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かみかわ陽子

活動報告国会活動

 

大臣退任のご挨拶 

2008年8月1日、閣議後の記者会見にて

 

(はじめに)

本日13時30分より臨時閣議が開かれ、辞表を提出いたしました。これが大臣としての最後の記者会見になりますので、一言所感とお礼を申し上げたいと思います。

昨年8月、内閣府特命担当大臣に就任して以来丸11ヶ月、「ねじれ国会」という厳しい政局の中、日々緊張感をもって仕事に取り組んでまいりました。日本がグローバル化時代における新たな国のかたちを模索する大変重要な時期に、少子化対策、男女共同参画、青少年健全育成、食育、さらには公文書管理と、政治家にとって大変やりがいのあるテーマに取り組む機会を与えられたことを、安倍前総理ならびに福田現総理に心から感謝申し上げます。

内閣府をはじめ関係省庁の皆さんには、オープンな政策立案の過程を大切にし、「現場」の声にも耳を傾けながら仕事をしたいという私の思いにしっかりと応えていただきました。また、多くの国民の皆さんや関係団体、記者の皆さんには、いろいろな形で政策をめぐる議論に参加していただき、心から感謝申し上げます。私は大臣の職を辞した後も、一国会議員として、また自民党議員として、福田総理のめざす「国民目線の政治」をしっかり支えてまいる所存です。

私は大臣就任当初、3つの方針、すなわち、@省庁横断型の子ども家庭省をイメージしながら取り組むこと、A国民との積極的な対話と協働に努め現場主義に徹すること、B国民生活に敏感に反応し迅速に行動すること、を掲げ活動して参りました。

 

(少子化対策)

まず、少子化対策については、昨年12月に決定した『子供と家族を応援する日本重点戦略』の着実な実行に努め、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」と「行動指針」に基づく国民運動に着手したことで、ようやく少子化対策への手掛かりが掴めた実感があります。今後、確実に成果に結びつけていくためには、必要な予算を確保することが何といっても重要です。とりわけ福田総理が打ち出された『5つの安心プラン』はここ1、2年の緊急対策ですから、その確かな実行が希望の実現に向けての試金石になります。後任の大臣には特にこの点に力を入れていただきたいと思います。

 

(男女共同参画)

男女共同参画の推進については、4月に『女性の参画加速プログラム』を仕上げることができました。少子高齢化時代に活力のある経済を実現していくためには、女性の潜在力を引き出すことが不可欠です。「2020年30%」という女性活用の数値目標実現をめざし、あらゆる力を集中することが必要です。とりわけ戦略的重点分野として医師、科学者、公務員の3分野を選択したのは、これら分野での成果を他の分野に広げるためであり、そのためにはさらなる施策の積み上げが求められます。

 

(青少年健全育成)

青少年健全育成については、7月に青少年育成施策大綱の大枠を青少年育成推進本部(本部長:福田総理)で決定していただきました。昨年末以来、青少年を現場で見守る有識者の皆さんと懇談を重ね、根本に立ち返って議論してきた枠組みですが、今後さらに年末にかけて具体策を充実させる大きな仕事が残されています。このほか、子どもの健やかな成長のために、家族の絆や食育の視点を踏まえたプロジェクトにも取り組みました。青少年を取り巻く経済社会環境は想像以上に厳しく、少年犯罪の凶悪化や非行の深刻化が懸念されているだけに、日本の未来を担う青少年が自己を確立し、自信を持って生きていけるよう、大人たちが自らの問題として対応しなければなりません。

 

(国際交流)

私は「対話と協働」を重視する基本的考えのもと、国際的な取り組みにも力を入れてきました。国際交流や外国の閣僚との相互訪問、さらにはG8労働相会議など国際会議の機会を通じて、国際的な広がりへの糸口をつくることができました。EUやOECD諸国では、男女共同参画やワーク・ライフ・バランスについて日本と共通した課題を抱え、少子高齢化が急速に進む日本への関心はとりわけ高く、来年にかけて予定されている国際会議での日本の積極的貢献が期待されています。

 

(国民対話と現場主義)

私の発案でスタートし、毎回私自身が参加した全国各地での国民対話集会『オープン!子ども大臣室』は13回を数え、また、『仕事を変えよう!大臣キャラバン』を通じた経済界・労働界への働きかけは15回、自治体との対話も11団体を数えました。そうした機会を通じ、永田町・霞ヶ関から発信するメッセージが思いのほか、現場に、また国民の心に十分届いていないことに気づかされました。しかし、大臣自ら「現場」へ出向く姿勢は予想以上に反響を呼び、国民目線の政治を実践する上で一つのヒントを頂くことができました。

 

(公文書管理)

本年2月末、新たに任命された公文書管理担当大臣の仕事については、未来永劫にわたってわが国の民主主義のベースとなる公文書の記録をどのように保存・管理していくべきか、その仕組みを平成の時代にいかに確立すべきか、強い使命感を持って臨みました。公務員制度改革にも直結する大きな課題だけに、本年10月の最終報告に向けて、有識者会議の皆さんには、さらなるご指導をいただきたいと思います。

 

(おわりに)

以上、いずれの施策も、絶えず冷静な検証を尽くしながら、メリハリのある取り組みをねばり強く進めることが肝要であるだけに、後任の大臣にしっかりと引継ぎをし、私自身も一議員の立場でその実現を精一杯応援してまいりたいと思います。

最後になりましたが、記者の皆様には重ねてお礼を申し上げますとともに、皆様のご活躍を心よりお祈り申し上げます。とくに、日本の将来にとって希望の象徴である赤ちゃん、子どもたち、青少年の笑顔に触れる機会に数多く恵まれ、このことは私にとって大きな励みになりました。子どもたちの希望の実現に向けて、これからも力を尽くしてまいることをお約束し、最後の報告に代えたいと思います。

ありがとうございました。

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