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かみかわ陽子

論文・対談・投稿・マスコミ

 

上川陽子少子化担当相が語る

迷うなら産んでみようよ    やれることは何でもするから

AERA 2008年7月7日号

昨年12月発表の「子どもと家族を応援する日本」重点戦略で、政府の少子化対策は従来の女性の子育て支援からワーク・ライフ・バランス(以下WLB)に大きく舵を切りました。WLBの推進は少子化対策限定ではないのですが、子育ての責任を母親が一手に負って疲れ果ててしまうという根本の問題を打破する意味で画期的。重点戦略の一翼である「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」とその「行動指針」を、政労使が合意して策定したことに大きな意味があります。

WLB推進には企業の協力が不可欠です。現在、「職場を変えよう!キャラバン」として経済団体のトップにお願いに回っていますが、WLBに関して意識の高い企業が増えてきたと感じています。そうした企業は、メリハリある働き方が社員のモチベーションを上げ、仕事の質を高めるという好循環を生み、生産性の向上や利益創出に、さらには有能な人材の獲得につながることに気づいています。WLBを社会全体の運動に広げるため、6月には「カエル!ジャパン」キャンペーンを開始しました。

国の意識調査では今年ついに、性別役割分担への反対意見が過半数を超えました。若いパパが育児に参加したがっている今、男性の育児休業取得もぜひ奨励したいです。

一方で、各家庭の環境に合わせたきめ細かい子育て支援サービスのメニューを作るなど、望めば子育ても仕事も手に入れられるよう、やれることは何でもやるつもりです。

政策実現にかかるコストは1.5〜2.4兆円。財源の問題はありますが、子どもにはお金を投じていいという社会全体のコンセンサスが得られるよう訴えていきます。

もちろん子どもを持つかどうかは個人的な価値観次第。ただ、子どもを生むことを損得の秤にかけるのはおかしい。やっぱり子どもはかわいい。2人の娘を働きながら育てた経験からも、迷うなら産んでみようよと言いたいです。

(朝日新聞社に無断の転載禁止)

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