急遽スペインから2万枚を輸入した、なんてエピソードもあります。


 

 そうまでしてでも、創建当時の姿を甦らせたい、という都民の意思が、このようなダイナミックな再開発プロジェクトとして結実したのです。大切なものは経済効率の追求だけでは得られない、と実感します。


 

 


 

(鈴木)丸の内駅舎の完成イベントで、プロジェクションマッピングというのが話題になりましたね。


 

(上川)今年のロンドンオリンピック開会式でも多用された、建物の形状に合わせた映像をプロジェクターで投影し、特殊な視覚効果を生む映像表現技術です。丸の内駅舎そのものをスクリーンに、壮大なスケールの高精細フルCG映像が繰り広げられ、その規模は国内史上最大規模だったそうです。


 

 
(鈴木)テレビのニュースで観ましたが、東京駅や鉄道の歴史を映像や光や音楽で表現したすばらしいプロジェクトでしたね。


 

 
 
(上川)映像技術だけであれだけの感動を与えられるというのは、街づくりの大きなヒントになると思います。ふだん利用者の少ない過疎地の駅や秘境の駅などで、人を集めるしかけづくりにも応用できるのではないでしょうか。


 

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(鈴木)今日はふだん遠出の旅行に行けない陽子さんには、ちょっぴり旅気分を味わっていただけたでしょうか。


 

 


 

(上川)一人でブラッと電車の旅をしたくなりましたね。駅を見比べるだけでも、その街がどんな未来を志向しているのか分かるような気がします。


 

 


 

(鈴木)東京駅以外で陽子さんにとって思い出深い駅というと・・・


 

 


 

(上川)ニューヨーク・マンハッタンの玄関口、「グランド・セントラル駅」かな。


 

 


 

(鈴木)さすが、国際派の陽子さんですね。その心は。


 

 


 

(上川)アメリカ映画の舞台にも出てくる駅です。天井が高くてNYの観光スポットとしても有名です。駅構内の地下にはたくさんのレストランがあるのですが、中でも「グランドセントラル・オイスター・バー」は、創業100年の歴史のある老舗レストランです。その名の通り、秋から冬にかけて、大西洋で採れたての旬の蠣やはまぐりが、安くておいしく食べられるんです。NYのセントラルステーションで「蠣を食べよう」なんてツアーがあったら、ぜひおすすめしますね。


 

 


 

(鈴木)わー、行きたい!


 

 


 

(上川)そんな方に、とっておきのニュースがあります。1934年より荘厳な佇まいを守り続ける重要文化財「明治生命館」の地下で、「グランドセントラルオイスターバー丸の内」の世界3号店が開店しているんです。本場そのものの雰囲気で、おいしいシーフードが食べられる。ぜひ、東京駅に見学の際のコースに入れてください。


 

 


 

 お話が、食欲の秋になったところで、そろそろお時間になりました。最後までおつきあいくださったリスナーのみなさま、本当にありがとうございました。それでは、次回までごきげんよう。