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かみかわ陽子

論文・対談・投稿・マスコミ

これからの「郷土づくり」と「建設産業」

――-県内選出の衆議院議員に聞く――-

建通新聞  2005年新春号掲載

 

魅力ある地域づくりに期待 太平洋の海洋調査に注目

 上川 陽子 議員

設問T.国内はもちろん、世界に誇れる郷土づくり

ふるさと静岡県をどういった県にするべきでしょうか。今後の静岡県の役割、位置付け、また後世に残したいものなどを。

(上川)静岡県は温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、温和な人間性と郷土愛を育む、世界に誇れる郷土です。三大都市圏の中間に位置し、約500kmに及ぶ海岸線には清水港をはじめ重要港湾を擁しているほか、第2東名、中部横断自動車道、静岡空港の建設が進められ、陸海空すべての交通インフラが確保されることになります。こうした好条件を生かし、東部では富士山麓ファルマバレー構想、中部では食の安心安全をめざした機能性食品の開発拠点構想、さらに西部では光産業などの産学官拠点づくりが国から特区認定を受けており、これらを核に経済発展と環境のバランスのとれた魅力ある地域づくりが期待されます。

設問U.郷土づくりに公共事業が果たす役割

第 2東名完成以降の国家プロジェクト、また静岡県のインフラ整備についての展望などを。

(上川)ここ数年、県内でも台風や集中豪雨による河川氾濫や土砂崩れ、都市部の浸水が頻発しています。また海岸線が長く侵食海岸が多いため、高潮や津波等による災害発生の惧れのある地域も少なくありません。とりわけ東海地震の切迫性が指摘されるわが県としては、阪神淡路大震災や中越地震を教訓に、地震対策が喫緊の課題です。さらに今後の地域発展のためには、都市機能の高度化や交通ネットワーク(道路・港湾・空港)の整備も必要です。「安全で安心、豊かで住みよい地域づくり」を進めるうえで、治山治水や社会インフラ整備に公共事業が果たす役割はきわめて大きいものがあります。

設問V.郷土の建設産業界に向けての提言

公共工事減少の打開策や産業として繁栄させる方策などを。

(上川)地域の建設産業には、第二東名建設など上記1.であげた国家プロジェクトとの連携を図りつつ、以下のような新たな取り組みも期待されます。すなわち、@アクセス道路や陸海空の交通インフラなどを有機的に結びつける社会インフラの整備と高機能化・インテリジェント化、A高齢者・障害者にやさしいバリアフリー化、B学校・病院・福祉施設など公共施設および住宅の耐震化、C県産材の公共施設、住宅等への活用による森林保全・環境循環システムづくり、Dリサイクル部材の活用・バイオマス・エネルギー化プロジェクトの推進など。なお、これらを建設産業の需要拡大に結びつけるうえで産学官の共同研究推進が有効です。

設問W.2005年の明るい話題

静岡県の建設業にとって、 2005年の明るい話題を。

(上川)昨年来、私は大陸棚資源の開発を促進する議員連盟(会長:福田康夫前内閣官房長官)の事務局長を務めています。国は海洋フロンティア開発のため2007年まで太平洋の海洋調査を本格実施する計画で、昨年度は104億円予算を計上し、2005年度以降さらに大幅な増額が見込まれています。鉱物資源など天然資源の宝庫である海洋の開発をめざすこうした国の方針は、駿河湾沿いに長い海岸線を擁する静岡県にとっても大きなメリットをもたらします。ぜひこのプロジェクトに関心を持ち、注目していただきたいと思います。今年は静岡県の発展にとって飛躍の年となるでしょう。皆様が自信と誇りをもって郷土発展のため邁進されるよう心からお祈りします。

以上

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